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『マン・ハンティング~異世界でクラスメイトへ復讐する』  作者:
ドルヒ編

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???視点 八 ~カルトマヘン(kaltmachen)2~

「それじゃー、私からのプレゼントはここまでー」


再び視界が暗転する。

今度は森の中にいた。空は鉛色の雲が広がり、しとしとと冷たい雨が降りしきる森。

何が起こったかわからず、辺りを見回そうとするが首が動かない。

というか首がない。視線だけは動かせるので自分の足元を見ると足がない。

腕もない。

ぼろぼろの錆びた金属が体の代わりに見えて、足元が刃物の柄みたいになっていた。

自分の体を見ると、ぼろぼろのナイフになっている。

はるかもしぐれもきりえも、地面に転がる武器になっていた。

『ハハハ! マジで騙されるなんて思ってなかった!』

 どこからともなく、自称神様の声がした。

『私は『望む力を一つだけ与える』『生まれ変わらせる』とは契約したけど、人間の形で生まれ変わるなんて言った覚えはないよー。元の世界に生まれるともね。別の世界だよ、ここ』

『君たちは魂だけの存在、ぶっちゃけ悪魔になったわけー! 能力は『クラフト』っていうよ。せいぜい相性のいい人を探してとりついてねー。まあレベル上げを頑張れば実体化できるけど、そこまでレベルを上げやすい能力なのは……』

 はるかたちが罵声を浴びせるかと思ったけど、誰も喋る様子がない。というか喋れないのだろう。私も声が出せない。

『私は契約は守ったからねー。マジ律儀じゃん? 軽はずみに内容を深く考えずに契約した人たちに文句を言われる筋合いはないってやつ?』

『あなたは…… 何がしたかったの?』

 私はさっきの白い空間にいたときと同じようにする。これならばはるかたちに声を聞かれることはない。

『遊びかなー? はじめはあなたの思いにこたえて、いつもはそれで終わりなんだけどねー。彼女たちも色々と面白そうだし、悪魔より邪悪なことをやってくれそうだし―」

『遊び……?』

『いい顔になったねー。その顔が見てみたかったんだー』

 心底楽しそうにケタケタと笑う。無邪気に、何の悪気もない顔で、無垢な童のように笑っていた。

こいつもはるかたちと同類か。人を弄んで、悦ぶ。碌なやつじゃない。

『でも悪い話じゃないと思うけどー? 復讐に必要な力は与えたからねー。初めは誰よりも弱いけど、成長すればトップクラスの力を得るからー。強さには努力って言う対価が必要だよー。じゃ。頑張って』

 まあいい。このナイフの姿で何ができるかわからないけど、やってみよう。

 そして最後に、こいつも殺してやろう。

『ちなみにあなたのクラフトは『カルトマヘン』っていうよー』


『殺害っていう意味だね』


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