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温泉に入りたい

海水浴場で一晩過ごした次の日


「そろそろ温泉入りたい」


沙莉が急に言った。


「何故急に」


「だってさぁ、考えてみてよ。キャンピングカーにシャワーが付いているとはいえ湯船には相当長い間使ってないでしょ」


「そういわれりゃあそうやな」


「確かに、学校でもシャワーだけだったしね」


「でしょ。だからそろそろちゃんとしたお風呂に入りたいの」


「んー、って言ってもなぁ。どうせ温泉にゾンビの出し汁が大量に出てるだろうよ」


「うっ、それは、、、そうだ!焔、温泉を綺麗にする魔法とかないの?」


「あのなぁ、俺は別に異世界で便利屋とか魔法使いとかやってたわけじゃないんだぞ?」


「そっかぁ」


皆んな湯船に浸かりたい気持ちは一緒だが、ゾンビに汚染されてる温泉をどうにかするいい手段がないので手詰まりだった。


「んーせめて誰も入っていないような温泉ないかなぁ」


「んー、あっ!」


私はあることを思い出した。


「なんかいい案思いついたのか?」


「えーっとね、昔に三重に旅行に行った時に少し山の上の方にある旅館に行ったんだけど」


「なるほど、旅館の温泉か。でもそれでもゾンビは入っちゃってるんじゃないか?」


「うん。普通の旅館なら蒼雷の言う通りなんだけど、そこの旅館にはVIPエリアがあって、その中にも大浴場があるんだよね」


「なるほどVIP専用の温泉か。いいなそれ」


「しかもそこのVIPエリアには滅多に予約が入ることは無いらしいんだよね」


「尚更いいじゃん。早く行こうよ」


沙莉はもう行く気が満々らしい。


「そうだな。こんな状況じゃないと旅館のVIPエリアになんか入れないだろうからな」


「そうだね。光も賛成」


「俺も異論なし」


「よーし、じゃあ早速温泉に向けてしゅっぱーつ」


こうして私たちは旅館に向けて海水浴場を出発したのだった。





その後、高速道路を走ったり浮遊走りしながらお昼ごろに三重についた。


「伊勢海老食べたい」


「いいねぇ伊勢海老」


「お前らさぁ」


焔と光の発言に蒼雷が呆れていた。


「えーだってさ、せっかく三重にまで来たんだよ?伊勢海老ぐらい食べたいじゃん?」


「うんうん」


「食べたいのは分かるけどさぁ」


「どうせどこにも無いだろうし、もしあったとしても腐ってるよ」


「うっ、で、でも養殖場とかならいるんじゃない?」


「残念、伊勢海老の養殖場はないことは無いけど、難易度が高すぎて全然養殖されてませーん」


「無理かぁ。伊勢うどんでも良いけどこの後香川に行くからうどんはなぁ」


「そもそもこんなゾンビのいる終末世界でグルメを楽しもうとしてるのなんて私たちくらいだよ」


「それもそうか。仕方ない今日も昨日獲った魚達で我慢するかぁ」


「ほんじゃあ今日はエビ料理にしよっか」


そうして私たちはお昼ご飯を食べた再び出発した。





「さて、そろそろかな」


私たちはナビがわかりづらく少し迷ったが、何とか旅館の近くまで来ていた。


「よーし温泉に入る準備しておこーっと」


「光、気が早いよ。まだVIPエリアの温泉が無事だと決まった分けじゃ無いんだから」


「別にいいんじゃない?最悪汚かったらお湯全部抜いて掃除してから温泉入れてから入れば」


「そうだな。沙莉の言う通りだな」


「うーん、ま、まぁいっかそれで」


みんなの準備が出来終わった頃に丁度旅館の前についた。


「結構デカい旅館だなぁ」


「しかもすごく綺麗」


「さぁ、さっさと皆んなで中のゾンビ片付けて温泉に入ろう」


「「「おぉー!」」」


「頑張れ、皆んな」


焔達は旅館の中にゾンビを殲滅しに行った。


「さて、その隙に」


私はその間にキャンピングカーの中でラジオで情報収集をしながらキャンピングカーの掃除をするのだった。

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