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卒業ライブ

『やっほ~みんなー。今日は草乃ちゃんと沙莉ちゃんと光ちゃんの卒業ライブだよ〜』


「「「「「「うぉおおお」」」」」」


いつもの歓声とは違い若干の寂しさのあるような声だった。


『さぁとりあえずどんどん行くよ〜。まずはプランオブアリア』


〜〜〜♪


私達も一週間活動してきたおかげでライブの緊張は少なくなってきた。


光と沙莉はファンサをする余裕も出てきたみたい。


私はそんなことしてたら失敗しちゃうから出来ないけど


『ありがとー!次の曲に行く前に、順番に卒業生から一言貰いましょう。まずは草乃ちゃん』


え!?私から?光からの予定じゃ、


その瞬間光と六花さんから同時に視線が飛んできた。


光のやつなんかやったな?


『あ、え、えーっと。私達はここになんとなーく遊びに来てライブ見学したら、成り行きでそのままアイドルすることになっちゃって。私は光みたいに可愛く出来ないし、沙莉みたいにかっこよくも出来ないし、失敗も沢山しちゃったけど、、、応援してくれてありがとう』


ザワザワザワザワザワ


え?あれ?何で?いい感じに話したと思うだけど、なんか変なこと言っちゃったかな?


『こんな長文、しかもいきなり振ったのに草乃ちゃんが噛まずに言い切れちゃった』


『最後の最後にかましてくれるのを期待してたのになぁ』


『六花さん、光、何言ってのよ。私だってやる時はやるんだから』


『だってライブ前にずーっと練習してたもんね』


『ちょ、沙莉それバラさないでよ』


沙莉のネタバレのせいで会場が笑いに包まれた。


『うぅ~。いい感じにできたと思ったのに。もう次の曲行きます。愛と花とアリア』


『ちょ、草乃ちゃんそれ私のセリフ〜』


〜〜〜〜♪


私のゴリ押しで次の曲を始めてしまった。


『2曲目愛と花とアリアでした~』


『なんか草乃ちゃんが吹っ切れちゃった』


『まぁいいじゃんいいじゃん。さっ、次の一言は沙莉ちゃん。よろしく』


『私は本当はこんなひらひらした可愛い服なんて似合わないし、アイドルなんて全然向かないと思ってたけど、案外やってみたら楽しかったです。ありがとうございましたー』


会場からは私と違い拍手が巻き起こった。


『は~い。それじゃあ沢山拍手を貰った沙莉ちゃんから、皆んなにお返しがあるそうでーす』


『え?え?な、なにそれ聞いてないんだけど』


『これは光ちゃんからの提案で、沙莉ちゃんの投げキッスをプレゼントでーす』


『え?いやいやいやいや、聞いてない聞いてない』


『そりゃあだって沙莉絶対やらないじゃん』


『でも私はそういうキャラじゃ、、』


『そういうことを基本しない人がやるから価値があるんですよ』


『ミカさんまで。く、草乃は味方だよね?』


『さっき、私も沙莉に秘密暴露されたし、沙莉もさっさと投げキッスしてよ』


『草乃も、はぁ、、分かった。やりますよ』


そうして沙莉は深呼吸をした。


『ふぅーーー』


そうしてファンの方を向いた。


『チュッ』


「「「「「「「「「ウォーーーーー!!!!」」」」」」」」」」


『うぅ、恥ずかしい』


沙莉はものすごく顔を赤らめていた。


『やっぱり沙莉の投げキッスは需要があったか』


『ナイス、光ちゃん』


『光、後で覚えててよ』


『まぁまぁ沙莉ちゃん。ファンの皆んなは大喜びしてるんだから良いじゃない』


まぁ一部(2人)大喜びと言うよりかは大爆笑してる人達がいるけど


『それじゃあ沙莉ちゃんの投げキッスも堪能出来たことだし、次の曲行こう。ガーディアン・ガーデン』


〜〜〜〜♪ 


この曲は今までの中で一番ダンスが激しくて難しい曲。


私は途中なんども失敗しかけながらもなんとか踊りきれた。


『さぁでは最後の曲の前に光さんに一言貰いましょう』


『えーっと、光は元々こうゆうのに興味あったので実際に出来て楽しかったです。ありがとうございました』


パチパチパチパチ


会場から拍手が起こった。


『あれ?光ちゃんなんか最後にとっておきのを出すんじゃなかったの?』


『それは折角だから歌いながら発表します。次の曲は、輝きの先に』


〜〜〜〜♪


そのまま曲が始まってしまった。


ファンの人や六花さん達は何が発表されるのかワクワクしているようだった。


それに対して、何が出るか分かってる私達は笑いを堪えるのに必死だった。


そうしてこの曲唯一の間奏のタイミングとなった。


『光の秘密は〜〜〜〜〜、実は光は男の娘でした~』


「「「「「「「「え?」」」」」」」」


『え?』


『え?』


『え?』


『え?』


『輝きの先に〜〜♪』


本来ここはサビで皆んなで歌うはずだったところだけど、光の衝撃の発言のせいで六花さん達が歌えなくなり、私達も堪えていた笑いが止められず必然的に光のソロとなってしまった。


〜〜〜〜♪


そうしてなんとか皆んな持ち直して歌いきった。


『ありがとう。輝きの先にでした~』


『ちょちょちょ、光ちゃん?いや光君?どういうこと?』


『ん?』


『ん?じゃなくて光ちゃん女の子じゃなかったの?』


『いやだから男の娘だよ』


『つまりどっち?』


『男の娘は男の娘だよ。ね?草乃、沙莉?』


『二人は真実を知ってるの?』


『いや、私達も』


『うん。でももうこれで良いかなぁって私達も思ってます』


『うーんまぁいっか』


『なんだか一部のファンの人達は大喜びしてるみたいだし』


『そんじゃ皆んなから一言も貰えたし、最後の一曲。アリアン』


〜〜〜〜♪


『皆んな今日もありがとう〜』

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