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ショートショート 昭和のお浣腸物語3-2

作者: 勇気

昭和の中頃、子どもの頃の家庭医療、お浣腸の思い出について

ショートショート 昭和のお浣腸物語3-2


月曜の朝が来ました。ひろくんのお母さんが、提灯ブルマと替えのおしめを持って、お姉ちゃんのお部屋に入ってきます。そのお姉ちゃんは、お便の量は少なかったとはいえ昨夜、三度目のお浣腸がようやく効いて、楽になったのかよく寝ています。それに今朝は、中学校に行く前に診療所に行かなくてはなりません。いつも乗るバスよりも早くに出かける必要ありますし、その前に身支度の用意もあります。

「お姉ちゃん。ほうら、早く起きなさい!」

「今、何時?」

「6時ちょっと前よ」

「まだ寝かせて…」

「なに言っているの!」

そう言うや、提灯ブルマと替えのおしめを枕元に置き、お姉ちゃんのお布団を剝いでしまいます。すぐにおしめカバーの裾から指を滑り込ませ、鼻を近付け、確認の為、指はさらに奥に進みます。

「どうやら、お漏らししてないようね」

(プッチン、プチ、プチ)

そのまま、ホックを外してカバーを取ります。

「大丈夫そうね。このまま体温測りましょう」

割烹着から軟膏容器と体温計を出して、軟膏を一すくい掬うと、肛門と体温計の一方に塗って、お姉ちゃんの肛門にあてがいます。

「ううっ」

お母さんの手で肛門に体温計の先端が入ります。ここに至って、お姉ちゃんも完全に目が覚めました。

「少しの我慢だから、動いちゃだめよ!」

「だって、おしっこ!」

夜に多少催しましたが、自分で出来ないのでお母さんを起こして迄おしめとカバーを外してまた付け直すのも面倒で、さりとておしめを使うわけにもいかず我慢していたのでした。明け方の今、小さな体の膀胱も一杯になっています。

「しょうがないわね」

昨夜置いたオマルを手繰り寄せて、便壺に置いてあった尿瓶を掴むと、お姉ちゃんの無垢な陰核と会陰のあたりが尿瓶口に入る様にあてがいます。

「時間無いから、ほらこのままして」

(しーっ)

いつもなら文句を言うお姉ちゃんですが、目が覚めてからは我慢できないくらい尿意が強く、その場で出して仕舞いました。

「もう出た?」

娘がコクリと頷くのを見て、同じく便壺に置いていた、ちり紙を何枚かとって、陰部を拭いてあげます。

「おしめ、汚れていないから、このままもう一回しちゃいましょうね。ほら、腰上げて」

先ほど取られた、布おしめとカバーを逆の手順で着けていきます。

「できた。おっ起して、制服着てごらんなさい」

お姉ちゃんの通っている中学は、珍しく近隣に多いセーラー服ではなく、丸襟ブラウスに紺のジャンパースカート、スカートと同色の襟無のイートンジャケットという、ハイカラないでたちです。これが丁度よく、スカートのベルトを緩めれば、妊婦が着るマタニティウェアのようにカバーを履いた腹部のふくらみが目立たないので、結果として今のお姉ちゃんにとって都合よかったのです。パジャマを脱いで、上半身裸になりますとまだ胸のふくらみが無く、ブラジャーもまだ不要な幼児体形におむつカバーだけの姿が幼さを反映して良く似合うと、ひろくんのお母さんも思います。それだけにこれから着る制服とのギャップもあり我が子ながら可愛いと、思えるのでした。切替スリップを首からかぶり、直ぐにブラウスを着ます。肩のホックを外し、左脇のファスナーを下ろしてからジャンパースカートを履きます。続いて、万一の為に、帆布の提灯ブルマを履いて、脇のファスナーを引き上げます。今年中学に入って将来の成長に合わせて買ったので大きめの制服で、優に膝下まで裾があるゆったりとしたいでたちですが、どうにも、腰のふくらみが気になります。

「お母さん、どう?お尻、膨らんでない?」

お母さんはお姉ちゃんの腰回りを、手で触りながら、

「大丈夫よ」

「ほんと?」

「本当よ、こんなんで噓ついてどうするの。それより、診療所の先生には、一昨日と昨日お浣腸をして、3回目でようやく出ましたって言うんですよ。それと今朝の体温は7度2分でしたって」

「浣腸しましたって、言うの?恥ずかしいな」

「そう、問診されたらちゃんと言うのよ。お便はいつもよりはちょっと少なかたって」

「はい、お母さん。分ったから、下履き持って行ってもいい?」

小児科と違う診療所で見て貰うと言っても、これ迄の観察経過から、お浣腸処置を受ける可能性が高いのです。そうなると、グリセリンの効果から残便がいつ押し出されるか分からないと言う心配があるので、もしもに備えておしめの方が都合いいの。だからどの道、帰りもオシメを当てるのよ。とは、お母さんは心の中では思っていますが、決してそういうことは言いません。きっと、お母さんが考えている通り十中八九、お医者さんの判断で、おしめを着けて学校ではなく家に帰されるでしょう。そうは答えずに、代わりに、

「いいけど、どうするの?」

とさりげなく、愛娘に聞きます。

「診療所の先生になんともないと言われたら、学校に行くのに、履き替えたいの。だって、おしめカバーしてみんなに会えないわよ」

「だから、お提灯を履いているのでしょ…まぁいいわよ。でも、脱いだおしめとカバー、学生鞄に入らないでしょ。だったら脱いだのを入れられるように、スポーツバックも持ってらっしゃいな」

「うん」

「じゃあ、気を付けて行ってらっしゃい」

病気と言っても便秘なので、わざわざ母親がついて行く必要もありません。保険証と治療費を持たせて、娘一人で出かけさせました。


7時のバスに乗って街中に向かいます。診療所には8時より大分前に着きました。少し早いかなと思いながらも、ドアに手を掛けると空いたので、無人の待合室の中を歩きそのまま受付に行き、診察券と保険証を出します。電話でお願いしていたので、直ぐに名前を呼ばれて診察室に入れて貰います。中に入ると先生が問診用の机の前に座り、その脇に看護婦さんが2人居ます。若い看護婦さんに学生鞄とバックを預けて、部屋の隅に置いてもらいます。その間にもう一人いた看護婦、帽子と襟に2本線のある先ほどの看護婦さんと比べて年配の看護婦さんに、先生の前まで連れてこられました。

「今日は、どうしましたか?」

電話で容体の連絡を受けていますが、一応、本人からも聞取り問診をします。

「調子が悪くって…」

「どんな感じに悪いのですか?」

「お熱があってちょっとお腹の具合が…」

「お熱は?」

「今朝、8度2分ありました…」

中々、酷い便秘であることを言い出せません。業を煮やしたベテランの看護婦さんが、

「お母さんから電話を昨日受けまして、お通じが1週間以上無くと伺っています」

「そうでしたね」

「それでお浣腸をご家庭でしたのですが、出なかったそうです」

「そうなのね。じゃあ…」

このままだと、昨晩ガラスまでして出したのに、お便が出てないと思われてしまう。折角、小児科を避けてこちらに来たのになんでお浣腸のことばかり…この雰囲気では、徒労に終わってしまう。だとすれば家で使うのとは全く違う大きなガラス浣腸です。それは絶対に嫌です。

「いえ、出ました」

「出たの?お母さんから、一昨日、昨日とお浣腸したけど、出なかったって聞いたけど?」

「それは本当なの?重症じゃない」

と先生が聞き返します。

「お家では、どんな浣腸を掛けられたのかしら?」

お姉ちゃんの代わりに、看護婦さんが答えます。

「お母さんのお話しですと、一昨日は軽便30を1つ使って何も出ず、やり直しの昨日は悪化してゴム管も入らなかったとか」

「あら、そうなの」

「そう伺っています。それで、あらためガラス浣腸器を使って直接、お浣腸かけるように指示は出したのですが…どうなの?」

と、看護婦さんがお姉ちゃんに聞きます。

「昨晩、お浣腸をガラスで頂きまして、お便が出ました…」

「どのくらい?いつもとは?」

「いつも出る量よりは少なかったです…」

思った展開にならず形勢が不利で、だんだんとお姉ちゃんの声が小さくなります。

「そう、出たのね?まぁ、兎に角お腹見ましょうか?服を脱いでそこに横になって」

家から着てきた、イートンジャケットとジャンパースカートを脱がされます。

「そのブルマも取っちゃおうか」

ファスナーに手をかけて、提灯ブルマを脱ぎます。

「あら、カバーね、おしめしているの?」

「はい、お母さんがお漏らししちゃうといけないので、履いて行けって」

「そう、カバーはそのままでいいわ。寝てくれる」

先生が手を押して、おなかの診察をします。

「ここ張っているね」

看護婦が次はどうなるかと、先生の指示を待っています。

「これは、おなかに沢山あるね。まだすっきりしてないでしょう。まだ出るでしょう?」

と重ねてお姉ちゃんに聞きますが、危険を察してまだ出ますとは容易に答えられません。でも、結果は明らかです。

「それじゃ辛いでしょ。出しちゃいましょうね。処置室、連れて行って下さい。100gね」

看護婦さんに先生が指示を出しています。何か良からぬことが起きそうだと、直感が告げています。

「先生、100gって何ですか?お便出たし、もうお浣腸しないですよね?」

お姉ちゃんの精一杯の訴えにも、直接答えずに先生は笑うだけで、先生からたった今指示を受けたベテランの看護婦は早く処置室に連れて行くように、若い看護婦に促します。その時、中待ちに誰か入ってくるのが気配で分かりました。このままだとカバーが見られてしまいますので、慌てて提灯ブルマだけを履きます。鞄とバック、制服の入った籠は若い看護婦と手分けして、部屋を移動します。中待ちには予想通り、人がいました。弟のひろくんと同じくらいの学年の女の子とそのお母さんの様です。素早く通ったため顔まで見る事は出来なかったのですが、狭い町です。きっと知り合いの誰かでしょうか。


暗い廊下を少し進んだ先の奥まった場所に、【浣腸室】と掲げられた部屋があります。最初は見間違いと思いましたが、見紛うはずもなくあの嫌な文字が書かれた部屋です。

「お浣腸は、嫌!」

そう叫び、札の部屋の前まで連れてこられ躊躇して後ずさりしようとした処、後ろから丁度来た、手術室で見るような予防衣を制服の上に着た看護師さんに退路を塞がれて逃げ場もなくなり、先に部屋に入って荷物を置いた看護婦さんの手招きに吸い込まれるようにおぞましい部屋の中に入ります。

「カバーはそのままでいいからブルマだけを取って、一番奥、右の診察台に仰向けになって寝て下さいね」

同じ診察台が4台ほどあり、それらとは別に最奥に流し台に並んで作業台の様なものがあります。そこには殺菌済みのガラス浣腸器が大小10本ほどトレイに載り、その周りにはだいだい色の管や何に使うかわからない金属の医療器具が並べられています。

(ガラス浣腸?)

そう思った瞬間、産科病院で強制的に分娩台に載せられて受けた、屈辱的な浣腸のことを思い出してしまいました。

「ガラスのお浣腸、やだ!いい子になるから、お願い止めて!」

「なに言っているの、お浣腸なんてみんなしているんですからね。それにガラス浣腸も軽便浣腸もグリセリンで同じよ。お家で軽便はしてもらったでしょ?」

「でも、いやなの!」

体を揺すって抵抗をします。その抗議にはお構いなしに、おしめカバーをはがしにかかります。

(ぷっち、ぷち、ぷち)

カバーのホックが外され、T字にしっかり幼女の陰部を隠していたおしめも、完全に剝ぎ取られました。


そうしている間にも、看護婦さんが何人か来て、大分手間を取らせながらもこういう子供用に使う拘束も兼ねた浣腸台を用意されて、足を大きく開かされた状態で載せられてしまいました。浣腸器を載せたワゴンが、診察台に横付けされます。

「本当に嫌なの!」

ここまで駄々をこねて時間がかかったからでしょうか、閉められたカーテン越しにですが次の患者が浣腸室に入って来たのが分かります。きっと先ほどの母娘です。丁度、向かいの診察台にその女の子が載せられているようです。その間も、ガラス浣腸の準備は進められて行きます。

「いやー」

「いやじゃないの。みんなしているんだから」

「ガラスのお浣腸いや~。せめて、せめて…」

「何を言っているの。病院ではみんなこれよ。あなたより小さい子もこれでされているんだから」

「うそ!」

「嘘じゃないわよ。ほら」

診察台をかろうじて囲っていたカーテンが、勢いよく開きました。仰向けながらも上体が起こされて、同じように浣腸台に据えられ、陰部を晒した幼女と目が合います。

(もとみちゃん!!)





おまけ:

産院でのお話です。この時代の看護婦さんはとても怖かったのです。言うことを聞かない子はお尻を叩かれましたし、医師の指示が出れば患者が泣こうが喚こうが、必要以上に洋服を脱がされ、あるいは裸にして、注射や浣腸をされました。その中でも、私が経験したエピソードで今でも鮮明に覚えていることがあります。


ある時に、お母さんの同郷のお友達があかちゃんを産んだというので、産婦人科の病院に一緒にお見舞いに付いて行きったときのことです。その病院は産科専門で、外観が白い洋館で病院と言うよりは外国のお屋敷と言う感じでした。木造で昭和の初期からあった昔の病院でしたが、内部は洒落た作りで、ホールはシャンデリア風の電気で明かりが燈っていたり、キオストロと言うのでしょうか中央が吹き抜けで宝塚歌劇団にあるような大階段で、産婦人科専門の病院だったからでしょうか、病院の嫌な臭いとか辛気くさい感じが一切しなく、明るくて風通しも良くて頭の看護帽から足先のナースシューズまで真っ白な看護婦さんが大勢いなければ、ここは本当に病院なのかなと言う感じの場所でした。


1階の受付で面会の手続きを取り、2階の看護婦詰め所に向かうように言われました。その時、患者や医療機器を運ぶのが優先なので、昇降機、即ちエレベータは使用しないようにとも言われましたので、宝塚にでも出た気分で大階段から上がります。詰め所に行って、直ぐに病室に案内されました。私もお母さんのお友達にご挨拶して、丁度、授乳が始まるということであかちゃんにも会えました。あとは、すぐに手持無沙汰になります。おまけにお母さんとそのお友達は久しぶりに会ったので話が長く、すっかりすることもなく飽きた私は、お便所に行くついでに病院内の探検をしようと思いました。同じくお見舞いに飽きた同い年くらいの男の子と仲良くなり、館内で追いかけっこをする感じで、五月蠅く廊下を走り回ります。2階から降りるのに使っちゃいけないと言われたエレベータに便乗させてもらい、1階に降ります。ぎゃあぎゃあ言いながら1階の通路を走り、そしてまた1階受付横の大階段から2階の病室に上がります。そこには病室を中心に部屋を囲うように回廊があり、館内を丁度一周出来ます。そこでまた大声をあげながらドタバタ走っていたものですから、看護婦さんに注意を受けます。が、また意を介さず走り回ります。するとまた注意を受け、今度は大きな注射をすると言われました。子供心に勝手に医療行為である注射などできないだろうと高をくくっていました。ところがその「大きな」注射と言うのはこの病院の隠語だったらしく、捕まって分かったのですが、まさかのガラス浣腸と言うことだったのです。浣腸はご存じの通り、家庭でもできる医療行為です。その病院で浣腸などは雑作もない事です。それで今回は、医師の指示でと言うよりは、調子の悪い子を処置した体で頂く事になってしまったのでした。


それに火に油を注ぐように、いたずらっ子の男の子が看護婦さんを挑発するように、お尻をペンと叩くと逃げ出しました。それを見てその場で私は素直に謝ればいいものを、反射的に一緒に逃げようとしましたが、一歩遅れて私も逃げてしまい、その遅れた分が致命的で、明らかに婦長さんか主任さんと思われる怖い感じのする看護婦さんにつかまってしまいました。

「誰がこの()、処置室に連れて行って」

と言うではありませんか。それを聞いた若手の看護婦が2・3人、看護婦控え所から出てきて、小柄な私をその部屋に連れて行きます。丁度、何事かと思ったのでしょう、お母さんが病室から出てきました。助かったと正直思いましたが、

「このお子さんのお母さんですか?疳の虫が出て暴れているので、これからお浣腸します。宜しいですね」

と、有無を言わせぬ勢いで言っているではありませんか。私のお母さんもそれに気圧されてしまい、

「はい、お願いします」

と、一言で了解してしまいました。

「お子さん、お便は、今朝したのかしら?」

「いいえ、普段からお便が遠いものですから、一昨日からしていないと思います」

などと、馬鹿正直に答えています。

「そう。それじゃ、丁度よろしいですわね。お母様は、お部屋に戻ってお待ちなさってください」

こうして母親許可の元、お浣腸を頂くことになってしまいました。今の時代では考えられないお仕置きで、時が今なら大問題になっていたでしょうが、この時代は時たま行われていたことです。


私が連れていかれた先は、診察室とは違う、それでいて近所の病院の浣腸室とも違う、どちらかと言うと浴槽の無いタイル張りの浴室のようなところでした。その真ん中に黒い革張りのベッドが足置き台付きであります。先ほどの若手の看護婦さんたちに囲まれて、スカートやブラウスはおろか、靴下やシャツ、下履きまですべて脱がされて、そこに私は寝かせられたのです。

「あなたにはちょっと早いけど、いずれ経験するから丁度いいわね」

と言われたと思っています。足を台に乗せられて、お尻を診察床の端、ギリギリまでずらされて看護婦の手で固定されてしまいましたので、足許で何をされているかまったく分かりません。そうこうするうちに特に痛みもなく、お尻に柔らかい何かを入れられたと思ったら、すぐにぬるっと抜き取られました。その数十秒後です、今までにない便意が押し寄せてきました。

「まだよ」

と叱責されます。

「今出したらもう一回だからね。あなた、便秘しているんでしょ。治してあげるから、我慢しなさい!」

何度か便意の山が来ますが、とても我慢できない便意です。横を見ると、ワゴンの様なタイヤの付いた台の上に、膿盆がありますが、そこに見たこともない大きさの針の無い注射器が載せられています。

(私、あんな大きいのでお浣腸されたの?!)

そんなことを考えながら時間にして、1分、いや2分位でしょうか。ぴゅーっと、勢いよく先便を出してしまいました。

「がまんできない!」

「まだよ。まだって言ったでしょ!」

あんな大きなお浣腸をしておいて。ここの看護婦さん、悪魔です。

「出る!お便所!」

「出るの?もう我慢できない?100gの浣腸じゃ我慢できなかったかしら?じゃあ、尿瓶あててあげて」

と、若い看護婦さんに指示しています。

「尿瓶?いやー、お便所、行かせて!」

「お便所行かれる?行かれないでしょ、ここでいいのよ、赤ちゃんを産むお姉さんたちは、みんなここでしているんだから大丈夫よ」

浴室のタイルの様な床の作りは、そういうことだったのですね。どうもここで寝たままさせるのは、本気のようだと悟りました。便意にも負けつつあります。子供ながらにも羞恥心が芽生えてきたころのことです。こんなところではできない。でも、本当に我慢もできない。もうここから逃げられないなら、早く楽になろう。覚悟を決めました。

「もう、がまんできない!」

と叫んで子供ながら屈辱的な排便したと覚えています。それ以来です、病院に限らず、公の場では大人しくなりました。そして、病院でされる大きなガラスでのお浣腸はすごく苦手になりました。


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