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幼少編9

 



 受かった。あっさり特別奨学金ゲット!

 って言うと、おー!頭いい!ってなるでしょ?なるよね?

 少なくとも1学年目の春期の分は奨学金は取れました。

 ギリギリで。総合4位、1学年目の秋期の分は春期の末に行われる試験で決まる。次の年の春期の分はその前年の秋期の末の試験。その繰り返し。

 今現在上に3名いる……つまりその子達は裕福だから特別奨学金使わなかっただけ。もしくは一人使っている。

 悔しい。あんなに勉強したのに。

 タリバさんにも申し訳が無いと、しょんぼりして報告したらデコピン食らった。


「痛い!」

「アホか。受かればなんでもいいんだよ。特別奨学金も取れたんだろ?結果良ければ全て良しだよ。私の知識は最新式では無いからねぇ。細かい点数が拾えなかったんだろう。敢えて古い知識教えた所もあるし」

「え!?」

「古いと見るか基本と見るかは人それぞれだね。実際授業を受けて自分で確認してみな。それを宿題にしようかねぇ」

「温故知新……それが宿題……わかりました。勉強して実験してみます」

「まずは仮の学生証を受け取って来な。その後王都のお土産を買って帰るんだろ?」

「はい!」


 ペイラム魔法薬師学園の春の入学は1ヶ月後の桜の月だ。今は桃の月の7日。

 これから入寮手続きをしてお土産を買ってトンボ帰りでラカル村に帰る。

 そして、荷物を詰め込んで大荷物で王都にトンボ帰りなのだ。

 夏に帰って来れるか分からないから冬の物も持っていかなくちゃ。大きな鞄あったかな?

 学園の寮は受かってしまえば入寮はいつでも可能で、部屋はその時次第だ。一人部屋か相部屋。

 到着した時のタイミングで希望を聞かれて空いていたら。

 もっともお貴族様の一部も入るらしいのでそっち優先。侍女さん連れてきていて、相部屋を取る人もいるらしいから本当にどっちの部屋が空いているか分からないらしい。

 そして殆どのお貴族様はご自身のお家から通うらしいよ。学園の周りはそんなお貴族様の一戸建てのお家が沢山ある。

中央地区。お城の近くにお家があってもその辺に引っ越してくるんだって。確かに近い方が便利かな。中央地区は結構遠い。

中央地区と言っても

 所謂遠方のあまり裕福では無いお貴族様か、家を出てみたい変わり者のお貴族様が寮に住むみたい。

 そして一応学園の建前はラノベでよくある身分の差は無い。らしい。

 実際入学してみないとどこまで平等なのか不明だけど。

 平民のド田舎出身としては大人しく勉強に生きる所存です!

 帰りはタリバさんが王都から最寄りの大きな街アッテラで馬車を借りてくれてラカル村まで一直線。

 まあ、距離はあるからいくつかの街には泊まるんだけど。

 街で買ったお尻を守るクッションはとっても大事!

 懐かしい景色が見えて来たところで思わず声が出た。


「わっ!村だ!」

「離れていたのは2週間だけだろぅ?」

「そうなんですけど懐かしい感じがして。初めてだったから」

「やれやれ、1週間したらまた離れるからね。堪能しておきな」

「うん、そうする」


 ちょっぴり泣きそうになったのがバレたみたいだ。

 今度はもっと長い間離れてしまう。だから堪能……あと数日の村での生活は大事にしよう。きっともう純粋な村人には戻れない。

 馬車の御者さんにお礼を言って降りる。


「サーシャ、入学も行きはついて行く。紹介したいのがいるからな。荷物はできるだけ纏めて、そうさな。3日後には家へ顔だしておくれ」

「3日後だね。分かった!行きについて行ってくれるの嬉しいけどタリバさん負担じゃない?」

「だから紹介したい人間がいると言っているだろう?今回はあいにく試験終わったあとは時間が向こうが取れなかったからねぇ。すぐでは無いけどいい人脈には繋がるはずだよ」

「タリバさんありがとうございます」


 眉をヒョイっと上げて笑ったタリバさんに私はギュッとくっつく。


「さあ、御家族が待ってるから合格を報告しておあげ。それじゃあ私は帰るから」

「はい!」


 タリバさんにお礼をー言って一礼する。

 そしてそのまま手を振ってから私は自宅へと走り出した。




桃の月は3月

桜の月は4月



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