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慣れによる余裕

私達は歩いて取りあえずメインの住宅エリアへ向かった。


「安全地帯の時とか避難所学校の時程絶望してる人が少ないね」


「そりゃあ絶望なんかしてたらその隙にゾンビになるからでしょ。結構時間が経ってるからみんなだんだんと慣れてきたんだよ」


「俺等は最初からなんだよな」


「まぁそれは私や光や焔はね。元々そういう経験してるから。そう思うとやっぱおかしいのは草乃と蒼雷だよ」


「そりゃああんだけ確実に守られてたら安心してられるもん」


「それもそうだな。俺も自分の能力に自信あるからな」


そんな感じで私達が話していると


「こんにちは」


突然背後から声を掛けられた。


「こ、こんにちは」


私が驚きながら振り返るとそこには1人のおじいさんが立っていた。


「えっと、あなたは、、」


「私はこの住宅エリアの管轄を任されている、宮沢信久と申します。みなさんは今日からやってきた方達ですよね?」


「あっ、はい私は草乃です」


「俺は蒼雷」


「私は沙莉。それと後二人キャンピングカーの方にいます」


「はい。室瀬さんから聞いております」


あれ?もしかしてこの人、この中で結構偉い人なんじゃ。


「みなさん全員揃っていないのは残念ですが、ここについて詳しくご紹介させていただきます。守ってもらいたいルールなどもあるのでね」


「は、はい」


ここは桜島よりかは自由で安全地帯よりかは厳しめって感じそうだなぁ。


「ではまず最も守ってもらいたいものから。それは他の人と争わないこととこの敷地の外に出ないことです」


んまぁ当たり前だよね。ここに関してはどこもほとんど一緒、、、いやライブ会場の時は進んで外に出てたな。


「後は2日に一度行われる避難訓練への参加をお願いします」


「避難訓練?」


「はい。ここは基本的に安全ですがゾンビが入って来ないとも限りません。安全地帯の方では空を飛ぶゾンビもいたとか」


って言うことはまだこの周辺では飛行ゾンビは出てないってことみたい。


「なので定期的に避難訓練を行い、いざという時に確実に生き残れるようにしております」


そう言えば結構それ大事だけど何気に今までやってこなかったなぁ。


「色々落ち着いてきたから出来るんですね」


「その通りです沙莉さん。ゾンビパンデミック直後やその後すぐはみんな動揺したり、悲しんでいたりと避難訓練どころでは無かったのですが。これだけ時間が経てば、避難訓練程度の余裕は生まれてきます」


こうやって避難訓練してるから生き残れてるのかもなぁ。


「ルールなどは以上です。細かいルールは基本的に法律に則って下さい。食料の配布は朝と晩。お風呂は無いですがあちらに仮設シャワーがあるのでお使いください」


まぁ私達には専用お風呂があるから問題無いけどね。


「さて、他に何か聞きたいことはありますか?」


なんだかこの人、ゲームのNPCみたいな喋り方するなぁ。


「あ、じゃあ一つ」


沙莉が手を挙げた。


「どうぞ」


「ここら周辺にゾンビがいなかったんですけど、どこにいるです?」


そう言えば仙台の町中には結構いたけどこの付近だけは全然いなかったな。


「それはですね。この近くの巨大な建物の中に隔離しているです」


やっぱり長期間生き残るにはそれが一番だよね。


「始めの頃からここの上の人達はいくらゾンビだからと言って元人間を殺すのはダメだと言っておりまして。その影響で殺さずに隔離をしているんです。結果的にそれが最適だったわけですが」


見つけて速攻殺す発想になるみんなとは大違い。


「そのおかげで今まで無事に過ごせたんですね」


「でもそこが決壊したら相当ヤバいことになるんじゃ?」


「はい。ですので避難訓練では主にその場合を想定して訓練を行なっています」


そう言えばのライブ会場のあの檻大丈夫かな。焔も蒼雷も建築とかそう言うのが得意なわけじゃないし。


まぁ今更考えてもしょうがないか。


「それでは他に質問は?」


「私はもう大丈夫かな。2人は?」


「俺は特に無いかな」


「あ、えっと私は、、、宮沢さんは新しい人が来る度にこうやって会いに行ってたんですか?」


「ええそうですよ。放送などで全体周知させるよりこうやって一人一人話した方が伝わりやすいですから」


昭和の人って感じだけど、今はこれが重要なことなのかもなぁ。


その後私達は宮沢さんと別れ再び色々周った後、キャンピングカーに戻るのだった。


因みに余っているようだったので自転車を3台貸してもらった。

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