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救世主の子孫

「で、素直に地球に帰しました、って?」

「――ああ」

 ジオは椅子の背もたれに寄りかかり、淡々と返事をした。

「馬鹿だろ、お前」

 前に座るセイガは、腕組みをして呆れた表情ではっきりと告げた。

 言われずともわかっていた。

 ダークスモッグはもうすぐシロ星を覆い尽くしてしまう。その時は宣言した通り、ダーク星人はシロ星を襲いに来るだろう。

 こちらの勝率は限りなく低い。彼らの増殖力は半端ではない為、一体ずつ倒したところでキリがないのだ。殺るならば、星ごと破壊しなければならないかもしれない。

 しかしそれをするには、やはりシロ星の総力をもってしても力不足だった。

「だけど――あのまま無理に留まらせても……」

 舞子に『帰りたい』と言われ、ジオはもちろん引き止めた。だが、彼女はまるで聞く耳を持ってくれず、今にも泣き出しそうな表情を見せられては、それ以上強く言えなくなってしまった。

 想定通りという京のしたり顔に苛つきながらも、ジオは一旦、舞子を地球に帰すことにした。船の中では終始無言のまま、地球に着いた後も家まで送ろうとしたのだが、『さようなら』と震える声で告げられ、走り去ってしまった。

「失礼致します」

 メイド姿の女が紅茶を持ってきた。

 セイガはその紅茶に口を付ける。

 ジオの前にも紅茶が差し出されるが、ただ眺めるだけだ。

 メイドは一礼してその場を去る。

 ここはセイガの実家である。シロ星の中ではかなり財力のある家系だ。通されたリビングも豪華なシャンデリアや高級な家具で囲まれている。シロ星の和風趣味を完璧に裏切る洋風スタイルなのがさすがと言うべきか。

 セイガは頬杖をつく。

「まるで遠距離恋愛が嫌で彼女を強引に連れて来たはいいけど、彼女が見知らぬ土地に慣れなくて結局は実家に帰って振られたみたいな状態だな、お前」

「……どんな状態だよ」

 力なく突っ込む。

 振られたという言葉は妙にジオの心に突き刺さっていた。傷心しているのは確かなのだ。

 何より舞子にあんな表情をさせてしまった自分が許せなかった。

「もう皆は安久津京君が本物の救世主だって信じて止まないよ。ジオの手下のボウが、それはもう地球の〈オオカミ少年〉並みに言いふらしてたし」

 思い出したくもない名前が二つ出てきて、ジオは気分が悪くなる。

「別に手下じゃねえ。大体セイガこそ、何で舞子さまを追わなかった。お陰でボウの野郎が捕まえられなかった」

 そうだ。せめてセイガがいれば、ボウを止めることはできただろう。

「いや~、ちょっと女の子達に囲まれちゃってさ」

 頭を掻きながらヘラヘラと笑う。

 ――万年発情期野郎が。

 ジオは椅子から立ち上がる。

「もういい。とにかく一回、婆ちゃんとこに行ってくる」

「ちょっと待て、ジオ」

 セイガは急に引き締まった表情をして呼び止めた。

「僕は昔から、お前の救世主マニアなところだけは認めてるんだよ。舞子ちゃんが救世主だってことは、お前が言うから信じてる。ただ――」

 何が言いたいのか。ジオは眉根を寄せた。

「舞子ちゃんは舞子ちゃんであって、救世主その者じゃない。過度な期待はお前にも彼女にも重荷になるだけだからな」

 そんなことは――

「わかってる。――もう行くぞ」

 踵を返してすぐに部屋を出る。

 ジオは舞子のことを慕っている。それは間違いない。

 だが何も舞子の中に救世主の力が宿っているというだけで、彼女を慕っているわけではないのだ。

 ――舞子さま、おれはどうしたらいいんでしょうか。

 ジオは深い溜め息をついた。

「あら、ジオじゃない」

 セイガの屋敷を出てすぐ、聞き覚えのある声に呼び掛けられる。

 振り向くと、藍色の髪の扇子を持った女と赤髪のツインテールの女がいた。

 卯月リョウカと乙川ルイ。同じ学校のトップクラスと呼ばれる生徒である。仕事に関すること以外ほとんど話したことがないのだが、その実力は本物だ。

「ああ……卯月と乙川か」

 ジオは少し決まり悪く返事をすると、リョウカは少し様子を伺うように首を傾げた。

「今回はお互い大変だったわね。あなたのほうは、笹森舞子さん……だったかしら。一度お会いしたかったのだけれど、昨日すぐお帰りになったと聞いたわ」

「結局、そっちの救世主は何だったの? 来てすぐ帰るとか意味わかんないし、つまりは偽物だったってこと?」

 ルイが不機嫌そうに言葉を発した。

 どう説明したものか。彼女達は何も知らずに京を連れて来たのだろうし、今や彼は本物の救世主として我が物顔でシロ星を闊歩している。

 舞子が本物だと主張しても、信じてくれるとは到底思えなかった。

「へええ。ルイちゃんはあの京君って子が救世主だって信じてるの?」

 興味津々な様子のセイガが、いつの間にかジオの横にいた。

「お前、付いてきたのかよ!」

「だって、僕はお前の相棒だからさ。オババ様のところに行くなら色々と聞きたいことだってあるし」

 はっきり言って、セイガと外をうろつくのは面倒臭い。無駄に人と関わらなければならないことが多くあるからだ。

「……誤解しないで。別にあたしはあいつのことまだ信用してないよ。力があるってことは本当みたいだけど」

「ふうん、それは何か聞いたのかい? それとも実際力を見たのかな? 『まだ』ってことはこれから信用できる可能性があるってことだよね?」

 何故かグイグイ質問攻めするセイガに、ルイが少したじろぐ。

 その様子を見かねてか、リョウカが前に出た。

「ちょっとセイガ。わたしのルイに言い寄らないで下さる?」

 満面の笑顔だが、どこか棘のある言い方だ。昔から二人の仲があまりよくないのは知っているのだが。

 セイガも満面の笑みを返す。

「その心配は無用だよ、リョウカ。ルイちゃんは僕のストライクゾーンから程遠いから。寧ろアウトかな」

「ふふ、そうね。ルイに限ってそんな心配は無用だったわね」

「あんたら、あたしをバカにしてるよね? 完全にバカにしてるよね!?」

 ――不憫な女。

 ジオはひっそりとルイに同情した。

 が、今はそんな無駄口を叩いている時間も惜しい。

 ちょうど二人に出会えたのだ。あの男について何か知っているのであれば、ジオも知りたかった。

「安久津京のことで、知っていることがあるなら教えてくれないか?」

 リョウカは「もちろん」と頷いた。

「是非、救世主様の子孫であるあなたにも聞いて欲しかったのだから」

「…………って、ええええ!?」

 ルイは勢いよくズザザッと引き下がる。

「し、子孫!? ってことはオババ様の――」

「孫だよ、ジオは」

 セイガが答えた。

「意外だな、ルイちゃんは知ってると思ったのに。まあ、ジオも公にしてないから知ってる奴なんてほんの一部か。でもリョウカも人が悪いね、教えてあげればよかったじゃないか」

「ジオを思ってのことよ。ルイは結構口が軽いから」

「……うぐっ」

 ルイは二の句が告げないらしい。

 リョウカはクスリと笑ってジオを見た。

「オババ様のところに行くつもりなのでしょう? だったらそこで詳しくお話するわ」



 結局、長老もいなければという話になり、全員長老の屋敷へと集まることとなった。

 長老はすぐに出迎えてくれ、オババ様も呼んでくれた。

 座敷に通され、敷かれていた座布団へとそれぞれ座る。

「……さて、皆の者。此度の仕事、誠にご苦労であった」

 長老は深く一礼し、白ひげをさすった。

「本当は昨日の内にお前達と話しをしたかったのだがな」

「こっちも色々あって疲れてたんです」

 ルイはキッパリ言った。

「京様はどちらに?」

 リョウカが問うと、長老は少し困ったように眉尻を下げた。

「どこかにふらりと出掛けなさった」

 彼は今、長老の家で世話になっているらしい。

「ほほほ。ジオ、そう険しい顔をするでない。あの方もまた、救世主様のお力を持っていることは確かなのじゃから」

「それは……そうだけど」

 祖母の言葉にも素直に頷けない。

「そのことなんですけれど。京様は以前現れた救世主様の生まれ変わりだそうなんです」

「なっ…………それは五百年前の、ということか?」

 驚く長老にリョウカは頷いて答えた。

「元はキセキ星人だったそうです。それからは救世主様の力を持ったまま転生を続け、力を蓄えてきたと仰っていましたわ」

 ――そういうことか。

 彼が何故、救世主の力を持つに至ったのかをジオはずっと謎に思っていた。しかし元々救世主に選ばれた存在だったというのならば納得ができる。ましてやあのキセキ星人であったとすれば、転生することも容易なのだろう。

 いや、五百年前のこととはいえ、何故あんな奴が選ばれたのかは納得できないし、キセキ星人であったことが真実かもわからないが。

「それが本当ならすごい事実だな。キセキ星が存在していたことも驚きだし、ましてや京君はキセキ星人でその上、元救世主様だなんて」

 セイガは感心した様子で言った。

 長老は唸る。

「しかし一体、何故そんなことを……」

 ルイがつまらなそうに「復讐ですよ」と付け足した。

「五百年前もダーク星人が襲って来たらしいですよ。その時に奴らを倒せず、封印だけしたんだとか。それで救世主の力は持ったまま、力を蓄えて復活の時を心待ちにしてたみたいです。今度はぶっ殺してやろうってね」

「…………封印、か。だから復活する今まで、ダーク星を感知することができなかったのか……うぅむ」

 長老はまたも唸りながら考え込むように腕を組む。

「随分と責任感が強いんだね、彼は。倒せなかっただけで五百年も待ち続けるだなんて」

 本当にそれだけが理由なのか。セイガの言葉を聞いて疑問に思ったが、ジオにとって今はどうでもいいことだった。

「なるほどのう。救世主様の力はずっと京殿が守ってきたというわけじゃな」

「守る? 独占するの間違いだろ、婆ちゃん」

 ジオは物申す。初代救世主は明らかに彼に不信感を抱いているのだ。

 オババ様は「ほほほ」と笑った。

「ジオ、お前の知っていることも皆に伝えなさい」

 セイガ以外の全員がジオに視線を送ってきた。

「どういうことですかな、オババ様」

 長老は少し困惑していた。

「何、妾よりもジオのほうが救世主様と通じ合えているだけのこと。妾にも聞こえない救世主様のお声が聞こえる――そうじゃろう、ジオ?」

「……まあな」

 やむなく頷いた瞬間、ルイが「はあ!?」と騒がしい声を上げた。

「あんた、どんだけ秘密主義なわけ!? そんな重要なこと、さっさと言っとけっての!」

 そうやって騒がれるのが嫌だから黙っていたのだ。オババ様の孫だとわかれば、周りも丁重に接しようとしてくる。そういうのがウザったいと思っただけだ。

 しかし何となく今日の彼女はいつにも増して自分に対して当たりが強い気がした。

「ルイったら、足を立てたらスカートの中が見えちゃうわよ。ごめんなさいね、ジオ。実はルイのお友達がね、ボウにコテンパンにやられちゃったもんだから、あなたに逆恨みしてるのよ」

「ああ。そういや昨日そんなことを言い掛けてたかもな、あいつ」

 セイガが同意を求めるようにこちらを向くが、ジオはまったく記憶になかった。

「スパッツ履いてるから平気だもん! っていうか、マジでボウの野郎はあんたが落とし前付けといてよ、ジオ! 最近のあいつの付け上がり方は半端ないんだから!」

 ――確かに、ルイの言うことは一理ある。以前の彼はもっとジオに従順だったはずなのだが、昨日のことも含め最近の彼は少々目に余るものがある。

「……と言ってもな。おれはあいつを手下にした覚えもないし。そっちで何とかしてくれ」

 ルイは思い切り顔をしかめて立ち上がろうとするが、リョウカの扇子が彼女の赤い頭をバシリと直撃した。

「ルイ、その話はまた後にしてちょうだい。話が脱線してるわ」

「リョーちゃんが振ったんじゃん!?」

「嫌ね、あなたがジオに無駄に突っ掛かるから理由を説明したかっただけよ」

「いや~、ルイちゃんは本当に見てて飽きないなぁ」

 セイガはニヤニヤしながら言った。彼女とは長いと言えば長い付き合いなのだが、ただうるさいだけだと思う――と言ったら、また騒がれそうなのでやめておいた。

 すると長老が「ウォッホン!」とわざとらしく大きな咳をした。

「お前達の素行の悪さについては、また追々、話をしよう」

 一括りにまとめられてしまった。長老達大人の目線ではジオもルイも不良グループのリーダーだと思われている為、仕方がないことかもしれない。二人にまったくその気はないのだが。

 オババ様は相変わらず「ほほほ」と笑っている。

「さあジオ。説明してくれるな?」

 問い詰められるように長老に迫られては素直に答えるしかない。

「……声が聞こえる――と言うよりは、救世主様の気持ちを感じる、と表現した方が近いかもしれません」

 いつからだったか。物心ついた時からだったかもしれない。

 常に救世主の力を地球から感じていた。何故その力が救世主だとわかったのかと言えば、勘としか言いようがないのだが。祖母にしても同じことである。血の繋がり故のことだと納得してもらうしかない。

 しかしそれは二つ感じられた。その一つから、救世主の感情がジオの心に流れてきたのだ。

 悲しいのか怒っているのか、はっきりとはわからなかったがとにかくそれは負の感情だった。

 その感情が向けられた先は、もう一つの強い力。

 ――取り戻したい。

 ジオにはそう聞こえた。

「救世主様の力の大本は舞子さまにあります。それは間違いありません。おれも安久津の存在については謎だったんですが、今の話を聞いて納得しました。本来は別の人間に宿るはずだった救世主様の力は五百年の間、安久津によって独占されていた。だけど今回の転生を切っ掛けに、恐らく救世主様はあいつの中から出ていくことに成功し、舞子さまに宿ったんです。ただし、それは一部の力だけで安久津の中にも力は残ったままになってしまった――ということだと思います」

「つまり……声が聞こえる救世主様は、笹森舞子殿のほうであるということか?」

「はい」と、ジオは迷うことなく長老の言葉を肯定した。

「ふうん、舞子『さま』ねぇ。……でもさ、それって結局どういうことなわけ? 安久津京がダーク星人をやっつけちゃえば問題ないんだよね?」

 嫌に上から目線で話に割り込んでくるルイ。

 ――しかし、彼女の言うことは否定できない。

 問題は京がどの程度力を蓄えたのか。また、救世主の力の一部が出ていったことにより、どの程度パワーダウンしたのか。

 京の言う『力を蓄える方法』がどんなものなのかは知る由もないが、果たして今の力でダーク星人を倒せるのか。京自身が救世主の力が減ったことに気付いていないはずがない。それであの自信たっぷりな態度なのだから、さすがに勝算はあるのだろう。

 そうなるとやはり、京に任せておいたほうが舞子の為になるのだろうか。

 長老はジオとルイを交互に見ながら、困惑した様子でオババ様に向き直った。

「――結局、我らはどうすればいいんだろうか、オババ様」

「……いずれにしろ、京殿は一人で行動するおつもりじゃろう。ダーク星人を倒して頂けるとあらば、妾達はただそれを支援するのみ。ただそうすると、救世主様の本来の意向を蔑ろにしてしまうのは確かじゃ」

 彼女は「ほほほ」と笑い、ジオの名前を呼んだ。

「……救世主様のことはもちろんじゃが、舞子殿のことも、この中の誰よりお前が一番よく知っていると妾は思っておる」

 それは――当然だ。

 ジオは小さな頃から――舞子のことを知っているのだから。

 ただ、彼女の心の内までは知り得ない。しかし時たま、救世主はまるで舞子の状態とリンクしているかのように感情を変えていた。舞子が悲しそうな時、怒っている時、楽しそうな時。救世主もまた同じ感情を抱いているようだった。

「妾としては、やはり救世主様の意志は尊重したい。じゃが、肝心の舞子殿は乗り気ではない。妾は無理強いをするつもりはない」

「……何が言いたいんだ、婆ちゃん」

「馬鹿だな、ジオ。だったら舞子ちゃんを説得するしかないじゃないか。そうですよね、オババ様」

 無駄に爽やかに微笑むセイガ。

 オババ様は「ほほほ」と笑いながら頷いた。

「だったらすぐに向かわないとね」

 セイガは立ち上がり、急かすようにジオの背中を叩いてくる。

 ジオは少し焦った。

「ちょっと待てっ、昨日の今日だぞ」

 確実にウザったいと思われる。ボウのことだってあるし、合わせる顔がない。

「お前ね~、本当に舞子ちゃんのことになると別人みたいな反応するよな。じゃあ聞くけど、舞子ちゃんとこのままお別れでいいのか? 京君に任せるってことはそういうことになるんだぞ」

 セイガは腰に手を当てて見下ろしてくる。

「それは――」

 言葉に詰まる。

 せっかく会うことができたのだ。あんな悲しい別れ方のままになるのは、ジオだって嫌だった。

 セイガは盛大に溜め息をついて「女々しすぎ」と罵った。

「だったらお前はここに残ってろ。この前だって結局、僕一人で説得したんだし問題ない」

「お、おい! また脅すつもりじゃないだろーな!?」

「他に名案あるか?」

 けろっと返答され、ジオは肩を落とす。

 ――こいつに任せたら駄目だ。

「……おれも行く」

 渋々呟くと、セイガはニンマリと笑う。

「オババ様。一つ質問があるのですけれど」

 リョウカは静かに言った。

「もし舞子さんが戻ってきた場合、オババ様や長老は、どう動くおつもりなんですの?」

 長老は眉間にシワを寄せる。

 難しい問題だろう。恐らく長老の中では、もう何が正しいのかあやふやな状況になっているに違いない。

 京を立てるつもりならば、舞子の存在は邪魔になってしまうし、逆に舞子を立てようものなら、それは京を邪魔することに繋がるだろう。

 しかしオババ様は相も変わらず陽気に笑った。

「長老殿、悩む必要はない。舞子殿に宿る救世主様がこのまま大人しく終わるとも妾には思えぬ。きっと何かしら意志を示して下さる。その意志を見逃さない為にも、舞子殿を連れて来る意味はあろう」

「いやしかし、それでもし京殿の力を取り戻そうとしたなら――」

 険しい顔で問い掛ける長老に、オババ様はそれでも笑い続けた。

「その時はその時じゃな」

 ――なんて安楽的なのか。

 我が祖母ながら感心する、とジオは心の中でそっと思う。


 そして結局。

 大した結論を出せぬまま、話し合いはお開きとなってしまったのだった。

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