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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

セイレーンと王子様しりーず

セイレーンと王子様。

作者: 瓦屋

『穢らわしい』『忌み子』『破滅させる子』『きゃあ!こっちをにらんだわ!』『見ないで穢れちゃう』『早く出ていきな!』

『死ねば良いのに』『』

違うもん。わたしは、忌み子じゃない!やめて!いわないで!私は―――

「はあっ。…。ああ、嫌な夢を見た。ったく。」

ごそごそと寝床からでる。今日は気分が悪い。昔の事を夢でみるなんて。ほんと、最悪。ひとりぼっちだった頃の嫌な記憶。

気分転換にそこら辺を泳いでこよーっと。ついでに友人のプレゼントも探しとこう。

あ、おっきな船だ。


―――どぼん―――


「かぽっ。」


え?人間?

口から空気が抜けていくのがみえる。苦しそうだ。


「あら、人間?珍しい。えっと、人間は水中では生きられないんだっけ。」


混乱して思った事が全て口から出てくる。

たしか、そうだったよね?なんか、パクパクしてる。ア、ウ、エ、エ?


「助けて?ん~。まあ、いっか。なんか面白い物ちょうだいね?」


うなずいてくれた。だって、生きた人間なんて地上でしかほとんどに見れないもん。なんか一杯いろんなもの持ってるらしいし、いいよね? それに、人間に興味があるから。


「オッケー。助けてあげる。」


腕を掴む。ほんとに人間は不便だな。水中で息ができないんだもの。


「プハッ、ゲホッゲホッ。あ、ありがとう。」

「気にしないで。気が向いただけ。なんか面白いものない?」


そうそう、面白いものっというか、その布が欲しいな。

あと、一回だけ見たリボン?も。ヒラヒラしてて綺麗だったんだよね。なんか、すっごい見てくるんだけど。


「セイレーン?」


バッと、みみをふさぐ。しくじった。人間と耳の形は違うんだった。人間は尾と耳の色は一緒じゃないんだって聞いたことがある。

今はまだ夕日が見えるのか。とにかく話題をそらさないと。


「な、なんのことかしら?そ、それより面白いものない?助けたお礼にさ。」

「すまないが、いまはなにも。明日でどうだろうか。あと、どんな物が欲しいか言ってもらいたい。」


ほ、良かった。そらせたみたい。


「布」

「え?」

「布が欲しい。その、これのような。」


名前がわからない。


「わかった。服だな」


へえ、服っていうんだ。


「あと、長いり、リボン?も!」


集合場所どうしよう。そんな人化したくないし。あれ、足?がすっごくいたくなるんだよね。


「明日、あの港の端っこの灯台のしたで。」


そこなら、まあ。


「わかった。ん~、夕方がいいな。」

「わかった。では。」


楽しみだな。服、まともなのあったっけ。ああ、早く明日にならないかな!




~次の日~


んー!よく眠れた。今日は服がもらえるんだよね!

あ、着ていく服探さなきゃ!宝物入れを開ける。有るのはぼろぼろの服ばっかり。仕方ないか。流れてきた服ばっかりだし。

この少ないコレクションの中であれがいいか、これがいいかなやんでいたら


「うわ、もう時間だ。急がなきゃ。」


服をもって急いで向かう。なんとかまにあうかな!?港の近くの人があまり来ない場所で人化して急いで着替える。足が焼けるように熱い。痛い。


「く、ぅ。」

熱くない、痛くない振りをしないと。大丈夫。私ならできる。


「あのー。約束したものですが。」


声を震わせないように言えたかな。言えたはず。


「はい。これだな。」


ぽん、と渡してくれた。わあ、綺麗。


「わたしには、セイレーンと云うこと隠さなくていいぞ。セイレーンが好きなやつもいるし。」

「本当?」


む。身長差でしたから見上げる形になるな。ん?若干顔が赤い?


「ほんとうだ。」


「よかった。」

まあ、この人なら大丈夫でしょ。この服をもって海に飛び込みながら人化を解いて、もらった服を着る。


「綺麗だ。」

「えっ」


きれい?そんなはずがない。だって、私は忌み子なんだから


「似合っている。」


ぼんっと顔が破裂しそうだ。

誰かに誉められることがなかった私には刺激が強すぎたようで顔がすっごく熱い。

頭が混乱する。考えられない。どうしよ!と、取り合えず


「あああああの、リボンってどうやるの?」

「好きにしたらいい。髪につかったり、いろんなところに巻いたり。 」


ああああああああ! もう! 全然落ち着いてない! とりあえず、首にまいた。綺麗だな。肌触りもいい。


「では、」


あ、まって!


「まって、あの、人間のこと、いろいろおしえてほしいの!だめ?」


少し考えてる。ダメ、かな。ダメ…だよね。


「今日は、無理だ。一周間に一度しか会えない。それでもいいか?」


嬉しい。このひと、優しいな。


「そういえば、君の名は?」


私には名前がない。だから


「…ごめんなさい。教えれないの。あ、私を呼ぶときはトントントトンのリズムで海面を叩いていればいいから。」


まあ、リズムなんてほんとは要らないけど。この人の魔力が流れればいいだけだし。忌み子の能力の一つであるコレに感謝するときがあったなんて。


「そう、か。では、また次のときに。」


こんなに嬉ことがあっていいのかな?罵られないなんて。ああ、はやく時間が過ぎればいいのに。早く来週にならないかな!

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