1年生春8
今日は2回UP!明日からは20時UPに切り替えます!
「あーん!タリバ師匠お久しぶりです!会いたかったですぅ」
「重い」
「ひどーい!私は普通です!」
何やらタリバさんの背中に誰か来たと思ったら乗り上げている。
細身だけど重いだろうな。
これがお弟子さん?タリバさんの知り合いってこういう人が多いのかな?
金の髪に翡翠の目。The美人!
金の髪はなんて言ったら良いんだろう水の煌めきに舞う陽の光みたい透明感のある金の長い髪。
「全く、弟子を紹介する前に帰るぞ。サーシャ帰る……」
「ごめんなさいごめんなさい!サーシャ嬢、お初にお目にかかります、ライラ・アーネストと申します。こちらは弟子のノワールレント」
「タリバ・ライラック老師、サーシャ嬢、お初にお目にかかります、ディライト侯爵家、第5子がノワールレント以後お見知り置きを」
「ああ、よろしく。ただ家名と老師はやめておくれ、今は私は一介の村の魔法薬師だ」
ライラ様の綺麗なカーテシーの後に続いて、するりと猫のようにしなやかに貴族の礼をしたのはノワールレント・ディライトと名乗った少年。
不思議な髪の色だった。銀に黒を流したような色。
光に反射してめちゃくちゃ綺麗。瞳は濃いアメジスト。えっと黒の髪って魔力量少ない人が多いんだっけ?この場合どっちなんだろう?
昨日会ったグラウディング魔法薬店のおばさんが紛い物の銀ならこっちは黒と銀のコントラスト。
私も髪の色変だけど、こっちは綺麗で変わってる。
当然ながら顔は唖然とするくらい綺麗だ。女の子みたいに可愛くて綺麗。
「サーシャ、口開けてアホ面止めなさい」
「うぇ?あ、ごめんなさい」
「このアホ面……分かった叩くな」
紹介の仕方!!!タリバさん酷い!ポカポカとあんまり強くなくタリバさんを叩いて抗議する。
見上げてちょっとだけ睨むと、取り繕ってお二人のお貴族様の方を向く。おすまし笑顔を浮かべる。めちゃくちゃ今更だけど。
すましたのは言いけれど、タリバさんもお貴族様なのが判明した。どうしよう叩いてる……というか今更か。
「ライラ、ノワールレント殿、これが私の今の弟子のサーシャだ」
「えーと、お初にお目にかかります?ラカル村のサーシャです。よろしくお願いいたします」
お貴族様風のカーテシーをしようかと思ったけど、間違ってたら怒られそうなので、ペコンとお辞儀する。
何故か疑問形で言っちゃった。
よく考えたら私お貴族様ルール何も知らないけど学園大丈夫かな?今更怖くなってきた。
「可愛いーー」
ムギュっと抱きしめられるが、ちょうどお胸がね?顔に当たって気持ちいいんだけど、服との加減で、息できない!ギブ!ギブ!
ライラ様の腕を叩いて知らせるも気づいて貰えない。
「師匠、サーシャ嬢が死にますよ」
「へ?」
「多分息が出来ないかと」
「ふぁ!?ごめん、ごめんなさいね」
「……だ、大丈夫……です……えっと、ノワールレント・ディライト様……ありがとうございます」
「いえ、ライラ師匠が悪いのですから」
「ああ、可愛い、タリバ師匠、こんな可愛い子どこで見つけたんですか!」
「勝手に突撃してきた。面白い理由でな。まあ、話しは座ってからにしよう。お前はいつまでサーシャを抱いてるつもりだい?ここはテラスとはいえ、店の中だ」
「くっ!こんなことならアトリエにすれば良かった」
そんな物騒な事を呟きながらライラ様は席に着く。
するとすぐ店員が寄って来たのでライラさんは勝手にノワールレント様の分までソイラテを注文した。
師匠と弟子の意思疎通が凄いなー
「あ、ごめんなさい、勝手に注文しちゃった」
「ソイラテで構いませんよ、師匠」
単にノワールレントさんが大人な対応をしただけらしい。
ライラさんはあれかプライベートはおっちょこちょい属性か。
「サーシャはただの村娘だ、ライの冒険のリコになりたくないと突撃してきただけのな」
「もう!それやめてください!子どもの頃のことじゃないですか!」
「可愛い理由だろう?今では可愛い騎士様が付いた。採取もバッチリだ」
「まあまあまあまあ!素敵!彼氏がもういるんですね!残念だったわね!ノワール!」
「あの!彼氏じゃありません。幼なじみです。採取を冒険者になったら手伝ってはくれる予定ではありますが」
「採取ができるのか!?」
「え?はい。村育ちですからね。森の入り口付近だけですが、村の森には沢山薬草は生えてますので」
酷く驚いた顔でノワールレント様が私を見る。え?なんか変な事言いました?
てか、ライラ様、私に彼氏いてもノワールレント様はガッカリしませんよ?もしや恋愛脳気味ですか?
明日からは20時UPです!よろしくお願いいたします




