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魔法少女と黒猫リン  作者: s_stein
第二章 魔法女学校
162/188

162.雷撃魔法の激突

「――稲妻(ライトニング)!」


 先に構えていたカナは、自分の体でまだ続く放電に耐えつつ、力を振り絞って短く詠唱し、横向きの稲妻を放つ。


 一方、両手を突き出した貞子(ていこ)は、無詠唱で先ほどの稲妻を放つ。これが、一瞬だが遅れた。


 双方の稲妻は、遅れた方に近い側でぶつかり合う。


 目映い閃光。轟く雷鳴。


「――っ!」


 爆発の衝撃で、貞子(ていこ)が後ろに吹き飛んだ。


「こしゃくなあああああっ!!」


 体勢を立て直した彼女が、再び両手を突き出す。


 カナも、これにすかさず応じる。


「――稲妻(ライトニング)!!」


 だが、これも無詠唱の貞子(ていこ)より、カナの方が早かった。


 強烈な稲妻が、遅れた側のすぐそばで激突し、その衝撃で彼女は軽々と飛ばされた。


「ぬおおおおおっ!!」


 蹌踉(よろ)めきながらも立ち上がった貞子(ていこ)が、腕を一杯に伸ばして稲妻を発射しようとする。


 だが、それも動きが遅かった。


「――稲妻(ライトニング)!!!」


 最後の力を出し切るようにカナが叫ぶと、特大の稲妻がジグザグの太い軌跡を描いて相手を襲う。


「ギャアアアアアッ!!」


 今度は、貞子(ていこ)が全身から放電し、さらに奥へ弾き飛ばされた。



 肩で息をするカナは、もう魔力が底をついていた。


 これで倒れてくれないと、形勢が逆転する。


 カナの視線は、横たわる相手に釘付けとなった。


 だが、運に見放されたようだ。ムクリと貞子(ていこ)が上半身を起こしたからだ。


 彼女は、ゾッとするほど不気味な嗤いを浮かべた。


「さあ、いでよ炎竜。お前の出番だ」


 そうして、カナを指さして言う。


「あやつを殺せ。劫火で灰をも焼き尽くせ」


 ところが、何も起こらない。


「早く殺せ!」


 貞子(ていこ)の指が震える。


「何をしている! 命令を聞かぬのか!」


 それでも、辺りは沈黙に包まれる。


「ええい! 役立たずめが!」


 とその時、貞子(ていこ)の全身がブルブルと震えたかと思うと、彼女は天を仰いで腕をダランと下げ、そのまま動かなくなった。


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