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賭けの撤退

「クソッ、もう魔力が残ってねぇ」


「私もほとんど弾薬使い切っちゃった」


「光も」


4人はなんとかゾンビを足止めしていたが蒼雷以外の3人についに限界が来てしまった。


「今、光が戻ってきて約20分経った頃か」


「まぁ頑張った方じゃない?」


「そうだね」


「それじゃそろそろ離脱する?」


「って言ってもさ、この状況で逃げ出せるの光だけだよ」


4人の周囲は全方位ゾンビに囲まれて、空中に逃げようにも飛行ゾンビが陣取っていた。


「こいつら、俺等のこと取り囲んで逃げ道を無くしたうえでじわじわ体力を削っていきやがったな」


「ここまで強化されてると戦術と連携もとってくるのは予想外だったな」


そうやって話しているうちにもゾンビ達はじわじわと4人に近づいてきていた。


「俺の残りの力を使えば光が逃げ出す隙ぐらいなら作れるか」


「それが一番可能性があるな」


「え!?光だけ逃げろってこと?!」


「そうするしかねぇだろ」


「ねぇ、蒼雷。蒼雷ってそういえば瞬間移動出来るって言ってなかったっけ?」


「え?蒼雷そんなこと出来るの?」


「んなこと言ったっけか?まぁ確かに出来なくはないだけど」


「じゃあやろうよ」


「いや、出来るには出来るんだけど、転移先がランダムなんだよ」


「ら、ランダム?」


「俺の視界に入る程度の距離の場所にランダムに瞬間移動出来るだけ。普通にゾンビの目の前とかにワープしたり、空中にワープしたりすることがあるってこと」


「だとしてもそれ使うか、光だけ逃げるかしかないんでしょ?そんならやるしかないでしょ」


「だな。このゾンビの包囲網の外に出ちまえばなんとかなるだろ?」


「じゃあ良いんだな?どうなっても知らねぇぞ」


「瞬間移動!」


蒼雷が能力を使った瞬間、4人がゾンビの包囲網の中から消え、ゾンビ達の包囲網の外の空中にワープした。


「よっし、成功」


「さぁみんなさっさとずらかるよ」


「最後の魔力で、【スモーククラウディ】」


焔が4人の周辺に白い煙を発生させた。


「やべ、魔力切れで動けねぇ」


「蒼雷、焔。捕まって、一気にジェット噴射でぶっ飛ぶから」


「了解」


蒼雷が超能力で焔を沙莉の所へ持っていき、蒼雷自身も沙莉に掴まった。


「じゃあ行くよ〜!3、2、1、ゴー!」


3人が乗ったジェットは一気に加速し、ゾンビ達は直ぐに見失ってしまった。


「みんな大丈夫みたいだね。じゃあ光も」


そうして沙莉のジェットとは比べ物にならない速度で光はゾンビ達のいる所から離れていったのだった。





4人が必死に時間を稼いでいた時、草乃達は、、、


「なんだかほんとにゾンビいないですね」


「そりゃあ先導の自衛隊の車が安全な道選んで進んでるだろうからね。それにいたとしても直ぐに対処してるだろうし」


「そう言えばこれ、どこに向かってるんですか?」


「分からない、と言うか決まってないが正しいかな」


「え?!決まってないんですか?」


「だってそりゃあもうこの時期には安全なところなんてそうそうないよ。多分あの基地の中が一番安全だったよ」


「そ、それじゃあ」


「でも大丈夫。どっかしらに安全な所はあるよ。とりあえず今はあのゾンビ達から距離を離さないと」


「ほんとですか?」


「あれ?草乃ちゃん。もしかして沙莉ちゃん達がいなくて不安?」


「ふ、不安ってほどじゃないですけど。やっぱいつもは4人がなんとかしてくれるっていう安心感があったから。それがないとやっぱ安心は出来ないですよ」


「その不安な状態が本来の普通の高校生だよ」


やっぱり、私も皆に染まってしまったんだなぁと思う草乃なのであった。

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