1年生春15
遅くなりました。
タリバさんと王都に来て1週間が過ぎた。
タリバさんはグラウディング魔法薬店をどうにかするために暗躍したみたいだ。楽しそうに報告してくれた。春期が終わるくらいには王宮御用達は外れているだろうって笑ってた。
そしていよいよ学園へ行く。
あらかた王都の街の中は貴族街以外は把握出来た。
とにかく北の王城の方には近づかない。うん。
貴族街に入るにはなんか通行証とかいるし色々めんどくさいらしい。
そんな決意を新たに学園の前でタリバさんと別れる。
学園の中に入るのは嫌なんだって。誰かと会ったらめんどくさいらしい……人気者なのかな?
もし、またタリバさんが王都に来ることがあれば絶対会ってくださいとしつこくお願いした。
夏か冬まで会えないも寂しい。手紙バードの魔法覚えたら絶対手紙を書く!もちろん実家にもね!すっごく楽しみ。
「制服はこちらですね。寮は場所分かりますか?」
「教えて頂ければ助かります」
「今いる第1棟がこちらですね、寮は第3棟の裏から出ると少し歩くと直ぐに見えてくる建物です。男子寮が左手、女子寮が右手になります」
「右の建物ですね。わかりました。ありがとうございます」
学園はハニカム構造の様に建っている。3つがくっついた感じ。点の部分にそれぞれ塔のようになっていて、重要施設が入っている。
線の部分は廊下と教室。各学年の部屋とそれぞれの専門部屋。
研究室は重要度?に別れて線のとこだったり、塔だったり色々みたい。
校舎の中を散策が歩いて第3棟まで歩く。塔それぞれから中庭に出れる。中庭はかなり広々としていそうだ。真ん中には建物と同じ高さで第1棟のある正面中庭には講堂がある。一応全生徒か入れるだけの広さがあるらしい。入学式はここで行う。
その奥の4.5.6塔に接する真ん中には最重要課題研究室兼職員室があるらしい。
その研究室に入るため切磋琢磨しているとの事。お貴族様が。
講堂を横目に第3棟まで歩く結構広い。早歩きしないと授業に遅れそうだ。気をつけよう。
中庭では無く外へ出ると小道がある。歩いて行くと建物が見えてきたほぼ同じ建物だ。
右への道を歩く。
ドキドキする。
「あのーこんにちは!どなたかいっしゃいませんか?」
「はいはい」
「あの、今日からこの寮でお世話になります、サーシャです。これ、学生証です」
「あら庶民の子なのね。私はこの女子寮の寮母のマーシャ・ロッテよ。よろしくね。どのお部屋がいいかしら?一人部屋?相部屋?」
「ロッテ様よろしくお願いいたします。一人部屋空いていますか?」
「『様』はいらないわ。確かに貴族だけど、庶民と変わらないわ。上の名前のマーシャで良いわよ」
「わかりました。マーシャさん、よろしくお願いいたします」
「はい。よろしく。お部屋も大丈夫よ。そうね……5階の角部屋はどうかしら?どうしても学年が下の子が上の階になるのよ。周りは貴族だけど、同じ学年の子で優しい感じよ。2人とも昨日入ったの」
「貴族の方ですか。やっぱりご挨拶は行った方がいいですよね?」
「そうね、今年は寮生は少ないと言うからこれ以上は殆ど増えないと思うから軽く挨拶はしておいた方がいいかもしれないわね」
「ではそうします。これ、お近付きの印に、村で作ってきた石鹸です。良く泡立つので良かったら使ってください」
「あら、あら、まあまあ。ありがとう。喜んで頂くわ。でもこんなことしなくていいのよ。お給料はちゃんと学園から頂いてますからね。庶民の子だからって差別したりしないわ。してる子がいたらちゃんと注意しますから安心してね」
「あ、わかりました。ありがとうございます」
「簡単に寮を説明するわね」




