海水浴
富士山を降り、大富豪大会を終えた私たちは四国に向かった、、、はずだったのだけど、、
「ヒャッホーイ!」
「海だー!」
そう、海に来ていた。
いやぁね、これには深そうで全く深くない理由があるんだけど、
大富豪大会終わった次の日から四国に向かって一直線に進んでいたつもりだったのだけど、少しと言うか結構方向がずれてて太平洋側の海に着いちゃったんだよね。
でもそこで方向転換して、また出発すれば良かったんだけど、そこで水着屋を沙莉が発見しちゃって、そのまま皆んなで海水浴することが決定しちゃったんだよね。
そんで水着をそれぞれ買って(勝手に盗って)、海水浴場にいたゾンビやゴミを蒼雷が一掃したので今から早速海で遊ぶところ。
「いやー、何気に皆んなで海にくるの初めてだよね」
「そうだな。プールは何回か行ったけど海は初だな」
「とりあえず皆んなで泳ごうぜ」
「んじゃお先にー」
「あっ、ちょ、光待て!」
焔と光は早速海に入っていった。
「あーあ、あの二人とも準備運動せずに入っちゃったよ」
「まぁいいんじゃねぇの?あいつらもたかが海ごときで怪我するような奴じゃないだろ」
「そういう問題なのかなぁ」
まぁでも皆んなは最早人の域は超えてるし大丈夫か。
「さて、私たちも入るよ」
私たちはゆっくり海に入った。
「ひゃっ、冷た!」
「でもちょうどいいね」
「おーい焔ー、光ー!そろそろ戻ってこーい」
蒼雷の呼びかけに焔と光が私たちのいる浅瀬に戻ってきた。
「よーし、皆んな海に入ってきたな」
「んじゃ、やるか」
焔と光の企みが始まるのか。
もう何となく分かってきたよ。
「じゃあとりあえず、はい」
焔がストレージから槍を取り出して私たちに手渡した。
「焔、これは?」
「これで魚を獲るんだよ」
「サカナヲトル?」
「そう。魚獲り」
「オー、サカナトリ!」
「ソウ、サカナトリ」
「ツマリ?」
「第一回魚獲り大会ー!」
「イェーイ!」
「イェーイ!」
「おっ、草乃が乗り気なんて珍しいな」
「本来こうゆう身体能力がものを言う勝負で私が勝つのは不可能に近い。けど、魚獲り、正確に言えば釣りに関してなら負けないよ!」
私は小さい時に釣り好きな親に連れられよく釣りをしてたんだ。
いつもは皆んなと同じ土俵には立ててないけど今回は皆んなと同じ土俵で勝つんだから。
「んじゃあ、草乃には釣竿も渡しておくか」
「あっそれならショッピングモールでの買い物の時にしれっと焔のストレージの中に釣竿何本か入れといたからそれを出しといて」
「ちゃっかりしてんなぁ、草乃」
焔は私の釣り道具一式を取り出した。
「おいおい、こんなに入れてたのかよ」
焔が取り出した釣りセットは相当大きかった。
「そりゃあ仕方ないよ。釣竿に投網に罠に餌にその他諸々沢山入ってるだから」
「は、はぁ。まぁいっか」
「そんなことは置いといて早くやろうよ」
「そうだな。今が8時か。ちょうどお昼の12時までに誰が一番魚を獲れるか勝負だ」
「これで誰も魚獲れなかったら、今日の昼は抜きになりそうだな」
「そんな心配はしなくていいよ。私が沢山獲ってくるから」
「いつにもなく草乃が自信満々だな」
「張り切り過ぎて遠くに行きすぎるなよ」
「大丈夫分かってるって。この中で私は一番常識人なんだから」
「はて、それは本当なのやら」
「んじゃ準備も出来たことだしヨーイスタート!」
こうして私たちのいつも通りのくだらない、、いや、今回は非常に重要な魚獲り大会が始まったのだった。




