第一章 第二話 『新たな生活』
あらすじ
オタク共が喜びそうなおいしいことになってしまった幸一君。どうやら異世界で魔法使いの学園らしい。彼はどのように行動するのだろうか。
はぁ・・・なんで俺がこんな目に・・・」
広大な泉で洗濯板で服を洗う。魔法って意外に不便だよな・・・
ゴシゴシ・・・
拝啓、お母様、お父様。俺は今異世界でしもべをやっております。いつか日本にもどれるように精進したいと思っています。
なのでお母様、お父様達は仕事に集中してください。
なんて、送れない手紙の内容でも考えながらゴシゴシ・・・
夜なので水が冷たいのにも関わらず汲んではゴシゴシ・・・
ってか・・・普通男に女性物の下着洗わせるか?
ああ、しもべだからいいのか・・・。
ついでにさっきは部屋の掃除をした。なんなんだアイツの部屋?
ほとんど足の踏み場も無かったし、服も畳んでないし、怪しげな道具は片付けられてないし・・・
部屋を片付けるのにかなり時間が掛った。たぶん5時間程度は片付けたんじゃないか?
それにしてもだいぶ暗い・・・多分もう夜中だろう。
ちなみに俺のご主人様は俺が掃除している間、遊びに行き、今はノンビリ寝ている・・・。
自分は家事が大の得意で好きだけどこれはイラツク・・・。
これで給料なしぃ?
「ワリにあわねぇぇええええ!!!!」
「キャァアアアア!!」
え?近くに誰かいるのか?声のしたほうに向かう。
そこには透き通る肌にハリのある太もも・・・そして・・・着崩れているローブ・・・男なら誰でも興奮しそうな感じだった・・・
「す、すいません。大声出すつもり無かったんです。大丈夫ですか?」
「え、ええ。こちらこそすみません。すこし水遊びしようとしたら声が聞こえたのでビックリしたのです。てっきり、寮を抜け出したからそれがばれたのかと・・・」
それって違う意味で危ないよね。
ちなみにここは寮から結構離れている泉で水はとても澄んでおり水遊びにも適している泉だ。
「えっと、ここ使うなら俺は寮の噴水使って服洗いますので・・・」
はっきりいってここにこれ以上いるともう押し倒しそうになる・・・さすがにそれはやばい・・・
「ここで洗濯しても、いいです。私一人じゃちょっと怖いので・・・」
ちょっと震えていっている・・・あー理性壊れそう。でも・・・女一人って言うのは危ないかもな・・・
まぁ今日ぐらいは警護しよう。
「いいけど・・・もう少し離れますね。ここだと泉に洗濯物の汚れがバリバリ入ってしまうので。」
「細かいところまでありがとう御座います・・・」
そういわれ少し小走りで若干離れて洗濯を再開し始めた。
そういえば困った事が一つある・・・それは自分の服だ。自分の服はこれしかないから、どうするか。
あ、そうだローブでも借りよう。きっと教師に訳を話せば貸してくれるだろう。
「あの・・・クリスさんのしもべさん?」
「え、どうしたんです?」
髪が濡れてるが体は濡れてなく、ローブを着ている・・・どうやらもう水遊びを終ったらしい。
「あなたのお名前はなんと言うのですか?」
「えっと、幸一です。」
「コウイチ?変わった名前ですね。私はシュリスと申します。これからよろしくお願いしますね」
「え?あ、はい。よろしくお願いしますね。」
「えっと・・・コウイチさん?」
少しモジモジしながら俺の名前を呼ぶ。どうしたんだろう?
「私の部屋であなたの世界の話聞かせてくれませんか?」
「そのくらいお安い御用だよ」
そうしてシュリスさんと一緒に寮に行った。
かなりの美人だと思う・・・優しそうだし・・・あんな主人よりシュリスさんが主人だったら良かったのに。
ここの寮にはもず男性寮と女性寮が分かれている。そこからさらに二つに分かれているつもり寮は4つある。
女子の寮は西と東。男子は南と北。どうやらシュリスさんは自分の主人と同じ東の寮らしい。
さらにいうとこの学園の女性寮は各10階まであったりする。まぁそれだけ人数多いのだろう。ちなみに男性寮は各7階で25番まである。
主人は5階の24番の部屋。ちなみに30番まである。まぁ片方の寮だけで300人。単純計算で女子だけで600人もいることになる。男子も合わせれば900人前後。
これだけの人間が魔法使いになり名を世に知らしめようとしている・・・。なんか砂漠の砂の中にある物を探す人の気持ちがわかるかもしれない。
教師達はそこからすばらしい素質を持つものを探してその才能をつぶさないようにする。なんか嫌だな。俺は・・・
そんなこと考えながらシュリスさんの後をついていく。いきなり止まった。着いたらしい。
「ここが私の部屋です。」
そういい扉を開ける。そこは白く、すばらしく心地のよい空間だった。
「きれいな部屋ですね・・・」
自分は素直にそう思った・・・自分の主人に爪の垢煎じて飲ませたいぐらいだ。
「そうですか?よかったです。今スコーンと紅茶を用意しますね」
この世界にも紅茶は存在したんだなーと思った。まぁ異世界っていってもそこまで桁違いに違うわけもないし当然か・・・。
「はい、どうぞ。」
そういいバケットの中に多めにはいったスコーンを持ってきた。
「紅茶は今蒸らしているので待ってくださいね。」
そういい、紅茶のほうに取り掛かりに行った。
それにしても不思議な物だ。同じく人間がいて、同じものがあって・・・。異世界ってものを実感しないが、あっちの世界はここまで空気は澄んでいなく、機械文明が発達している。
それだけがこの世界を否定する事のできるものだ。それ以外はほとんど同じ。たぶん地形は違うだろうさすがにここまで大掛かりな学園を作るとなると大陸部がもっと必要になってくる。
もう一つの否定材料が今できた。しかし、否定する理由なんてあるのだろうか・・・。たしかに元の世界に帰らないといけない。しかしこの世界を否定したって何も変わらない・・・
それならこの世界に身をおくしかないと思う。なんて少しブルーなことを考えているとティーポットとティーカップをお盆で持ってきたシュリスさんがやってきた。
「悩み事ですか?」
そういいお盆をテーブルの上におく。
「ええ、どうやったら自分の世界に戻れるかって事をね。」
すこし自傷気味に言う。こんなこと言っても無駄なのに・・・
紅茶のいい匂いが鼻にふれる。今頃になって自分は空腹な事を思い出した。
「でも、悩んでも仕方ないので前向きに生きますよ。」
そういいスコーンをたべる。ん、ジャムすこし甘いな。
「そうですか。私は役に立たないかもしれないですが手伝いますよ。」
シュリスさんは紅茶をティーカップに入れる。紅茶のよいにおいがする。
一口口に含む。少し苦いがこのスコーンとは合うな。なによりも作り手の愛情が感じられる。職人の作る奴もおいしいが。一定の動作になる。
しかし家庭的な味は味のバラつきがあるのが特徴だ。失敗が許されない料理人と趣味で作る人の差はここに出る。
そのバラつきが自分では作り手の愛情だとおもう。このバラつきが家庭料理の味の良さだね。
思った以上に手が進んでしまう。久しぶりだ。他の人の温かみがある物は・・・ここ最近は自分の作ったものしか食べなかったからな・・・
「ありがとうございます。あ、そうでしたね・・・俺の世界の話をしますよ。聞きたがっていたでしょ?」
そういうとシュリスさんはうなずいた。さて・・・どこから話そうかな――――
「そうなんですか。あなたの世界も大変なんですね。」
「ええ、そうなんですよ。機械も所詮人が作った物だから万能じゃないんです。」
俺はまず自然環境、世界情勢と話していき、最後に文明について話した。
「面白かったです。ありがとう御座いますね。いつかまた聞かせてくださいね。」
「いえいえ、こちらこそおいしいスコーンや紅茶などありがとう御座います」
お互いに礼を言い合う。とても充実した時間だと思う。この異世界にきてから初めて友達みたいにはなせたのが嬉しかった。
「では、そろそろ俺は帰りますね。もう夜もかなり経ったので明日がつらいですよ?」
そういい、俺は部屋から出ようとする。
「明日も、話聞かせてくれませんか?あの今日会ったあの泉で・・・」
「ええ、よろこんで」
バタン・・・
さて俺も寝るかーあれそういえば俺ってどこで寝ればいいんだろう・・・
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「第二回!!ファニアスちゃんの用語解説ー!!」
パチパチパチー
「さぁ第二回目の用語解説なのだぁー!今回はこのリニティアスという世界における属性を紹介するよー!!このリニティアスは属性がバランスよく組み合わさってできているのだー基本的なものは火、水、土、風の四種類だよーそのほかに光、闇があるよ!!しかし生まれつき血印がある魔法使いの場合は属性が混じっているときがあるのだ!!私は水と光の複合で回復魔法と浄化魔法が得意だよー。シリエルちゃんは闇と風の複合なのだ。得意魔法は毒だっけ?クリスちゃんは火単体だった筈だよ?得意魔法は形状変化だったはずだよ!ついでにこれは時々血印の色にも関係あるよーでもきちんとしたのは入学時に調べれるよ!ちなみに複合の場合強い属性が色に出やすいのだ!私は二つ同じぐらいの量で混ざっているから若干にごっちゃになっている青。シリエルちゃんは闇のほうが強いから紫だよ。変わっているのはクリスちゃんー他の火属性の人たちより血のように赤く聖水のように澄み切っている透明感・・・それを見てるとなんか惹かれちゃうんだよねー。あ!あと属性関係無しにみんな魔法つかえるけど、属性あってるほうが威力高いよ!!ではー本日はここまでーまたよろしくねー」
えっと投稿がかなり遅れてしまいました。まじすみません。