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呑気なみんな

衝撃の現場を目撃した私たちはとりあえず、、、


「よし、俺らも撮影して投稿だ!」


「バカか焔逃げるんだよ」


「大丈夫大丈夫俺最強だから」


「あのねそういう冗談は安全が確保されてからにしてくれる?」


いつもの通り呑気にグダグダやっていた。


「とりあえず光、この遊園地内で人が全然いないとこってどこ?」


沙莉はこんな時でも冷静だ。いや、うん。呑気そうにしてる光と焔もある意味冷静だな。


「うーんそうだねぇ、、、ない」


「は?」


「は?」


「は?」


「は?」


「いやいやいや、考えれば分かるだろ。週末の遊園地に人気がないとこなんてあるか」


「使えな」


「何がマウントランドガチ勢なんだよ。使えな」


「文句言うなって。そうだなぁ強いて言うなら立ち入り禁止エリア。特に最初に乗ったアトラクションの内部かな」


私たちが最初に乗った二番人気のアトラクションは屋内型のジェットコースターだった。


「まぁ確かにそれなら人もゾンビもいないだろうけど」


「そこって入って大丈夫なの?」


「この光さんに任せんしゃい!」


そうして光の先導のもと屋内型コースターの内部に侵入できた。


「さて、これからどうするか」


「うーん私はここでほとぼりが冷めるのを待つのがいいんじゃないかな?」


私は至極当たり前の普通で一番安全な策を提案した。


「いやーでもねこんなとこにいても意味なくね」


「食料も水もないし」


「それにここは人がいないって言ってもいずれは入ってくるだろうし」


「それにこんなゾンビパンデミックですぐに解決した試しなんてないだろ」


「そもそも起きたことないでしょ」


何だか私は嫌な予感というか、残りの四人がヤバそうなことを言い出しそうな予感がしていた。


「ここにいても袋のねずみ、籠の中の飛べない鳥、引きこもりのインキャチー牛オタクだよ」


「ちょっと最後のは聞き捨てならないですねぇ」


もはやこの四人はこの状況を楽しんでるかのように呑気で平然としている。


「つまり皆んなはここで待機せずにどうしようっていうの?」


「そんなん決まってるでしょ」


「「「「ゾンビを倒す」」」」


あーあ私の嫌な予感はやっぱり当たってたみたい。


「皆んなどうしたの、脳筋なの?焔や光はいつも通りだけど沙莉までどうしちゃったのさ」


「いやーな草乃。さっき皆んな言ってたけど、ここにいても意味ないって」


「そ、そうかもしれないけどさぁ。相手はゾンビだよ。噛まれたりしたらゾンビになったり、もしかしたら死ぬかもしれないんだよ」


「うーんまぁそこはどうにかなんだろ」


「なんで皆んなそんな呑気なの?」


「少なくとも俺はゾンビなんか余裕でぶっ倒す自信がある」


「奇遇だな蒼雷。俺にも自信がある」


「私も同じく」


「皆んなそうなのか、まぁ光にもあるだなぁそれが」


もう私にはわけが分からなくなってきた。


「はぁ、皆んなにはゾンビに勝てる自信があると」


「うん」


「そうだな」


あーあもういいや。何言っても皆んな聞かなそうだし。


「分かったよ。ゾンビを倒すでいいんでしょ」


「草乃、やっと分かってくれたか」


「いや、分かってはないよ、折れただけ」


「よし、早速行こう!」


「いやいや、二次会行こう!みたいなノリで行かないでよ。そもそもとして皆んな、どうやってゾンビを倒すつもりなの?」


「それは、、、見てればわかるよ」


「俺のも同じく」


「俺を見ていてくれ」


「草乃は安全なところから私たちを見ていてよ」


「う、うん」


もうほんとにわからない。いや、まぁここまできたら皆んなを信用するしかないか。四人も信頼し合ってるみたいだし。


「じゃあとりあえず作戦は、、、」


「皆んなで総攻撃して殲滅して勝つ、以上」


はぁ作戦が作戦になってないんだけどなぁ。


「じゃあ、総員突撃!目標は周囲のゾンビの殲滅!進めー!」


「「「おぉー!」」」


「が、頑張ってー」


なんかもう私は思考を放棄した。


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