ゆきふりわたるとおく
雪が振り出すと自然と足取りが速くなる、俺だけ?かは知らないが、早く家に帰りたいと本能が告げるのだろう、寒いの嫌い!
『米花〜!』
桃ちゃんと姉ちゃんが並んで歩いてた、3人別の場所で働いてるとは言え日が暮れる前に家に帰るのが村の基本、割と帰り道で一緒になるんだよね
『お!今日も美味しそうな野菜!ゴブロクさんに感謝だね!それにしても雪かぁ、こっちの世界でも降るんだね』
雪が本格的に振り出す前に家に帰った
『そー言えば!今日は久しぶりに村長さんが食堂に来ててさ』
この村は村長のゴブリーさん一家が開拓した村で、ゴブリーさんの息子や娘が農園や鉱石の採掘食堂に宿屋、道具屋、なんかを経営している
俺の世話になってるゴブロウさんも息子の1人だ
『ゴブリーさんがまた食堂に来てた女の人に声を掛けててさ』
ゴブリーさんはもうお爺さんなんだが今でも現役だと言い張ってる!
『で、ゴブミさんが客に手を出すんじゃない!!って怒ってさ、ゴブミさんの手が出てたよ』
本当は奥さん思いの良いお爺さんなのにな、頑張れ!村長!
この日はゴブリーさん一家の話で盛り上がってから眠りについた
『米花ー!起きて!外が凄いよ!』
この世界に来て早起きが習慣になってきてるが、母と姉ちゃんのテンションの高さよ、俺も農家の仕事が有るからサボって寝てる訳にいかんし!覚悟を決めて起きるか……
『一晩でこんなに積もるんだな』
雪はまだ振り積もり遠くに見える家や森、それより遠くの山々まで白銀に輝く雪の世界に変わっていた
『これは、仕事になるのか?ってか、辿り着けるのか?』
考えても始まらないので、朝ごはんを食べてそれぞれが、仕事に向かう
『電話とかあったらな』
現代っ子である、思わずボヤいてしまうのは仕方ないと思う
『グズってないで行くよ!』
少女なのに雪を掻き分けながら進む母の姿は偉大であった
関係無い話だが、我が家のペットのコタツは名前に負けて冬眠に入った、聖獣でも蛇は蛇か、暖かいコタツに入ったままで移動したいと現実逃避しながら農家に向かうのでした