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『マン・ハンティング~異世界でクラスメイトへ復讐する』  作者:
ドルヒ編

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テルマ視点①

割り込み投稿しました。

「お姉ちゃん、お姉ちゃん…… どこに行ったの」


 かってカルトマヘンの使い手村上直哉、現在は村と名乗っている少年が盗賊団を全滅させたイエナの村近くの森の中を、年端もいかない少女が歩いていた。

 姉であるヴィルマが行方不明になり、彼女を1週間ほどは村総出で捜索していたのだが、何の手がかりもなく捜索は打ち切られた。


 村長シュティラ―の娘であるため、ヴィルマの捜索は通常の村人よりも長く続けられた。しかし冬ごもりの準備や他の盗賊団への備えなど村人には仕事が山ほどあり、娘一人にばかりかまけているわけにはいかない。

 だがヴィルマの妹であるテルマは諦めきれず、こっそり村を抜けだしてはこうして探索を行なっている。


 しかし子供、しかも女一人が森の中を歩き回っていればどうなるか。


「お嬢ちゃん」

「おじさんたちと遊ばない?」


 テルマは、森の奥から出てきた髭も髪もぼさぼさの体臭がひどい男たち数人に囲まれていた。

 森というのは盗賊の住処となっている場合が多く、一人で入ることは自殺行為に等しい。

 テルマは呆然として、何が起こっているのかわからないまま彼らを見つめていた。


 あれ? このおじさんたち誰?

 なんだか、村のおじさんと比べてきたないし怖い。

 でも、私はお姉ちゃんを探しに来ただけで。

 このおじさんたちは…… 悪い人?

 お姉ちゃんは、ひょっとして……


 そこまで考えて、姉のことを聞こうとしたテルマは男たちに組み伏せられていた。

 押し倒され、手足を一人ずつに掴まれて身動きがとれないようにされて、


『はい、邪魔―』


 突如、自分たちを組み伏せていた男たちが光の粒になって消えていった。

 少女は、突然現れた黒い羽をはやした絶世の美少女を前に呆然としている。


「綺麗……」

『あははー、綺麗なんて言われ慣れてるけど、小さな子供に言われると嬉しいねー。でも今日は本当はあなたを助けに来たわけじゃないんだー。別の用事のついで。あ、ちなみに私は神様ね』


 神様と自分を自称する美少女に、テルマは地面に頭をつけて敬う。

 男たちを一瞬で消した奇跡、その美しさ、背中の羽。

 小さいころから聞かされてきた天使や神様にそっくりだった。


 神様や天使様は常に見守ってくれていて、私たちを助けてくれると。それならなんでお姉ちゃんを助けてくれなかったのかとテルマはずっと思っていたが、自分を助けてくれたことで神の存在を再び信じ、そしてテルマは疑うこともなく彼女の言うことを信じた。


『あなたのお姉ちゃんを殺した相手を、教えよ―』

 自称神様がそう言った瞬間、テルマの目はドルヒと同じものになった。


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