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後はお任せします

あれからそろそろ百年、このクレーム対応みたいな仕事もそろそろ終わりです。

さて、私の最後のお客タマシイはどのような方でしょうか?



「名も無き魂よ、ようこそ『世界の狭間』へ」

「へ?あなた誰?ここは何なの?」

「ここは『世界の狭間』、私はここの管理者だ」

「いわゆる神様転生ってやつですか。理解しました」

ふむ、訓練されたオタクですか。

残念ながら少しだけ違うんですけどね。

「あまり混乱してないのはいいですね。ですが、これは神様転生ではないです」

「え?そうなの?」

「ご自分の死んだときの状況は覚えてますか?」

「えーと、確かコンビニ行ってお菓子買って帰ったら玄関先に誰かいたとこまでは」

「はい、その人にナイフ刺されて死にました。ちなみに人違いだそうです」

「なんじゃそらー!」

うん、怒鳴りたくなるのはわかります。

「…ハア、んで、それがあんたらの手違いのせいって訳か」

「ああ違います、それはこちらは無関係です。あなたをお呼びしたのはあなたを私の後任にスカウトするためです」

そう、あなたはこれから神になっていただきます。

「へ?」

「詳しい業務内容はこちらに。いかがです?」


こうして私は新しい人生を始めることとなった。




「どうしてこうなった…」

転生してから十五年、俺は一人屋敷の窓辺で黄昏ていた。

あの転生係退任の日、俺は自分の転生特典を決めた。

『裕福な家庭に生まれる』『家族に愛される』『健康で優秀な身体能力を持った体』の三つで、俺は今度こそ幸せな人生を歩もうとした。

うん、転生特典は問題なかった。だが、

「まさか、男の娘に生まれるとは…」

そう、さらさらな髪・パッチリした目など、正に『ザ・男の娘』と言うような見た目なのだ。

家は裕福だよ?世界最大の国の王家だからね。

家族に愛されてるよ?母と姉と妹は女装させたがるのが玉に瑕だけど。

能力もあるよ?絶対記憶並みの記憶力と正騎士三十人と正面から渡り合える戦闘力がね。

だから文句はないはずなのに

「どうしてこうなった…」

視界の端に映るクローゼットの半分を占めるドレスに、もう一度ため息をつく。

「幸せなんだけどなぁ…」

贅沢な悩みは、今日も尽きることはない。

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