言の葉(短編小説)「記憶」
その記憶は、本当か間違いか分からない時は誰にでもある
彼は、ある記憶があった
それが気になって、彼は記憶を頼りに、記憶にある見知らぬ地名へ足を運んだ
有名でもない、小さなその地は、小さな小さな集落だった。
その地に着くと、懐かしい感覚が彼を出迎えた
ここはどこだろう?
足は勝手に1件の家で止まる
見覚えはあるが、分からない。
彼は窓から家の中を覗いた
中には生活していたであろう、痕跡はあった。
ふと、写真が飾られていた
よく見ると見知らぬ人の隣で笑う自分
(俺?)
彼は、その写真と共に記憶が鮮明になるのを感じた
「あっ……」
彼の足は家を後にする。
そして、とある建物へと向かった
己の罪を償うため
後日、テレビで数年前の事件の犯人が自首したこと。逃げてる途中に記憶喪失になっていたことが報じられた。
彼は、自分と向き合うことで、やるべきことを思い出せたのだった。