表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法少女と黒猫リン  作者: s_stein
第一章 魔法少女世界選手権大会
108/188

108.式神の攻撃

 拘束されても少しも驚く様子を見せていない。


 まるで、こうなることを初めから予想していたかのようだ。



 彼女は、両手を動かして鎖を引っ張ってみせる。


 たるみのない鎖は、地面から抜ける気配が全くない。



 試合開始早々の思わぬ展開に、観客がざわめき始めた。



「あら、割と丈夫じゃない?」


「今から地中に引きずり込みます」


「まあ、恐ろしい……」


「あなたよりは、情けがある方です。

 魔女を消し炭にしてしまうか、八つ裂きにして野犬のエサにする、あなたよりは」


「五体を残しているから、まだましと?」


「そうです」


「その後は、何をするの?」


「炎竜の覚醒と封印は、私とリンが行います」


 リンが、前足を左右に振った。


「えー!? ちょっと!

 それには同意しないわよ!」


 カトリーンが小首を傾げる。


「どうして?」


「この女をやっつける共同戦線には同意するけど、覚醒は無理。

 カナには、指一本触れさせないわよ!」


「あのような危ないものを体の中に入れて置くよりは、封印した方がましです」


「いやいやいや、封印するために覚醒する方が危ないでしょ!」


「封印します!」


「だーめ!」


「なら、さっきまでの仲間は、今から敵ね」


「1秒たりとも仲間になった覚えは、ないし」


「残念だわ」


「一人で勝手に仲間にしているし」


 とその時、(くのつぎ)一姫(いつき)が、さも面白そうに笑い出した。


「あー、面白い!

 そうやって言い争っている間に、取り残された主役はどうなっていることでしょうねぇ」


「「まさか!」」



 リンとカトリーンが、同時にカナの方を見る。


 すると、スーツ姿の男たちが、カナに向かって両手を突き出し、放電していた。


 雷に似た40本の放電を受けて、カナの全身は光り輝く。



「おのれぇ!」



 牙をむいたリンが、男たちに向かって猛進する。


 だが、男たちは、一斉に煙になって、空中に溶け込んだ。



 カナは、糸が切れたマリオネットのように倒れ込んだ。



「私がついていながら……なんという失態!」



 リンは、男が立っていた辺りに着地して、カナの所へ駆けつけようとした。



 ところが、横たわったカナが、全身をビクンビクンと動かし始めた。


 水から陸に打ち上げられた魚のようだ。



 驚きの余り、リンは足が止まった。



「ど、どうしたの!?」



 と突然、リンの全身の毛が逆立った。


 しかも、その毛先が、髭が、一斉にカナの方へ向く。



「な、何これ!?

 魔力が吸い取られる!!」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
cont_access.php?citi_cont_id=62234447&si
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ