ドルヒ視点、 舐めているのか
「なら、手加減しないじゃーん」
しぐれは紫色の液体が入った香水の瓶を取りだした。小指大の大きさのあれが、彼女のクラフトか。
「使わせるか」
だがイケメンの一人が私の進路を邪魔する。とりあえず腹を蹴り飛ばした。
あまりにもろくて、腹に風穴を開いて小腸が周囲に飛び散る。
でも、しぐれにその間にクラフトを使う隙を与えてしまった。
「フェアフューレン(verfuhren)」
周囲のイケメンたちの表情が変わった。
感じるプレッシャーが段違いになり動きも敏捷になる。
「そいつらは私お気に入りの男たち。レベルもかなりのもんだよ。さー、そのコを倒して。その後は好き放題していいからね」
イケメンたちの表情がエッチな色を帯びる。
私をいじめた人たちと同じ雰囲気を感じて、怖くなる。
けれど。
「舐めているのか」
私は同時に左右から飛びかかってきたイケメンに対して両手同時に手刀を振りぬき、首をはねた。あっけない。
血が飛び散るのをよける余裕すらあった。
後ろから私を羽交い絞めにしようと近付いてくる、やや大柄なイケメンもいたけれど。
「さわるな」
腰を切りながら後方にひじ打ちをお見舞いする。
懐に入り込みながら放たれた肘打ちはそいつの胴体の中心部を捉え、肋骨の中心部、胸骨をガラスのように砕いた。
そのままトラックにひかれた子猫みたいに吹っ飛んで、倒れる。
口から泡だった鮮血を吐き、陸に上がった海老みたいに手足をぴくぴくさせていた。胸骨の真下にある心臓が破壊されたのだろう。
私は昼寝の後に起き上がる程度の疲労を感じたので、軽く伸びをした。
だがこれでも、しぐれは顔色を変えていない。
まあ、これで終わるわけがないか。それにあっさり終わってもつまらない。
「最後に聞いておく。なぜ吾輩をいじめたのだ」
しぐれは余裕たっぷりの私に怒りを覚えたのか、口元を大きく歪めて言い放った。




