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幼少編8

 



 試験までに少し早く着いたのが幸いして、試験会場でもある学校を下見出来たのは大きい。

 やっぱり正面玄関から見た学園は大きすぎてアホ面して見上げてタリバさんにツッコまれたけれど。

 前世の大学くらい、もしかしたらそれ以上あるかもしれない広大な敷地の学園を見たら口も開くよ。

 本当に広いんだよ?

 なんと研究所も併設されているらしく(一応正式な入口は別中では繋がってるけど)、宮廷魔法薬師になった以外の優秀な研究者はここで専門的に雇われているらしい。

 宮廷魔法薬師が公務員最高峰ならこのペイラム魔法薬師学園の研究棟に務める事は民間の最高峰らしい。

 ちょっと私、流れの冒険者で魔法薬師やるつもりだったんだけど、ここの学園に入っていいのかしらん?と思ってしまったのは口が裂けてもタリバさんには言えない。

 宮廷魔法薬師になるとも思ってなさそうだけど。

 ちなみに、受かるのはこの春は40名。

 うち奨学金は5名、そのうち授業料無料の特別奨学金は学年総合5位以内の希望者2名のみ。

 かつ各学科上位10名以内の成績でないといけない。

 下手すると総合2位までに入っていないと授業料無料にはならない。

 くっ……狭き門……燃えるよね?燃えるという事にしとこ?ちょこっと涙目になったけど、俄然ヤル気になったよ。


「タリバさん、私やるよ!やるから!」

「はいはい、がんばりな」


 その後、宿屋に戻った私が食事と寝る以外は本とノートとお友達になったのは言うまでも無い。

 タリバさんはどこか知り合いの所に行ってくるとちょこちょこおでかけしていた。

 朝と夜は宿屋の食堂で一緒に取っていたけれど、しっかりお昼ご飯のお世話までしてくれている。優しい。

 村では結構お昼は食べない事も多いのだけど、タリバさんの所に通うようになってからはサンドイッチを持ってくようにしていた。

 タリバさんはしっかり3食きっちり食べる人だったから。

 3食食べる方が脳みそも働くよね、うん。

 子どもの私からは食事の事を言えなかったから、タリバさんとこはと言って自宅も軽めの食事3食に改善して貰えたのは嬉しい。

 2食でだばーって取るより疲れにくい気がする。

 2食だと胃が疲れる。一気に量をとるからね。


「サーシャ、この本最近のみたいだ。一通り読んでおくといい」

「え!?いいんですか?」

「私も読んだがそれほど内容も悪くない」

「ありがとうございます」

「今までのやり方を取るか新しいのを取るかの選択は任せるよ」

「え?変わるとこあるんですか?」

「ここだと実験出来ないからねぇ」

「あ、確かに」


 入学後の宿題だとタリバさんは笑う。

 私のやり方は古いからと、でもね、凄く効率的だと思うんだよね……むしろこの新しい方がいらない事ある気が……

 実験したい!!

 多分こういう事なんだろうなんだっけ、温故知新。使い方合ってるはず!

 オリジナルをそれぞれが作るってこういう事なんだろう。

 図書館とかに昔の魔術式とか残ってないかな?

 そういうの研究してる研究室に入るのも面白いかも!

 入学前だと、しかも入試前だというのにワクワクが止まらない!

 受かれ!受かれ!受かるんだ!




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