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洞窟探索

お昼ご飯を食べ終えた私たちは富士山の山頂付近を景色を眺めながら散歩することにした。


「いやー、絶景ですなぁ」


「そんなことより寒いからさっさと帰ろうぜ」


蒼雷は絶景の感動より寒いという感情が勝っているようだ。


「まぁまぁそんなこと言わずにさ」


「そんなに寒いならほら、あそこ、ちょうどいい洞窟みたいなのがあるぜ」


焔が指を刺した先には人一人通れるほどの洞窟があった。


「へぇ〜、富士山にこんなところあったんやなぁ」


「入ってみようよ」


私たちは順番に洞窟の中に入っていった。


「少し暗いね」


「ちょっと待ってな灯りだすわ【ライト】」


焔が魔法で洞窟内を照らしてくれた。


「うわぁ、案外奥まで続いてるんだな」


「早く奥に行ってみよ」


私たちが奥の方へ歩いていくと奥の方からゾンビが二体向かってきた。


「ここは私がサクッとやっちゃうね」


ゾンビは先頭にいた沙莉がマシンガンを乱射して、二体のうち一体は直ぐに倒れた。


「うーん渋いとなぁ」


しかしもう一体がなかなか倒れなかった。


「流石にこの狭い洞窟じゃあ色々展開できないし」


「光もこの狭いとこだと厳しいよ」


「俺もここだと洞窟に相当被害出しちゃうだろうし」


「私はそもそも何も出来ないし」


「な、何だよみんなして俺のこと見て」


「もう残されたの君しかいないから」


「よろしく、蒼雷」


蒼雷は思いっきりため息をついた。


「はいはい、わかりましたよーっと」


そう愚痴をこぼしながらも蒼雷はゾンビの四肢を超能力で引きちぎった。


「蒼雷さんったら残酷」


「ゾンビ達を跡形もなく蒸発させたやつにだけは言われたくないわ」


そして蒼雷は引きちぎったゾンビの四肢をさらに細かく引きちぎりゾンビを丸め込んだ。


「映画館の時のゾンビボールじゃん」


「今回のやつは前回のより少し固かったな。分解しないで丸めようとしたら相当時間かかったな」


一応分解しなくても丸めることはできるんだ。


「さて、これともう一体まとめて外に放り捨てていいよね?」


「それでいいんじゃない?」


蒼雷は地面に倒れているもう一体のゾンビもまとめて小さく丸め、それらを外に放り捨てた。


「よーし、探索の続きだぁ」


再び歩き出すと、直ぐに少し開けた場所に出た。


「こ、ここは、、、」


その開けた場所には明らかに人が暮らしていた形跡があった。


「これってもしかしてだけどさ」


「うん、もしかしなくともさっきの二体のゾンビ達のやつのものだよね」


ここには捨てられた缶やペットボトル、寝袋などが置いてあった。


「仮にも富士山を登ってるんだからこのくらいの装備は持ってたってわけか」


「にしても二人にしては量が多くないか?」


「それもそうだな」


見た感じざっと数十人程度が暮らしたいように見える。


「少しこんなかを見て回ろうぜ」


しばらく私たちが洞窟の中を探索していると光があるものを見つけた。


「なぁなぁこれって日記じゃない?」


光が見せてきたノートのようなものの表紙にはゾンビに関する報告と富士山での出来事と書いてあった。


「そうみたいだね。読んでみる?」


「そうしよ」


「じゃあ読むよ」




「私の名前は津田 後生。研究者だ。

私は登山が趣味で今回三度目の富士山に登頂した時、このゾンビパンデミックが起きてしまったのだ。ここの山頂でも何人かがゾンビ化してしまいパニックになった。そこで私は周りの感染していない人々を集めこの洞窟に避難してきた。だがしかしこんなところにいてはどうすることも出来ないし、助けも見込めない。ゾンビになるか餓死するかの二択だ。なのでせめてこのノートにここで起きたことと、私達が命懸けで調べて分かったことを記しておこうと思う」

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