1年生春23
闇の日の放課後、ナイデアール研究室には全員集合していた。予め調べる場所は分担していたので、生育のよい場所はだいたいわかってきている。
もう一週間調べて畑の土づくりからスタートする事になった!
土に気づいたの偉いよね!ウンウン。
でも一つだけ懸念がある。
それはライラ様の畑は盗まれたということ。
つまり畑ごと……というか土ごと盗める人がいるって事!
これってせっかく作ってもバレたら盗まれちゃうってことじゃないかな?
なんだかワイワイ白熱しているみんなに伝えるのはちょっとだけ勇気がいる。
息を吸って吐いて……深呼吸!
「あ、あの!」
「どうしました?サーシャさん」
「あの、ちょっとだけ嫌な話なんですが……」
いつの話かも知らない盗み方も分からない荒唐無稽な話。
「という訳で盗まれる可能性も考慮に入れないと」
「この話は他に知っている方は?」
「あの、ノワールレント様……えっとディライト侯爵家の方のお師匠さんのお話なので一緒に聞きました」
「ディライト侯爵家か……さすがに聞きに行けないな……」
「そうだね……学園内は身分が……というのは建前でもあるし、我々には接点がそもそも無い」
「わ、私たちもさすがに同じクラスですが、殿下が常にお傍にいらっしゃいますので無理ですわ」
マリアは必死で頷くだけ。
確かに私も話しかけに行くのは嫌だ。だからノワールレント様とは距離を置いている。
だが、日に日に何か言いたそうにこちらを見られて困る。
もうお貴族様方の掌握は済んだのかな?
とりあえず王子様引き連れては絶対に来ないでください!
「とにかく、盗み対策は確かにしないといけないな。成功したら持って行かれるのは確実だろうし」
「そうだね。防護結界?あと何が思いつく?」
「私魔法知らないんで……」
「では合わせてそれも探すか」
「では来週の闇の日にまた」
「防犯魔法も同じ日に発表ですか?」
マリアが少し心配そうに確認する。
確かに入って1週間の私達には厳しい。
私は魔法の常識知らないし、今月末の適正検査で属性わー初めて知るから。
アラーム付き警報装置なんて作れないし……作れたらそれはそれで不味いだろうし。
「防犯魔法に付いては僕が調べるよ。僕は今年卒業だから既に必要単位は終わってるから時間があるし」
「私も手伝おう。今は学期が始まったばかりでそれほど課題が無い」
「僕は」
「ヤンフリートは以前の畑の纏めをしてくれるか君が一番熱心だったから」
「あの、では今週は先輩方は防犯魔法の研究などを、私たちが生育環境の観察をすると言うことでいかがでしょうか?」
「幸い観察にも慣れて来てますから私たちも別れてしましょう。カルナはサーシャと組んで土の状態をしっかり確認してください。私は何となくは分かりってきてますので」
「ええ、わかったわ」
「防衛に関しては私も少し文献を探してみるよ」
大体の役割分担が決まった。
ナイデアール先生まで魔法探ししてくれるけど、私結局なんにもしてない。魔法は無理だし、多分だが、観察隊の方も土の具合以外は力にならせてはくれないだろう……なんだろ、自分で言っといてつまんない。
もしかして即、畑を作った方が良かったのかな?でもな……育成条件知らないのはお世話に問題が……卒業したり、この先畑を広めるのにいちいち付き合ってられない。
そんな事より魔法薬の勉強がしたい!これに限る。
たから大人しくしてます。お口チャック。
こうして、少しだけ悶々とする私をよそに、研究会の面々は楽しそうに予定を決めていく。
くっ!悔しくなんかないんだからね!
ストックが尽きてきましたw
ちょっとUP速度落とすかもです。
書く時間が取れないのです(´;ω;`)




