第一章 第五話 『出撃準備』
・・・プニプニ ・・・パチクリパチクリ
ここは?ん?保健室かな?清潔な白いカーテンにフカフカのベット、独特な薬品のにおい。そして目の前にはシュリスさんの顔がある・・・。シュリスさんってやっぱり美人だよな。
「シュリスさん、もう起きているので頬をつつくのはやめてください・・・」
「きゃぁあ!!」
びっくりしたのか大声で叫んで俺のみぞおちにパンチする。
「い、一回落ち着いて!危ないから!!(俺の命が)」
「あ、す、すみません・・・背中の包帯やっているときに話しかけられてびっくりして・・・」
・・・嘘いうなよ。人の頬をプニプニしてたくせに・・・まぁいいか。
「ありがとうシュリスさん。でも避けて欲しいな。」
「あ、う、す、すいません。」
名残惜しそうに離れる。でも自分も少し残念・・・胸のだんりょ―――ってなにおもってるんだよ!! 自分ってこれだけスケベだったっけ?シュリスさんが美人だから?でも・・・クリスや市も美人だよな・・・なるほどやっぱり胸か。胸なのか?うーんでもクリスも胸大きい方だけど・・・やっぱり性格だよね。というか自分なんでこんな事考えてるんだろう・・・
「コウイチー!! 大丈夫!?」
そういいながら突っ込んでくるロケッ――もといファニアス。「ふぐうぅ・・・」またみぞおちにHIT・・・貴様ら・・・殺すつもりか!!
「大丈夫、大丈夫、大丈夫だから離れてねファニアスちゃん」
みぞおちがグリグリされて、さっきのダメージもあるのでかなり吐きそうに・・・うぷぅ・・・
「そういえばクリスとシリエルさんは?」
「シリエルはクリスを見ているのだー」
『シリエルとの好感度は低かったようだ。』
うるさい天の声。
『事実だろ。まぁ好感度高くてもクリスのとこに行くがな。』
ならしゃべらなくていいだろ・・・
「そうなんだ・・・ってクリスになんかあったのか?」
「うん、急に震えてごめんなさいって・・・」
どっかの麻薬中毒者かって・・・茶化すところじゃないよな・・・
「ふむ・・コウイチ君?目が覚めたのだね。」
自分の近くに会長がいた。どうやってきたんだろう・・・周りの二人も固まっている。なら気がつかなかったのか・・・それほどの相手だったのか・
「コウイチ君、すまないな。」
会長は深々と頭を下げる。
「あやまらないでくださいよ!!終った事なんだから!!」
「コウイチ君・・・実は私はコウイチ君が望んだような世界をつくるのが夢なのに、それを罵ってすまない。そうでもしないと力が確かめられなくて」
「どういうことだ?」
「私は異世界の住人の能力を知りたかったんだ。手荒なマネをした。まことにすまない。」
「いやいいですけど・・・なんで力を確かめたかったんですか?」
「それは有益なものか、害をもたらすものかを見極めるためだ。君に生徒会に入ってもらいたい。」
どうするか・・・クリスにも許可取らないとダメかな?いや・・・しもべの出世だから大丈夫か・・・
「いいですよ」
きついかもしれないけど若干嬉しくもあった。自分の居場所が少しでも増えると人間は嬉しいものだ。ついでに・・・飯もまともになるだろう。ずっとお預けは勘弁です・・・。
「必要になったら伝達魔法を使うから安心してくれ、では。」
3日後――
俺はジョギングをしていた。体もかなり治ってきているから。少しは運動しないと。まぁこんなに早く治ったのもシュリスさんとファニアスちゃんが頑張ったおかげだろう。回復魔法を貰ったおかげで今じゃどこも痛まない。しかしまだクリスは寝ているらしい。その理由は体内にあるエネルギーを一気に放出させたため疲れているらしい。自分に何かできないだろうか?
「コウイチさん、お疲れ様です。」
シュリスさんはひんやりと濡れているタオルをくれた。走って若干熱った体に丁度いい。自分は走る前に汲んでいた井戸水を飲みながらしみじみ考える。元の世界でもここの世界のような青空になっているのかな・・・
『生徒会メンバー集合。生徒会室に来てください。』
あ・・・呼ばれた。なんか脳に直接響くような感覚だ。
「生徒会によばれたので行きますね」
「はい、いってらっしゃい。」
「さて噂ぐらいは知っていると思うが・・・こいつはクリスのしもべのスミダコウイチだ。これからは監視も兼ねてこの生徒会に入ってもらった。以上。さて本題に移ろう。今回は森と洞窟に新種のモンスターが現れたという情報が来た。したがってこのモンスターたちの生態を調べてもらう。害を出しておりどうしようもできないならそのばで殺してもらってもかまわない。敵が未知のため、二人一組で行動してもらう。チームメンバーはこのボードに書いといた。私がバランスを考えて作ったチームだ。きっと調査を完遂し、戻ってくると信じている。さてパーティーを確認したらさっそく向かってくれ。期限はなしだ。では行って来い」
「「「了解!!」」」
えらいことになったな・・・
もうだめだ・・・疲れた。続きはまた今度