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アイドル体験

私達が中に入ると!部屋は真っ暗になっていた。


「君達にもこれを渡しておこう」


そう言ってスーツ姿の人は私達に赤、白、ピンク、オレンジのペンライトを渡してきた。


「え、これって」


私がスーツ姿の人に聞こうとした時、突然ステージの方が灯りがついた。


『皆んな〜!今日も元気にしてた〜?』


突如女の人の掛け声が聞こえてきた。


「「うおぉー!」」


その掛け声に合わせて周りの人達が歓声を上げた。


『よーし、じゃあ皆んないっくよ~』


その瞬間、ステージに四人のアイドルが出て来た。


それと同時に可愛げな音楽も流れ始めた。


『〜〜♪』


ステージ上のアイドルが踊りながら歌い出した。


「「おい!おい!おい!おい!」」


それに合わせて周囲の人達が合いの手を入れ始めた。


「アイドルの生ライブなんて私、初めて見たよ」


「俺もだ」


「おい!おい!おい!」


光はもう馴染んじゃってるよ。


「おい!おい!おい!」


焔もだったわ。


「私もせっかくなら楽しまなくちゃね」


そのまま、私達はアイドルのライブを堪能した。


途中、私達の方を向いてウインクしてくれた時はすっごい嬉しかった。





「いやぁ楽しかったね」


「知らないアイドルでも雰囲気とかで盛り上がれるんだな」


「充分ここに来た価値はあったね」


私達がライブの余韻に浸っていると、先程のスーツ姿の人が声をかけてきた。


「皆さん、もう一度私に付いてきていただけますか?」


「は、はい」


そうして私達はスーツ姿の人についていき、楽屋のような所へ来た。


「こちらへお入りください」


スーツ姿の人が連れてきたのは『プランアリア』と書かれた楽屋だった。


「ここってもしかして、、」


私がスーツ姿の人に聞こうとした時、楽屋の扉が勢い良く開いた。


「あっ、皆さん来てくれたんですね」


「ほんとに来ちゃったよ」


「なんでリーダーのあんなサインで気付くのかなぁ」


ん?サイン?


「それは六花さんの私の方へ向けたあからさまなウインクは流石に気が付きますよ」


え、あのウインク私達に向けたものじゃなかったの?


勘違いしてて恥ずかしい。


「さぁて、ここで立ち話もなんだから入って入って」


私達は言われるがままに部屋の中へ入っていった。


「とりあえず自己紹介しなきゃね。私はこのアイドルグループプランアリアのリーダー、りっちゃんこと天井六花」


「私ははるること光川遥だよ」


「ふーちゃんは雷桜風花。イメージカラーは白だよ」


「私はミカさんこと東鳳美華です」


「そしてこのスーツ姿の人が私達のマネージャーの赤井透」


「よろしくお願いします」


「えーっと私が沙莉、順番に焔、草乃、光、蒼雷です」


沙莉がまとめて自己紹介をしてくれた。


「えーっとそれで沙莉ちゃん達は四国の安全地帯から来たんだっけ?」


「はい」


「そっかぁ。私達はゾンビパニックが始まってからずーっとここに居たからねぇ。ちょっと羨ましいよ」


「よくここまで保ちましたね」


「うん。ファンの皆んなが頑張ってくれたおかげだね」


「そうだね~。ファンの人達が身を挺して物資を取りに行ってくれてるから」


「その見返りとして私達はこうやって毎日ライブをしているんです」


「そうだったんですか」


つまり、ファンはここを守るために動き、プランアリアの人達はそのファンの生きがいや原動力になってたってことなんだ。


「私達のこれまでの話しは一旦置いといて」


ん?なんか嫌な予感が


「沙莉ちゃん、光ちゃん、草乃ちゃん。3人とも私達と一緒にアイドルやってみない?」


「え?」


「え?」


「おもしろそ〜。光やってみたーい」


困惑してる私と沙莉とは裏腹に光はすっごい楽しそうにしている。


「3人とも可愛いし、ちょうど衣装も3着あるし」


「そろそろ新鮮味と言うか、新しい何かが欲しかったところだもんね」


「ちょうど新曲も出来たばっかだし、タイミングばっちしかも〜」


「そうなるとフォーメーションも変えなきゃいけませんね」


プランアリアの人達はもう一緒にやる雰囲気みたい。


「そ、そのなんで私達なんですか?私達以外の人でも」


「いやぁ〜、私達のグループ、ファンが99%男性なの。今ここにいる人もみんな男性だから」


「でもいきなりなんて、流石に」


「大丈夫。私達もフォローするし、失敗したとしてもファンの人達が助けてくれるって」


いやいやなんで失敗する前提なの?


「やろうよ、草乃、沙莉」


そしてなんで光はそっち側にいるの?


「まぁ実質無料でライブ見せてもらったし、やろっか草乃」


「えぇ!沙莉まで?!」


「まぁうん俺等もちゃんと応援してやるから」


「そうだな」


「焔と蒼雷も。あーもう分かった!やります。アイドルやります」


「よーし決定!それじゃあさっそくレッスン始めよー!」


「「「「「おぉ~」」」」」


「お、おぉ」


こうして私達のアイドル体験が始まるのだった。


成り行きだったけど、やっぱちょっとは楽しみかも

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