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魔法少女と黒猫リン  作者: s_stein
第一章 魔法少女世界選手権大会
71/188

71.ヴァルプルギスの魔宴

「その説明の前に、『はぐれ魔女』のことを、カナはどこまで知っているの?」


「魔女の一族に所属しない魔女、くらいです」


「カナの年齢までなら、その程度でいいわ」


「年齢で違うのでしょうか?」


「魔法使いに関わることは、年齢に応じて、親から知らされる内容が違うの。

 最初は簡単に、後で詳細に。

 学校のお勉強と同じと思えばいいのよ」


「わかりました」


「もう少し大きくなれば、実態とか裏事情とかを教わるわ」


「はい。でも、可能なら、早く知っておいた方が――」


「組織化されつつある『はぐれ魔女』の構成とか拠点とか、それにも属さない一匹狼の『はぐれ魔女』との抗争とかを、今知りたいの?」


「なら、いいです……」


「その『はぐれ魔女』が、十三年に一度、四月末に大集会を開くの。

 これが、ヴァルプルギスの魔宴。

 次の開催年は、来年よ」


「来年ということは、半年先ですか?」


「そうよ。

 この大集会、ヴァルプルギスと言っておきながら、場所は毎回異なるの。

 どこで開かれるかは、彼女らしか知らない。

 しかし、彼女らも直前にならないとわからない」


「主催者は、誰なのですか?」


「魔王の側近よ」


「本当ですか!?」


「単に、宴会を開いて騒いでいるだけならまだましなのに、問題は、この大集会が開かれている間に、何らかの血なまぐさい事件が起こること」


「事件!?」


「おそらく、『はぐれ魔女』が、魔王の側近にたきつけられて事件を引き起こすのよ。

 カナの炎竜を使って阻止するということは、この魔宴に参加している魔女たちを、あわよくば側近ごと、一気に叩き潰すこと。

 業を煮やしたあのお方(ヽヽヽヽ)が、考えそうなことじゃないかしら?」


「それは、やり過ぎだと思います。

 参加する『はぐれ魔女』が全員、悪者だとは思えません。

 ごく一部のはずです」


「だから、お母様が『絶対に覚醒させない』とおっしゃっているのよ」


「私も、それが正しいと思います」


「後は、炎竜の暴走のことかしら?」


「それはおそらく、炎竜が戦いの最中に逆上して、無差別に攻撃を始めるのではないでしょうか?」


「推測しかできないけれど、そうかも知れないわね」


「私はそれよりも、なぜイズミたちが炎竜を覚醒したがっているかが気になります。

 何か、もっと裏の事情があるのではないでしょうか?」


「今は、本人たちがいないから、憶測でしか言えないわ。

 普通に考えれば、あのお方(ヽヽヽヽ)に賛同した?

 それとも利用されている?」


「もっと気になることがあります」


「何かしら?」


「『はぐれ魔女』たちを叩き潰した後、炎竜をどうしようとしているのでしょう?

 お役目ご苦労様と、また私の体の中に戻そうとするのでしょうか?」


「うーん。謎は深まるわね」


「姉さん。これは、考えれば考えるほど、怪しいですよ。

 僕は、一足飛びに考えて、炎竜と魔王が結びつくんじゃないかな、と思っています」


「あら、マコトらしい大胆な推理ね。

 裏で操っているのは、魔王と言うこと?

 でも、魔王が魔女を掃討するの?」


「あっ、……そうでした。

 なら、こう考えてはどうでしょう?

 ヴァルプルギスの魔宴の阻止をエサに、炎竜を覚醒させ、実は違う目的に利用する」


「ナイス推理ね。

 ということは、魔王の真の目的は――」


「「炎竜でこの世界を滅ぼすこと!」」


 ミナとマコトはハモった。


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