夕日露天風呂
「ここが温泉だね」
私たちは早速温泉の入り口に来ていた。
「それじゃあ私たちはのんびり1時間ぐらい入ってくるからまた後でねー」
「俺らものんびり入るとするか」
「じゃまた一時間後ぐらいに」
そうして私と沙莉は女湯に入っていった。
「いやー久しぶりのお風呂だねー」
「そだねー、一ヶ月ぶりくらい?」
「流石にそこまでは経ってないよ」
服を脱ぎながら話していると私はあることを思い出した。
「そう言えば光は?」
「光?多分男湯に入っていったんじゃない?」
「やっぱり光は男子だったか」
「水着は可愛いやつだったのにね」
「焔と蒼雷は驚いているだろね」
一方その頃、男湯脱衣所では
「あれ?そういやぁ光はどこいったんだ?」
「女湯にいるんじゃねぇの?」
「やっぱ自分は男だって言い張り続けてても、やっぱり風呂となったら隠せないから向こうにいったか」
「ほんじゃ、さっさと入ろうぜ」
「焔、温泉入る前に体洗えよー」
「分かってるって」
一方女湯は、
「さぁて、体も洗ったことだし、早速温泉入りますか」
「今は夕方だから露天風呂行こうよ。ここから見える夕日は綺麗だと思うよ」
「そうだね。露天風呂に行こっか」
私たちは露天風呂へ向かった。
「うわぁー!綺麗な夕日だねぇ」
「ここまで綺麗なんだ」
「何気にここ十四階だもんね。高層マンションとかってこんな感じなのかな」
『おーい!』
壁の向こうから焔の声が聞こえた。
「なーにー焔」
『おっ、聞こえたみたい。どうそっちは?』
「夕日が綺麗だよ〜」
『こっちも綺麗だぜ』
「そう言えば、そっちに光いるのー?」
『ん、あ、あぁいるよ。タオルを巻いたまま』
『やっほー二人とも光だよー』
「やっぱ光は男の子だったんだね」
『光は男の子に決まってんじゃん』
『のわりには光、俺らに着替えを見られないようにする為に速攻で着替えて体洗ってタオル巻いて風呂に入ってるやん』
『そりゃあ恥ずかしいじゃん』
まだ光の性別は男の娘のままみたいだ。
『にしても綺麗な夕日だなぁ』
「もうこのまま四国に行かずに五人で旅をし続けるのもありかもね」
「冗談はやめてよ沙莉」
『んまぁでも沙莉の言う通りこのまま旅をし続けてもいいかもな』
「んもう、蒼雷まで。一応私たちは避難所の人達と合流しないといけないんだよ」
『まっ、それもそっか』
『まぁとりあえず今日はここで休んで、明日四国近くまで行ってそこで休んで明後日にでも安全地帯に入ればいいんじゃない?』
「そうだね。無理して急ぐ必要もないからね」
『中途半端な時間に行ったら向こうも迷惑だろうしのんびり行くか』
「それなら、、、いっか」
『よーしそれじゃあ俺はそろそろあがろっかな』
『俺は中の風呂にでも入るとするか』
「私たちも中の風呂に入ろっか」
「そうだね」
『光はもう少し入ってるよ』
『じゃまた後で』
「また後で」
そうして私たちは室内のサウナやジェット風呂なんかを堪能してから上がった。
脱衣所を出るとすでに焔と蒼雷がいた。
蒼雷は何故か不満そうな顔をしている。
「光はまだ入ってるの?」
「いや、もう上がってるよ」
「どこにもいないけど」
「光にはキャンピングカーまでこの後やる企画に必要なものを取りにいってもらってるんだ」
私と沙莉も蒼雷と同じような顔をしながら何かを察した。
「明日の出発時間はお昼過ぎになりそうだなぁ」
私たちが二日かけて移動する理由がはっきりしたなぁと思ったのであった。




