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幼少編14

 



 村の中をカイルと一緒歩くようなってから4日目。

 とうとうカーナが直接文句を言いに来た。


「ちょっとサーシャなんなのよ!私のカイルに色目使わないでよ!」

「使ってないけど?」

「ふざけないで!カイルに近づかないで」

「カイルの恋人でもないカーナに言われる筋合いは無いわ。私が誰とどう話そうとカーナには関係無いわ。今まで黙ってたのは単にめんどくさかったから」

「サーシャの癖に生意気なのよ」


 カッとしたカーナが大きく手を振りかぶった。

 その手をカイルが後ろから掴む。たまたまだろうけどちょっとかっこよかった。

 一発叩かれるのを覚悟してたから少しほっとする。


「サーシャに何するんだ」

「カ、カイル……サーシャがあなたに近づくから……」

「俺がサーシャと話したいから仲良くしてるんだ。カーナには関係無いだろ?むしろ今後は近寄らないでくれよ。稽古の邪魔するな」

「なっ!パパに言いつけるわよ!」

「好きにすればいい。サーシャは来週、俺もあと2年で出ていく」

「酷い!カイルは私と一緒に」

「ならないよ。俺は冒険者になるんだから。この村には住まない」

「何言ってるの!カイルは私と結婚するんだから!パパも良いって」

「村長がどう言おうが、俺は絶対に嫌だ!カーナの我儘に付き合ってられない。もしカーナや村長が、俺たち家族に差別するならこの村を出るだけだ」

「うちもかな。私が頑張って王都に家族を呼び寄せるわ」

「何よ、何よ!パパに言いつけてやる!」


 カーナは走り去って行った。

 村長はだいぶカーナの教育には失敗してるけど、村長としてはきちんとしているはずだから問題ないと思う。

 村長がちゃんとカーナを怒ってくれれば良いんだけど。

 思わず2人同時にため息を吐いて、顔を見合わせて苦笑する。


「思い切ったね」

「そっちこそ。でもスッキリした。ほんと稽古の邪魔してくるんだよな。お陰で森の奥の方に入らざるを得なくなった」

「え!大丈夫なの?魔物も出るんでしょ?」

「そこまで奥じゃないよ。カーナはベリーの所までしか来ないからその少し奥の泉の辺りだよ。ヒースクリフがいる時にもう開拓してるとこだから」

「ならいいけど、無理はしないでね?」

「分かってるよ。1人だしな。これも訓練だ」

「ポーション持ってて。昨日作ったやつ」

「お、ありがたい」


 稽古してくるとカイルとは別れた。

 カーナ、行けるのベリーの所までなのか……あそこ5歳の子が行ける範囲だぞ?

 どんなけビビりなのよ。

 カーナは跡取り娘から跡取り息子の弟が生まれているけど、変わる気がないのかな?弟が物心つくようになったら結構恥ずかしい姉になるんじゃ……まあいいか、カーナだし。

 これを機に遠くから睨まれるもののカーナは前にも増して近寄って来なくなった。

 カーナの取り巻きよろしくいた子達に何故か謝られたけれど。

 特になんとも思ってなかったけど、よく考えたら私、村で友達という友達がカーナのせいでいない事に今気付いた。

 カーナがよく分からないくらい私と話すと怒るからみんなあんまり話さないのと、私がタリバさんのところに引きこもったから。

 まあ、いいや。少し年上の子達となら仲が悪い訳ではないし。

 年下の子達はカーナに遠慮してから殆ど喋った事ないけれど。

 カーナは村の子どもたちを引き連れてご満悦になる子だったから。お山の大将が好きな子だから、仕方ない。

 カイルの方は知らない。多分自分でカーナと折り合いを付けたのだろう。

 カイルとは王都に行った後、冒険者になってからの話しをするようになった。

 私も冒険者登録した方が良いって事で私の誕生日に合わせて王都に行くから、一緒に登録して冒険という名の採取をする事になった。

 ヒースクリフが段取りを取ってくれるらしいから本当の初心者よりは安全に採取ができるらしい。

 ヒースクリフも納得の上らしい。そんなに仲が良かったんだとびっくりした。

 そんなんで私の村での1週間は過ぎていった。






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