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寝取られ大好き勇者様、彼氏持ちハーレムパーティーに参入す

作者: 東空昂輝

先に謝っておくぜ!


ふざけたタイトルだけどクッソ重いぞ!


ごめんなさい!


 王国によって異界より召喚されし勇者、ヒロト=タチバナ。

 高貴にして勇壮なる女騎士、カリア=ツエトラ=リエヴァノス。

 古の大魔術を受け継ぐ魔女、イエノーラ=エトマ=タリバリア。

 あらゆる神の寵愛を受けた聖女、エレア=リバヌール。

 エルフの血を受け継ぐ天性の弓兵、リリナ=ヘイリー。



 男なら誰もが羨む、美少女に囲まれたハーレムパーティーだ。

 そりゃあ俺だって最初は喜んださ。可愛い女の子に囲まれて、きゃっきゃうふふって感じな冒険して、恋しちゃって、みたいなノリで。

 でも現実ってのはそう甘くない。学校で人気な可愛いあの子にイケメン彼氏がいるように、戦闘力高めな有能美少女であるところのパーティーメンバーはみんな、彼氏だの十年来の幼馴染だの婚約者だのが先約を入れていて。

 模範的小市民であるこの俺に、そんな彼女たちを引き連れてラブでコメな展開に身を投じるような度胸なんて、全くなくて。

 むしろ、「ごめんなさい」な感情だけがずっと胸の内でぐるぐるしていた。

 可愛くて、優秀で、性格のいい彼女たちを、お相手の元へ無事返さねばならない。顔も知らぬ魔王をアサシネイトすることよりも、こっちの決意の方が固かった。


 召喚されたお城の一角。魔導書らしき本や怪しげな鱗やら牙やらがごろごろ転がっている、偏屈な老魔道士と軽薄な若者の助手が棲む、魔術工房。ここは、異世界に呼ばれたばかりの俺にとっての憩いの場だった。

 同年代っぽい若い助手さんには、愚痴を聞いて貰って、老魔道士には、意外な策を授けられたりして。

 その日も、そうしていたのだと思う。

 確か、NTR(ネトラレ)NTR(ネトリ)の違いについて、若干引き気味の助手さんに語っていたときだ。


 俺はネトラレが好きなのであって、ネトリは守備範囲外だ。それなのに俺のパーティーはどうだ、いかにも俺が寝取るみたいな雰囲気でいやがる。残される男どもの気持ちを考えると若干興奮するが、ああ俺がそっちになりたい、大切な女の子を性欲猿の勇者に汚されるのをただ見ていたい!でも俺はそんな野郎になりたくない、そこで性欲発散的な魔法はないか!?


──そんなことを訊いた。そしてもたらされた魔法は【思念強擊】という強化魔法みたいなものだった。

 自分の攻撃に、自分の感情を込めて、強化する。

 それだけの、シンプルな魔法。

 込めた感情は強化のために魔力化され、霧消する。強化ための感情に性欲を指定しろ、というわけだ。


 この目論見はそこそこうまくいった。

 高校生の溢れんばかりの性欲をぶち込んだ聖剣は激しく輝き、大概の敵は吹き飛ばせたのだ。


 ……なぜか、ピンク色に輝くのだが。個人的にはわりとドン引きなカラーリングだったが、パーティーメンバーの皆さんには意外と好評だったのをよく覚えている。どこの世界でも、女の子というのはよくわからない生き物だ。


 色町のネオンみたいにピカピカ光る聖剣を引っ提げ、世界に名だたる美少女達を引き連れてモンスター達を蹴散らしていた俺達は、瞬く間に有名になった。特に、性欲の【思念強擊】を使いすぎたせいなのか日に日にピンク色に染まっていく聖剣を振り回す俺は、【愛の勇者】なんて異名をつけられ、訪れた町や村では縁結びの神様みたいな崇拝者が拝んでくる始末。


 「なんで聖剣がピンク色に光ってるんだ」と聞いてきた女騎士のカリアさんに、性欲だなんて正直には言えないから「愛の力さ」なんて格好つけた答えを返したのが婚約者さんに手紙越しで伝わり、実は有名作家だったらしいカリアさんの婚約者さんはそれを演劇やら小説やらで広めてくれやがった、という経緯らしい。


 正直なところ「俺はぼっちのクソ童貞だぞ、お前らと何も変わらねえよ」とハッキリ言ってやりたかったが、いかにもモテなそうな男女の群れが向けてくる必死の瞳の前には、いくら俺が日本人的空気読みスキルの低いぼっちオタ野郎でも、そんなことは言えないのだった。


 【思念強擊】という魔法は、あくまでも「その時点で心の内にある感情」を糧として発動する魔法なんだそうだ。

 そして、男の性欲というものは、息子(・・)の機嫌に左右されるもので。いくら心から邪念を取り払っても、下半身では絶賛子作りの準備を整えていやがる。

 つまり、いくら聖剣をドピンクに染めながらモンスターを蹴散らしても、すぐに性欲は回復してしまうのだ。

 まあ、それはそれで役に立つ。【思念強擊】で怒りや悲しみを使ってしまうと、よっぽど強い憎しみとかがない限り、一発撃つだけで気持ちが収まってしまう。だからこそ、あんまり役に立たない魔法とされ、偏屈な老魔道士くらいしか覚えていなかったわけだ。

 その点、性欲はすごかった。いくら俺がピンク色のビームで煩悩退散しても、下半身に棲む背高のっぽの長男と玉のような双子からなる俺の息子は無関係とばかりに煩悩を生産し続ける。

 尽きることのない欲望を垂れ流しにして、戦うことが出来たのだ。

 そりゃあ、強いよな。

 無尽蔵の力で、聖剣からビームを連射してモンスターをなぎ倒す俺は、確かに漫画やアニメの「勇者」と同じように見えていたのだろう。その元が性欲で、放つビームもピンク色なのが微妙にしまらないところではあるけども。


 ともかくも、俺達は強いパーティーだった。

 最初は、前衛に俺と女騎士のカリアさんが並び、中衛に弓兵のリリナさんが立ち、後衛として聖女のエレアさん、魔女のイエノーラさんが支援してくれていた。


 魔剣を振るうカリアさんの繰り広げる達人の剣戟には干渉できないと判断した俺は、そうそうに斬り合いに見切りを付け、中衛としてひたすらビームを乱射するようにした。

 代わりに、近距離で敵を射貫く術を身につけたリリナさんが前に出て、カリアさんと連携を取るようになった。


 弓と剣の達人二人が敵を翻弄し、斬ったり撃ったりする隙間からビームを撃ち込んだり、前衛から漏れて後衛を襲おうとするモンスターを斬り捨てたりするのが、俺の仕事になっていた。


 魔術や神聖術の解釈の違いから、顔を合わせれば口喧嘩の絶えなかったエレアさんとイエノーラさんも、気づけば協力して強い魔法を使うくらいに仲良くなっていて。

 カリアさんとリリナさんも、目を見張るくらいに洗練されたコンビネーションで、次々と強敵を屠るほどに仲が良くなっていた。


 元々仲の良かったカリアさんとイエノーラさん、リリナさんとエレアさんのお陰で、パーティーの女子メンバーたちは、みんな良好な関係を築いていたと思う。

 俺は正直、蚊帳の外の存在だった。

 だが、それはむしろ好都合でもあった。

 俺は、誰か一人と親しくなりすぎてはいけない。寝取られモノのエロ本を聖書の如くに崇めていた俺とはいえ、寝取りの趣味はない。勿論、彼女達も惚れた男のいる立場だ。身持ちの堅さは、しっかりと備えていた。


 それでも俺は、予防策をとることはやめなかった。二人きりになることは避け、野営の際には自分用の小型テントを立てて寝た。部屋などには入らず、名前は常にさん付けを心がけ、戦闘時以外は敬語で話した。安全な町で休暇を取る際でさえ、彼女達と行動することは避けた。四人組が話題の甘味屋などを巡り、姦しく過ごしている日は、観劇や観光で潰していた。

 それでも寂しさを覚えることがなかったのは、王国軍の人々がついてきてくれることが多かったからだ。


 正式な勇者パーティーというのは、俺達五人だけだ。

 しかし、五人だけでは大量のモンスターを相手取るのは難しいし、野営基地の設営や、町での情報収集などにも限界がある。

 そういった作業をこなすため、俺を召喚した王国から一部隊の軍が預けられていた。戦士、魔術師、神官、弓兵などをバランス良く揃えた彼ら彼女らは、独り身の若者や既に家庭を持っている人が多くて。ボッチ気質の俺としても、付き合いやすい相手だった。

 彼らと酒場でバカ騒ぎをしたり、健全な賭場で散財するような遊びも、息抜きとしてとても有効だったのだ。


 自分を「行き遅れ」と自虐する隊長さんや、劇好きな神官の女の子、俺に変態話をせがみ、盛り上がる兵士の野郎共。みんな、いい人達だったから。

 とても、好きな空間だった。彼ら彼女らの為に、俺は魔王を討つのだ、と改めて決意していた。


 俺達の戦いは、とても順調だった。強力な幹部達や、魔王の側近を名乗る魔族たちも、聖剣と煩悩ビームの前では形無しで。

 度重なる戦いを経て、鍛え上げられた俺達のパーティーは、まさに破竹の勢いで、魔王国に支配された町や村を侵していった。


 それは、四天王を名乗る巨大なオークを倒した後のことだったと思う。

 王国軍の人達は、補給のために国境間際の基地へ帰還していた。

 町を支配していた四天王が倒れ、開放されたばかりの町は、まだまだ混乱の中で。

 それでも、特産品のフルーツを使った菓子が食える店が残っているという情報を受けて、甘味に飢えた四人の女子達はお茶会に繰り出していった。

 王国軍の人達が居なくて暇な俺は、町の市場を冷やかしながらぶらぶらと歩いて、女子メンバー達に遭遇して、「よっ」と手を振り合ったりなんかして。

 そんな、よくある休日だった。

 突然のことだった。

 町の上に黒雲が立ちこめ、雷が鳴る。突風が吹き、色とりどりの果物や屋台のテントが吹き飛んでいく。地面が揺れる。石畳が浮き上がり、屋根の瓦がばらばらと落ちてくる。黒い人影が、空からそれを見下ろしている。


 魔王だった。哄笑とともに現れ、俺に名を告げる。

 半壊した喫茶店から、女子達が飛び出してくる。武器は携えていたが、服装は気軽な町着のままで。胸当てや篭手のような防具は一切身につけていない。

 聖なる鎧を変形機能で服っぽい形にしていただけの俺は、一応完全装備と言えた。

 しかたない、と俺は前に出た。カリアさん、リリナさんには敵わないが、俺もまた前衛を張るべき職業ではある。鎧を纏っていない彼女らよりは、硬い。


 それは、一方的な戦いだった。隙のない魔王に対し、防具のない女子勢は積極的に攻め立てられない。

 唯一攻めっ気を出せる俺も、背後に守るべき女子達が居ては攻めに徹する勇気がなく。

 ただ攻撃を凌ぎ、受け止め、聖女エレアさんからの回復魔法を背に受けながら、殴られ続けた。


 打たれ、殴られ、蹴られ、斬られ、嬲られ続けて、一時余りか。「これに懲りたら逆らわぬことだ」、と立ち去ろうとする魔王に、苦し紛れの煩悩ビームを撃ち込んだ。効果は、リリナさんの矢より、カリアさんの剣戟より、イエノーラさんの魔術より、恐らくあって。


 転移魔術かなにかで姿を消した魔王の後に残る瘴気を睨みながら、一つの確信と、決意を持った。


 それからパーティーメンバーの女子達は、遊びに行くときでも鎧を着るようになった。

 王国軍の人達も、全員で補給に行くことはなくなり、半分くらいは残すようになった。

 俺は変わらず、町をうろついたり市場を冷やかすことが多かった。魔族やモンスターに支配されていた町では、魔族の技術によるアイテムや武器などが売り買いされていたりして、とても面白かったのだ。


 魔王による襲撃は、それから起きず。

 俺達は、着実に町を開放しながら、魔王の居城へと迫っていった。

 

 魔王城を足下に見る、盆地帯を形作る山の一角に、虐げられたエルフ達の作った隠里がある。

 エルフ達と王国軍やパーティーのみんながあげる宴の声を背に聞いて、満月には少し足りない月が照らす魔王城を見ていた。

 背の高い木にもたれかかって、聖剣の手入れをする。と言っても、神代の技術で作られたと言われる聖剣の手入れなんて、簡単な拭き掃除くらいしか俺にはできなくて。

 目の細かい布で、丹念にパーツをぬぐう。感謝の気持ちと、謝罪の気持ちを込めて。

 刀身を磨くきゅうきゅうという音だけが、月夜の隠里を満たしていた。

 いつの間にか、宴は終わっていた。きっと皆、酔って眠ってしまったのだろう。

 俺は立ち上がった。足下の魔王城を睨めつけ、跳ぶ。まともに下れば数時間はかかる山道を、数秒で辿りきる。麓への着地は、すとん、と軽い音。幾多の強敵を屠り、魔力を吸収し、身体強化を鍛え上げた俺ならば、それくらいは容易だった。

 静かに、そして素早く。身体機能を活かして、魔王の城へと急ぐ。狭い盆地とはいえ、自然の地形。人の棲まう町や村よりは遥かに広大なその土地も、ものの数分で駆け抜ける。


 レモン型の月に照らされた魔王城は、鋭い尖塔を幾つも突き出した禍々しいフォルムで。幻想的な光景に、少しだけ惜しさを感じながら、腰のポーチに収められた桃色の小瓶を取りだす。

 月に透かすと、とろりとした液体が瓶の中で揺れ動いた。

 蓋を開け、ごくり、と飲み干す。

 甘い果実のような、蜂蜜を煮詰めたような、甘ったるさ。

 それでいて少し苦く、カラメルのような香ばしさもあって。

 体が熱くなる。息が荒くなる。胸が高鳴る。

 何のことはない、単なる──媚薬。

 際限なく高まる性欲を乗せて、魔王城のぴちりと閉じた城門を桃色の閃光が貫いた。

 あっけなく崩れ去った門の残骸を乗り越え、城の内部に乗り込む。

 門番の兵士が打ちかかってくる。聖剣を軽く振るうだけで、跡形もなく消滅した。

 門を粉砕した一撃のせいか、ひどく破壊された城内。大穴を開けられた豪奢な階段の前で立ち止まり、聖剣を全力で上に突き出した。

 すさまじいまでの輝きが視界を制圧した。

 一瞬のホワイトアウト。

 光が消え失せれば、それはブラックアウトに転ずる。

 目が暗闇に慣れる。エントランスの天井には大きな風穴が空いていて、中心には浮遊する魔王と、それを囲むような防御結界が見える。一発は、凌がれた。

 すぐさま、同じ威力のビームを放つ。重ねて、重ねて、重ねて。

 四度目には、ビームの手応えがなく。


 魔王は死んでいた。断末魔の悲鳴すら、あげることなく。


 城がぐらぐらと揺れる音がしている。ガラガラと、破片が崩れ落ちてくる。

 逃げなければならないが、体が言うことを聞かない。

 性欲に満たされた心は、茹で上がったように高揚していて、ふわふわと現実感がない。

 こんな状態では、みんなの所へは戻れない、と。

 妙に現実的な、それだけが頭のうちをリフレインしていて。

 じゃあ、どうすればいいのか。そもそも、どうしたいのか。それさえも、わからないまま。

 眼前に落ちた巨大な石片が巻き起こしたホコリにむせて、「ああ、死ぬのだな」と。そう思った。


──魔王には、聖剣しか通じない。

 町での襲撃で、学んだことだ。

 岩を断ち切るカリアさんの剣技さえ、皮膚を浅く切るに留まる。

 鉄の塊を徹すリリナさんの弓矢さえ、その皮膚を浅く突くに留まる。

 火竜を灼くイエノーラさんの魔術さえ、その髪を焦がすに留まる。

 竜のブレスでさえ完全に防ぎきるエレアさんの結界でさえ、その魔術を軽減するに留まる。


 彼女達の技は、力は、魔王には通じない。ただ、聖剣と聖鎧を持つ俺だけが相対するに足る。そう、確信して。


 ならば、連れては行かず。

 そして、媚薬によって増した性欲で、全力の【思念強擊】を撃ち込むのだ。

 そう、魔族の商品を扱う市場で、媚薬を見つけたときから──決意、していた。


 ガラガラと、石の破片が降ってくる。

 重く硬い、致死の雨。

 性欲にボケた頭が、体が、ただただ憎い。

 身じろぎもせず、痛いほどに怒張した陰茎の感覚だけが、鋭敏で。

 頭が、回る。

 からりからりと、音がするように。


 カリアさんの凛々しい鎧姿。


 イエノーラさんの涼やかで知的なローブ姿。


 エレアさんのたおやかで優しげな法衣姿。


 リリナさんの活動的で溌剌とした斥候着姿。


 カリアさんが気迫を込めて、岩を斬る。


 普段は寡黙なイエノーラさんが、口早に詠唱をしている。


 エレアさんの慈愛溢れる姿に、戦災者達が涙を流す。


 活発で姦しいリリナさんも、斥候として働くときは静かなのを知る。


 隊長さんが酒を飲んで兵士達に絡んでいる。


 兵士さん達が俺を囲んで馬鹿笑いをする。


 神官ちゃんが本を抱いてニコニコしている。


 赤い鱗のドラゴンが咆哮する。


 巨体のオークが岩を放り投げる。


 枯れた体の魔術士がピンク色の閃光に呑み込まれる。


 エルフと兵士さん達が肩を組んで歌っている。


 隊長さんが囃したて、神官ちゃんが杯を煽る。



────ああ、これは。

 これは、走馬燈なのだ。

 強く、死を意識して。

 劇場の光景が見えた。

 神官の女の子が、法衣の胸に、薄いパンフレットを抱いている。

 これから始まる劇への期待に、目を輝かせて。

 その笑顔が頭いっぱいに広がって。


────ああ、もう一度、王都の劇場に連れて行くという約束を。




──────守れて、いなかった──────。



























 閃光と轟音で、目を覚ました。

 森に隠れ住むエルフ族の質素な建物は、ぎしぎしと情けなく軋む。

 床に転がる同僚たちを跨ぎ越して、建物を出る。

 瞬間、桃色の閃光が夜空を裂いた。


…………え?

 この光は、勇者様の聖剣が放つ光線だ。

 戦っている?

 行かなければ、と思って。

 寸秒遅れて耳を打った轟音に、戦闘の遠さを知る。

 はっ、と予感がして村の端に駆け寄る。その間にも、閃光がまた走る。

 村の端、崖のようになっている場所から、魔王の城を見る。

 再々度の閃光が、魔王城の屋根を貫いて立ち上る。

 間違いない。

 勇者様は、魔王城に乗り込んだのだ。

 ザリ、と砂を踏む音が背後から聞こえる。

 厳しい顔をしたカリア様が、魔王城を睨んでいた。

 桃色の閃光が、また昇る。

 カリア様の顔がかすかに歪んだ。

 くそっ、と。小さく毒づく声が、遅れて届く轟音にかき消される。


 「カリア様、もしかして……」


 カリア様に駆け寄り、問いかける。

 苦々しい表情がカリア様の顔に浮かんだ。


 「……ああ、そうだろう。あのバカ野郎、先走ったな」


 苦しげに、言葉を吐いた。


 何も言えない。

 言いたい言葉はいくらでもある。

 言うべき言葉も、いくらだってある。

 それでも、胸が詰まって。

 なんの言葉も、唇を震わせはしない。


 カリア様から目を逸らすように、魔王城を見る。

 四方から突き出した尖塔が、ゆっくりと傾ぐのが見える。

 城が崩れている。

 ガラガラと、音が届いてくる。

 勇者様は、あそこにいる。


 「あのバカ野郎、捨て身で……!」


 「逃げられは、しないのですか……?」


 隣で城を睨むカリア様に、問う。


 「……あれだけの光線だ。どんな手段を使っているのかはわからないが……あれほど撃って、動けるようになるまでは時間が要るだろう」


 「そんな……!」


 ガラガラと崩れていく城から立ち上る塵が、月の光を浴びて白々と光っている。

 あの下で、勇者様が────!

 胸の苦しさが、全身を固める。

 今すぐにでも駆け出したくて、勇者様の顔が見たくて、それでも動かない体に、絶望的な気持ちになる。

 

 「あ────あッ────!」


 視界が滲む。溢れかえる感情が、頬を伝うのがわかった。

 止めようもない涙が、拭っても拭っても溢れ出て法衣の袖がどんどんと重くなる。


 ふわり、と。優しい手つきで、背を撫でられる。

 振り返れば、私の物より豪奢な法衣が目に入る。ノーラ様やリリナ様も、カリア様の隣で佇んでいた。


 「聖女、様────」


 聖女様は無言のまま、私の肩を抱いて、撫でさする。

 その手の温かさに、再び涙が噴き出した。


 悲しくて。悲しくて。胸を裂かれるような苦しみが、体の全てを満たすような感覚。

 冷え切るような、水底に沈むような、重苦しい怖気。

 死者の世界を思わせるような、昏い感情。

 

 ただ、聖女様の手の温かさだけが、私の体を此岸に留めているように。そう、感じていて。

 聖女様の口が微かに動いて。何か、聞こえたような──。

 ふつり、と。意識が切れる感覚に襲われた。

 抵抗する間もなく、世界が傾ぐ。とん、と。肩が地面に打たれたような。それさえも、もはや曖昧。身を切るような冷たさの闇に、落ちていった。









 「……眠らせたのか?」


 「ええ。こういうときは、一度そうしてしまうほうがよいでしょうから。眠りの、奇蹟を……」


 「……そう、だな…………」


 「……それにしても、非道なことをなさるものです。この子が悲しむことくらい……わかっていたでしょうに……」


 「……あのバカ野郎のことなぞ理解は出来んが……理由は、わかる…………」


 「……ええ。それだけに、やりきれませんね」 


 「…………ボクたちじゃ、ダメなんだもんね」


 「…………悔しい」


 「……ああ。そう、だな……」


 「わかってるよ。ボクの弓が刺さりもしないんだ。だから、だからって……!」


 「……わたし達を、連れて……行かない…………。選択は、多分…………間違って、ない…………でも……」


 「黙って置いていくような真似は、しないで欲しかったなあ……」


 「……詮無きことでしょう。私達は、きっと、それでも…………」


 「……ついて、行ったよね……ボクたち……」


 「……わたし達を帰らせるため、と言っても……」


 「バカな野郎だ。こんなことを……こんなことをされて、気持ちよく帰れるか……ッ!」


 「…………わたし達、そんなクズにはなれない」


 「…………今日は、もう休もうよ。明日……探しに行ってみよう」


 「あの有様では、なあ……無駄足ではないか……?」


 「…………その、下世話なことを言うようですが……」


 「わたし達、聖剣と聖鎧の回収義務がある、はず…………」


 「……チッ。そうだった、な…………クソ……」


 「やめておきなさい。自分がつらくなるだけですよ」


 「…………わかっているさ」


 「……ボク、もう戻るから」


 「…………わたしも、そうする」


 「……そう、ですね……」


 「ああ、おやすみ……」


 「……寝れるわけなんてないって、わかってるくせにさ」


 「…………やめなよ」


 「……ごめん」


 「……こちらこそ、無神経だった」


 「……やめましょう。堂々巡りになりますから」


 「……そう、だな……」


 「…………もう、喋らずに。黙って床に戻りましょう。それが……一番…………いいはずですから……」


 「…………」


 「………………」 


 「……」


 「……………………」

















 目覚める、と言う感覚があった。

 瞼が上がり、視界が開ける。

 否、この体にはそんなものはないのだ、と。即時に気づく。

 白く、白く、ただ白い。

 一面の白が、無限に広がるような、眼前だけに存在するような、矛盾した感覚。

 俺の体も、そこに溶け込んでいた。

 体なんてものは、既に存在しないのだと。そう、確信に近い思いがあった。

 きっとここは、死後の世界で。俺は魔王城の瓦礫に潰されて、死んだのだ。

 ならばここは、天国なのだろうか?それとも、地獄なのだろうか。

 魔王討伐は、善い行いと見なされるのかな、などと。とりとめもないことを考えていた。


 「勇者よ、待たせた」


 不意に、白いばかりの空間に異質な物が混じる。光を寄せ集めて人型を作ったような、そんな存在が。気づけば、出現していた。


 「私はこの世界を管理する者────まあ、神であると思ってくれてよい」


────神様、か。

 エレアさん達が崇めるものとは、余り似ていない気がした。


 「ああ、それは……この世界の民が信じる神達もまた、この世界の民のうちなのだ。私はそれを管理する立場なのだよ」


────そうだったのか。まあ、無駄な話はいい。なにか、俺に用があるのだろう?


 「……その通りだな。よし、話すとするか」


────ああ、そうしてくれ。


 「……ふむ。ではまず、ひとつ。勇者ヒロト殿、魔王の討伐……誠に、おめでとう」


────ありがとう。そんなことを言うために来てくれたのか?

 神というのも存外暇なものなのか。


 「……ふふ。これも用件の一つなのさ。……いや本当に、驚かされたよ」


────何に、だ?


 「もちろん、君の為したことだとも」


────魔王討伐に、か?勇者とは、魔王に勝つものではないのか?


 「そうだね。勇者なら、そうなのさ……本当に、勇者ならね」


────本当に、だって?

 まさか、俺は……偽物だった、とでも。


 「いいや、今となっては君が本当の……真の、勇者だとも」


────今となっては、か。

 それはつまり、最初は違った、ということで。

 俺は本物ではなかった、と。そういうことなのだ。


 「だからこそ、驚かされたんだ。君がやり遂げたことにね」


────何か特別なことをした覚えはないが。


 「そうでもないよ。【思念強撃】をああやって使うことは私達からも予想外でね。とても面白く観させて貰ったとも」


────あの煩悩ビームが、か。

 確かに強力な攻撃だった。

 あれがなければ、多分魔王には勝てなかっただろうな。


 「そうだね。予定では、第二の幹部あたりでボロ負けするはずだった。それを覆し続けたのは、一重に君の努力だ」


────予定、ときたか。

 それはつまり、神の決めた運命みたいなものなのか。

 俺は、運命に逆らうようなことをしていたのか?そんな自覚なんてなかったな。


 「運命か。いや、そこまで上等なものではないんだ。ある程度の予測、『これくらいの実力ならこの敵には負けるだろう』って具合な計算だったわけさ。的中率は八割あるか、ってところだね」


────なるほど。それでも、魔王を倒すまで至るにはかなりの確率が要るだろう。

 そんなギャンブルじみたことでいいのか?


 「ギャンブル、か。そうだな、似てはいるかな」


────マジか、冗談のつもりだったぞ。


 「と言っても、私達が賭けるのではないんだけれども」


────よくわからないな。


 「君にもわかるように言うなら……そうだな、私達は馬主に近いのかな」


────俺が競走馬だと、そういうことか。


 「いや……君が、ではないかな。この世界全体がそうなんだ」


────わからん。


 「私達神にでさえ、君たち人間の行動を完全に読むことは出来ない。推測することはできるし、望む結果となるように調整することもできる」


 「……でもそれは、運だ。この人は恐らくこうする。そして、その結果誰かになにかが起きて、その結果起きる行動がある。ひとつ狂えば、みんなおかしくなってしまう、そんなやり方だ」


 「だからこそ幾重にも安全策を取り、一つの物語が完成するように努力するんだ。……それを全部ぶち抜いて、かつハッピーエンドに導いた君は、本当に凄いよ」


────安全策、か。

 思いだしたように挟み込まれた賛辞よりも、それが気になって。

 

 「君は、今回のシナリオは……どういうものだったと思うかな?」


────王道の冒険譚……では、ないのだろうな。その聞きかたからするに。


 「そうさ。復讐モノ、というところかな」


────その対象が、俺だったか。


 「ああ。奪われた女、放蕩に耽る勇者、復讐に燃える英雄。そういうテーマで、この状況を作った」


────だが、俺は……。


 「そうだね。奪いもせず、耽りもせず、ただ使命感に篤く。ヒーローとしては、とても理想的だったと思うよ」


────誰が、真のヒーローだった?


 「君のパーティーメンバー、そのつがい(・・・)の相手全てに、英雄となり得る素質を与えた。これも、安全策の一つだったわけだ」


────全員が目覚めたらどうする気だったんだ、それ?

 もとより復讐が目的というならば、殺し合いにでも発展しかねないような気がするが。


 「……そうなったらそれでいいのさ。誰か一人が残れば目的は達せる」


────まったく。俺は寝取られ好きであって、寝取り好きなわけじゃねえんだ。

 寝取られる男の気持ちがよくわかる俺が、そんなことに手を染めるわけがないだろう。


 「そうだなあ。そこが私達の誤算だった」


────大体、俺の好きな寝取られってのは二次元だからいいんだ。

 創作物の誇張された感情表現と、快楽の描写、男としての能力に付けられた絶望的な差を、噛みしめるように味わうからこそ興奮する。

 いいか、寝取られとはだな、全てを擲って刹那的な快楽に溺れる女性の美しさ、下衆な快楽と愉悦に耽る寝取り男のいやらしさ、寝取られに怒り、悲しみ、後ろ暗い興奮と歓喜に身を浸しながらただただ傍観するに留まる寝取られ男の惨めさと倒錯を楽しむものなんだ。それをなんだ、とりあえず強い男に女が取られればいいと勘違いしやがるアホ共が────。

 

 「落ち着いてくれ」


────すまない。取り乱した。


 「……、……。それより、残してきた人達が気にならないかい?」


────唐突に話を変えるなぁ。


 「君の話に付き合うのは大変そうだからね。で、どうだい?気にならないか?」


────そりゃあ、なるさ。

 みんな、幸せでいるのか。そのために頑張ったようなもんだし、な。


 「見せてあげようか、その後の彼女らを」


────ああ。そうだな…………是非、見たい。


 「ふふ、そうか。ならば見せてあげよう」



 白いばかりの空間に、色が差す。溢れ出すような色の群れは、たちまちにして像を結び、薄いパネル状の物体に変化する。

 画面、か。二年くらいご無沙汰な代物だ。

 映し出されるものは、どこかの部屋。見覚えは、ある。

 俺の召喚された城、その一室。カリアさんの使っていた部屋だ。

 朝なのだろうか、薄暗さに閉ざされた部屋には、カーテン越しの淡い光が入り込み、散るホコリが白々と光っている。

 壁際に置かれたベッドの上で、何かがもぞりと動いて。

 そこに二人の姿があることに、気づく。


 掛け布団から覗くカリアさんの白い肩が、婚約者さんの腕に収まっている。

 カリアさんの白い細腕が、首に回されて。

 甘えるように婚約者さんの胸板に押し付けられた顔が、あどけなく緩んでいる。


────ああ。……ああ。ああ!

 歓喜か、嫉妬か、よくわからない感情。

 ただ、後ろ暗い興奮が湧き起こる。


 映像が切り替わる。イエノーラさんの私邸、談話室に設置されたソファの上。絡み合うように、一組の男女が座っている。

 情熱的な口づけに、イエノーラさんの小柄な体躯が震える。

 抱きしめた男の広い背中に、細い腕がきゅう、と回される。

 見たことがない、蕩けた顔のイエノーラさんが、せがむように口づけを返す。



 ああ。

 賛美するような。憎悪するような。

 胸の内を巡る、強い感情の渦。



 映像が、変わる。エレアさんの私室。机に向かい、躍るような筆致で、楽しげに手紙を書くエレアさん。

 機嫌良く手紙を書く時は、故郷の幼馴染に向けて思いを綴っているのだと、知っていた。

 エレアさんの背後の扉が、ゆっくりと開く。静かに、音を立てないように。

 するりと入り込んだ男が、エレアさんの背後に忍び寄り、抱きつく。

 振り返るエレアさんの表情は、驚愕と──歓喜。

 ああ、この男が故郷の幼馴染みなのだな、と。そう理解した。

 抱擁と、落涙。感情を露わにして、肩に顔を埋めている。



 ああ。

 ただ、見ていることしか出来ない。



 映像が切り替わる。見慣れた王都のメインストリート。躍るような歩調のリリナさんの傍らに、一人の男がついている。

 リリナさんに腕を組まれ、引っ張られるように店に連れ込まれ、その度に小さな袋がその腕に増えていく。

 時に装身具店を冷やかし、甘い菓子を二人で分け合う。

 煌びやかな髪飾りを髪に通されて、リリナさんが浮かべた笑顔は。大輪の花が咲く、という形容はこのことを言うのだな、と。



 ああ。


 素晴らしい。


 これが。これが、そうなのだ。


 人間として、男として。選ばれない、敗北。


 最初から知っていた結末だ。


 望み続けてきた結末だ。


 そうなるように行動してきた、結果だ。


 そうなった、という歓喜。


 だが、それでも。敗北の悔しさに、偽りなどなく。


 共に死線をくぐり抜けた仲間だ。


 共に笑い合った戦友だ。


 共に焚き火を囲み、同じ釜の飯を食った仲だ。


 そんな彼女らの、知らない顔。


 俺には向けられない、乙女の表情。


 それでいい。それがいい。そうでなくては、いけない。


 だからこそ、それでも、それゆえに。


 無上の、歓喜か。


 無二の、悔恨か。


 ただの嫉妬であると、理解していた。


 理解していてなお、抑えられぬ感情。


 恋していたわけではない。愛していたわけでもない。


 ただ、仲間として。信頼の情、親愛の念があった。


 それだけでも、苦しく、悔しく、そして心地の悪い興奮が心を満たす。


 ああ、これが────NTR(ネトラレ)の気持ちなのだ、と。


 そう、強く────理解した。


 ただ、満足だった。





 「残念。それでは終わらない」





 映像が、切り替わる。


 王国軍の詰め所、大きなデスク。 背もたれの付いた椅子に腰掛けた隊長さんが、難しい顔で書類に向かっている。

 時折天井を仰ぎ、ため息を漏らす。


 映像が、切り替わる。


 王都の中心街にある、有名な酒場。

 大きな卓を囲んで、兵士さん達がジョッキを掲げる。

 一つだけ、不自然に開けられた席と、置かれたジョッキ。

 乾杯の声と共に杯を干し、涙と共に次杯を煽る。


 映像が、切り替わる。


 王国軍の寮の中、質素な部屋。

 薄暗い部屋の中で、女の子が寝台に腰掛けている。

 神官の女の子。王国軍に所属する、治癒術士。

 抱きしめるように組まれた腕の中には、薄い綴りの本が一冊。

 劇場の、パンフレット。

 頬を伝う涙が、ろうそくの火にちろちろと輝いて。


 その涙の、意味を知る。

 胃が重い、と感じた。

 そんな器官など、すでにこの体にはないのに。

 高揚感が消え失せる。

 夢見心地の快楽から、現実感のある苦痛へと。

 引きずり下ろされる。

 考えてはいた。

 この子をきっと、悲しませると。

 それ以上は、考えないようにして。

 ただ、目を背けたままで。

 魔王討伐が、彼女のためにできる最大のことだと、愚直に信じ込んで。

 ひたすらに、自己中心的でいた。

 

 知りもしなかった。知るはずもなかった。知りたくも、なかった。

 悲しまれることが、ここまで苦しいとは。

 彼女が苦しむことが、ここまで心を刻むとは。

 彼女を苦しめた罪悪感が、ここまで重いとは。


────ああ、俺は。

 彼女を、傷つけてしまったのだ。

 取り返しのつかないことをした、と。

 初めて、そう────後悔した。



 「悔いているかい?」


────ああ。たった今、そう思っているところだ。


 「そうか。ならば、提案がある」


────なんだ?


 「君を、この世界に戻そう。五体満足のままで、ね」


────人間の蘇生は、出来ないのでは?


 「君は召喚者だ。この世界での君の肉体は、あくまでも仮初めの物。君を元の世界の体に戻し、再び体ごと召喚する」


────待て。それは、帰れる(・・・)ということか?


 「……そうだな。君にはその選択肢もある」


────この世界に戻るならば、元の世界に帰れはしないな?


 「もちろんだ。君は、正真正銘この世界の住民となる」


────そうか。


 「心は決まったかい?」


────────ああ。

 死者は死者らしく、消えてしまうか。

 甦り、あの子の元へ駆け寄るか。


 そんな選択肢など、端から一つしか無いようなもので。


 心は既に、決まっている。




 俺は────────

NTRっていいよね。






この小説は寝取られものの短編読んだ後寝取られ本で致していた時にフワーッと思いついたアイデアを某お船ゲーのメンテ待ちの暇時間に明かせてダーッと書いた代物なのでクッソガバガバです。

ゆるしてね。

NTRスキーの皆様は広い心で笑ってくれるから大好き、でも体はあの人のモノなの……。


そういうことで、ありがとうございました。

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[良い点] 最高の寝取られでした この余韻の書き方スゴく好きです
[良い点] 終わりを読者が自由に考えられるように終わりの少し前で終わらせたようにしてくれたので妄想が捗ります。
[良い点] 良い作品でした。 勇者の意見に一つ二つ足しておくと、 ゲス間男と快楽落ちで下種に感染した女には『ざまぁ』も忘れずに(ぉぃ
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