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03 ユニ☆キラ始動!

 



「メンバーの紹介も終わったことだし、大事な発表があります!」


 問題が大きすぎるメンバー紹介が終わり、場の空気がなんとなく重くなっていることを感じたのか……感じていないのか学園長は明るい声を出した。


「まず!昨日も言ったけど、デビューは3カ月後を予定しています!デビューはクリスマスイヴよ!」


 今は9月の半ばだ。本当に3カ月でデビュー……この状態で?

 ワクワクよりも不安よりも、実感がついてこない。

 しかし私のプロデュースするメンバーたちは「クリスマス!」「3カ月でアイドル!」と何やら浮かれている。大丈夫か?



「そしてそして!25日のクリスマスにあなたたちをファンの皆さんの前にお披露目するわ!」


 学園長の高らかな宣言と共に、空間にイベント告知画像が浮かび上がった。

 クリスマスツリーが背面に描かれ、いくつかのアーティストの画像が載っている。大きなロゴには――。


「これって」


 それはアイドルを夢見る者ならば誰もが知っているフェスで……。



「そう、コズミックフェスよ!」



「ええっ!」

「ウオオオオオオオオ!」


 私の驚きの声と共に野太い歓声がわいた。アイドルオタクのライだ。でもライがそんな雄たけびをあげるのも仕方ない!


 だって、この世界のトップアイドルたちが1年に1度に集まる夢のフェスなのだから!


 ポーピャリ星は、現代日本よりも音楽を愛する星だ。アイドルの地位も日本よりも高く、国民皆が熱狂する存在。

 音楽好きの国民のために、毎日なにかしらの音楽番組が放送されていて人気アーティストはもちろんマイナーなものまで。とにかく何かしらの形で世に出れば人の目に触れる機会は多い。


 配信はすべてコスモが行っているので、日本のようにテレビ番組とネットの垣根はなく。いろんなチャンネルが常に配信を行っている。


 その中でも視聴率が高く、老若男女に人気な番組『コズミュージック』

 全アーティストがいつかは出たいと憧れる番組で、毎週スタジオから生ライブを配信している。



 その『コズミュージック』が毎年年末に行うこのフェスは、全国民が注目するフェスだ。

 ポーピャリ星で1番大きなドーム会場で開催されるがチケットを取るのは至難の業。生配信はこの国の8割が見ているというのだから。

 2日間開催され、私たちが出演するday2はアイドルやダンスボーカルユニットだけだ。


 アイドルを志す者は、皆このフェス出演を目標に頑張るといっても過言ではない。

 現代日本でいうと、アーティストが武道館ライブを目指す、紅白を目指す。それに近いんじゃないかな。



 とにかくものすごいライブに出ることになるんだ!



「オープニングアクト――他のアーティストと違って1.2曲だけの前座だけれどね。でもこのフェスの注目度は……言わなくても皆知っているわね。

 イヴにデビューをして、この番組で正式にお披露目。かなりの話題性だと思うわ」


 さすがギャラクシースター学園!コネはしっかりある!

 チラシ配りや路上ライブから始めなくても、スターになる道は作ってもらえているわけだ。


「すっげー……ファンサの練習しないと」


「会場はドスコイドームか。それだけの収容人数なら効率よく笑顔が手に入るし、ファンとも距離が取れるな」


「私の美しさを世に広めるときが来ましたね」


「コズフェスのオープニングアクトに選ばれた新人ドルは翌年ブレイク間違いないとドルオタでは有名なんだよ俺も毎年チェックしているんだ去年のオープニングアクトを担当したシューティングフラワーは今年のチャートで」



 マイペースな彼らもさすがにこれは興奮しているみたい、驚きと期待でキラキラした表情で、何かを話していないと気持ちが落ち着かないようで好き勝手話している。シキだけは夢を見ているような表情のままぼんやりと私を見つめてるんだけど。



 私ももちろん興奮してしまう!

 コズミックフェスの配信は見ているし、倍率に勝ってライブ会場まで足を運んだこともある。アイドル志望生としての夢でもある。


 そのステージに3カ月後にたてる……!?夢としか思えない。

 そういえば、アプリのシナリオでもデビューしてすぐにライブに出演するイベントがあった!そこで彼らはトップアイドルへの階段を順調に登っていったんだ!



「スターになるためには才能も大切だけど、羽ばたくための装置も大切よ。

 私たちは学園初のグループへの協力を惜しまない。私たちのもてる全てを使ってあなたたちをトップアイドルにする」


 学園長の力強い言葉をメンバーは恍惚した表情で聞いている。

 きっと私も同じ顔をしているだろう。


 そうだ、私たちはトップアイドルになるんだ。

 ある意味、自分への洗脳でもある。思い込んで、信じないと夢は見られないのだから。そして自分が思い込まないと、ファンに夢など与えられない。


「よろしくね、ユニ☆キラ」


 学園長は私たちの表情に満足したように頷いた。


「ユニキラ?」


「ええ、あなたたちは『ユニバーサルスターのきらめき』というアイドルグループ名になりました」


「ユニバーサルスターのきらめき……」


「略してユニ☆キラよ!」



 そうだ、このゲームはネーミングセンスがないんだった!


 ……とにかく、3カ月後のデビューに向けてユニ☆キラ、始動します!


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