ハーレムは好きですか?
こんにちは、名も無き魂こと新人転生管理係です。
とあるジジ、もとい、先代転生管理係に代わってこの『真っ白な世界』でお仕事をすることになりました。
さて、私の最初のお客は?
「どこだ、ここ…」
「名も無き魂よ。ようこそ、『世界の狭間』へ」
きょろきょろしていた人に声をかける。
転生係心得その一、どんな相手でもまずは歓迎を。
驚かれたが、ここの説明をすると落ち着いてくれた。
「つまり、あんたは俺をどこかの世界に生まれ変わらせてくれるわけだな」
転生係心得その二、特典は基本三つ。場合によっては多少の増減はあり。
「そ、しかも三つの特典付きでね。で、どうする?」
「もちろん転生だ。当然だな」
うわ、上から目線かよ。
転生係心得その三、あまり感情的になってははならない。
「わかった。で、世界と特典の内容はどうする?」
「んー、剣と魔法の世界で、最強の魔力と最強の剣、後はニコポだな」
「その三つだな(完全にチート志向の色ボケだな)」
「ああ、そうだ」
「わかった。(転生方法を落とし穴にして、っと)それではな!」
「うわああぁぁぁ・・・」
転生係心得その四、転生室への送り方に決まりは無い。個々人の好みで決める事。
さて、これであのアホは居なくなった。
特典は『最強の魔力』『最強の剣』『ニコポ』か。
そのまえに…
転生係心得その五、最終チェックは必ず行うこと。
転生係心得その六、特典は弄ってでも必ず履行する事。特に相手が犯罪者の場合は。
うわ、あの野郎最悪だな。
強姦が七件、窃盗が二十五件、暴行・傷害が十一件、とどめに強盗強姦殺人二件。
よくもまあ地獄行きにならなかったもんだ。
それなら、特典を少し弄るか。
『最強の魔力』は、自力で魔力放出ができないようにして。
『最強の剣』は、重量を8トンに。
『ニコポ』は、この人たち専用で。
これでよし。それじゃがんばって生きていけよ、犯罪者君。
俺は自分に突き刺さったナイフを眺めながら、昔のことを思い出していた。
生まれる前に行った白い世界での事。
七歳の時、恐ろしいまでの魔力を持っていた事が知られた為、両親に捨てられた事。
魔法使いに弟子入りした後、魔力放出ができなくて破門された事。
盗賊のくそ親父に拾われた事。
最強の剣を見つけた時、重すぎて持ち上げる事ができなかった事。
八歳のとき、盗賊団の捨て駒にされて逃げた事。
十二歳までのスラム生活の事。
三日前、牢にぶち込まれた事。
昨日、牢番の女兵士に初めてニコポが成功した事。
そして今、その女に刺された。
いい女だった。だが…!
「うれしい、これであなたはエイエンニワタシノモノ…」
まさか、ヤンデレだったなんて!
「ダイジョウブ、ワタシモスグニ逝クカラ…、ズット、ズットイッショヨ…」
何でこんな事になったんだ。
ああ、ちくしょう、もう、意識、が……




