はじめから全力全開
勢いよく飛び出した3人はゾンビに向かって一直線に向かっていった。
ゾンビのもとに早速届いた光は思いっきり斧を振りゾンビの身体の一部を斬り落とした。
「これでも一撃じゃ倒せないの?」
「光は強いゾンビに対してはなんも出来ないよね」
光が身体の一部を切り落としたゾンビに沙莉がロケットランチャーを撃ち込んだ。
ロケットランチャーは着弾と同時にゾンビもろとも爆散した。
「そうだぞ光、一撃火力がないとインフレにはついていけないぞ」
焔は両手に出した炎の剣でゾンビを一撃で焼き切った。
「いいもーんだ。光は周回要員として活躍するから」
「はぁ、なんであいつらはソシャゲの話をしてるんだぁ?」
蒼雷は基地の入り口付近から超能力で飛行ゾンビを地上に叩き落していた。
「お~い、飛んでるやつは全部落としとくから後は頼むぞ〜」
「って言われても、こんだけ数がいて全然死なないんじゃこっちが数的不利になるだけなんだけど?」
「いやいや、そんなことないよ」
沙莉が蒼雷に文句を言っている隙に光が叩き落とされたゾンビを殲滅していた。
「あれ?火力足りないんじゃなかったの?」
「一撃火力が足りないなら何度も攻撃すればいいだけだから」
「んー確かに」
「沙莉も早く戦ってよ」
「わかってるって」
沙莉は先程のロケットランチャーを全方位に連射しだした。
「あれ?そう言えば焔は?」
「え?なんて?爆発音で何も聞こえない」
「ほ、む、ら、は?」
「あ、っ、ち」
焔は勢いに身を任せて敵を焼き切りながら奥の方へ進んで行っていた。
「ふぅ、ここらへんなら巻き込まないかな。【クォークグルーオンプラズマ】【コアスプラッシュ】【コロナファイアー】【バーストバーン】」
焔の周りを大量の炎が巻き起こり、巻き散った液体が更に広い範囲のゾンビを蒸発させていった。
「派手にやるなぁ焔」
「派手さじゃ私達は叶わないね」
いやいや、派手さなら言うて沙莉も変わんねぇし、後光はどうやって高速で移動しながらゾンビも倒しながら沙莉と会話してんだよと、はたから思っていた蒼雷なのであった。
数十分もすると周囲のゾンビはあらかた殲滅し終わっていた。
「いやー今回は本当に疲れたぁ」
「結構飛ばしてたからね」
「焔とかすげぇ派手にやってたしな」
「あれが一番手っ取り早いんだよ」
蒼雷が超能力で飛び散ったゾンビの死体を一箇所に纏めながら四人は休憩していた。
「さて、これどうする?」
「どうするって言ったって、また深海に沈めて結界で覆う?」
「速攻で破られて太平洋がゾンビだらけになって終わりだよ」
「んーじゃあ香川の崩壊した安全地帯にでも放り投げに行く?結論としてここからゾンビがいなくなればいいんだから」
「確かに。じゃあとりま運ぶために結界に入る程度に丸めといて蒼雷」
「無理」
「いやいや、死んでるならそんな抵抗力ねぇだろ」
「死んでない」
「何言ってんだ。ショッピングモールゾンビじゃあるまいしそうそう簡単に復活するわけ」
そう思いながら3人がゾンビの死骸の方を見るとゾンビの身体がだんだん再生しているのが見えた。
「マジかよ」
「光、もう1回分の力残ってないよ」
「私も結構全力出しちゃったからこれ以上はキツイよ」
「俺も魔力結構使っちまったぞ」
「俺はまだ大丈夫だけど。こりゃ時間の問題だぞ」
「光、今すぐ草乃達の所へ行ってきて。そしてすぐに逃げるよう伝えて」
「うん」
光はすぐさま飛び出していった。
「こりゃ久々のピンチってとこだな」




