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カイル目線幼少編2

前のは長すぎたのは自覚してますwすみません

 



 サーシャが試験を受けに行く。

 頑張れよって言うつもりが朝からカーナにまとわりつかれた。

 振り切ろうとしてもしつこい。

 ヒースクリフがいなくなってから本当にしつこい。

 気がついたらもうサーシャの乗る馬車が出るところだった。


「頑張れよ!サーシャ!」

「あ、ありがとう?」


 走って追いかけて声をかけるとちょっと戸惑ったような顔をしたサーシャは、すぐに少しだけ笑みを浮かべると、大きく手を振る俺に小さく手を振り返してくれた。

 後ろのカーナが気になるんだろうな。

 カーナの声を聞いていると本当に早く12歳になりたいと思う。

 この村を早く出たい。

 俺はカーナを無視して家へと戻った。

 昨日ヒースクリフから手紙が届いていたからだ。



 やあ、元気に修行してるかな?

 僕は王都との間のラケルの街で冒険者登録をしたよ。

 王都に行く前に基礎を学ぼうかなと。

 僕がサーシャについて採取を学んでタリバさんに薬草を売っていたのを覚えているかい?

 あれ、間に合うならやった方がいいよ。道具やポーションを買うのに結構お金を使う。今お小遣いを貯めていたとしても最初の武器や防具を買えばすぐに無くなる。冒険者は基本宿屋暮しだからね。

 それに採取の仕事は結構あるし、丁寧に採取をする事によってFランクでも指名依頼がちゃんと入るんだ。

 確かに金額は気持ち色が付く程度だけど、兎や鳥を狩ったりゴブリンやスライム、コボルトなんかの討伐するより遥かに安定して稼げる。

 採取しながら森を歩いた事が、何も知らない同じなりたての冒険者とは大きな差になるよ。

 サーシャには本当に感謝している。

 ペイラムだけじゃなくて他の薬草を教えて貰っていたから、Dランク位までの採取の依頼はカバー出来てるんだ。もちろんまだまだ知らない事が多いから冒険者ギルドの資料室や、採取依頼を出してくれた本人に聞いたりして僕も知識を深めているところだよ。

 魔法もサーシャに教えて貰った方法でコントロールのやり方を覚えただろ?あれ、素材を必要以上に痛めないから僕の倒したのは買取価格が上がるんだ。

 生活魔法もスムーズだし、属性魔法も必要な所に必要なだけ出来る。もちろんコツを掴んだらだけど。

 他の魔法使いは威力が大きすぎたり、必要以上に傷つけたりして買取価格を下げている。

 問題は量が持てないことだけだね。

 解体しても持てる量には限りがある。

 まだウルフ程度までしか倒した事は無いけれどそれでも数匹持って帰るのが限度だ。

 魔法袋は高いから。

 頑張って今は貯金している所。

 討伐は色々逆の意味で目立ってしまったから、僕はパーティを組むのは諦めた。平等に等分するんじゃ割に合わないし、それ目当てなあからさまな人もいるしね。

 それに採取も出来ないから。

 採取はやはり避けられる案件みたいだからね。

 そんなの稼げない冒険者がする事だって。

 野良パーティを経験しつつ色々勉強するよ。

 カイルもできるならサーシャに教わってタリバさんに買取って貰えるように動くといいよ。

 きっとこの先の冒険者の基礎として役に立つ。

 お金もだけど。

 じゃあ、剣と魔法の修行頑張って。

 僕もカイルとやった剣でも近戦の経験値を更に高める為に頑張るよ。

 暫くはラケルの白菊亭にいます。

 では!


 ヒースクリフの手紙はとても楽しそうだった。

 羨ましい。

 サーシャの事をべた褒めしていてなんだか少し悔しい。

 サーシャが凄いのは分かっている。ずっと小さい頃にもう自分の行く道を決めてそれにずっと努力している。

 そして何より毎日オババの家に行くのも楽しそうだ。

 機嫌が良いと帰り道に楽しそうに話しをしてくれる。その顔はとても可愛い。

 多分俺はサーシャの事が好きなんだと思う。

 カーナに隠れて会いたいくらいには。

 サーシャが学園だか学校に受かれば会えない。

 もしかしたらすれ違ってもう会うことが無いかもしれない。

 そう考えると怖くなる。サーシャを追いかけて王都に行くのを伝えないと。

 そして、何より採取を教わらないと。

 母さんに呼ばれて畑仕事を手伝うまでヒースクリフへの返信はそっちのけでカリカリと俺の計画を紙に書いた。

 サーシャが帰ってくるまでにきちんと計画立てて、ヒースクリフの手紙に返事を書かなくては。

 俺だって無計画じゃないことをヒースクリフに伝えないとね!



ありがとうございます!

総合pt100!

ブクマしてくれる方も増えて嬉しいです。

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