第一章 第一話 『召喚?』
ここはリニティアスというこちらからみれば異世界。だけど向こうもこっちの世界を異世界というだろう。
ここには現在12の国があり今この世界はミネス、アイシラ、リキュアの3国がほとんど領土を占めている。
ここ最近ではこの3国も協調路線にあり、友好的なムードがある。
ミネスは戦士、アイシラは魔法使い、リキュアは聖職者が多い傾向にあり、その各国では養成学園がある。そこでは優秀な人材を育成するために日々指導している。
今回の物語はこの三国のアイシラが中心になっておきた騒動である。
「次はあなたの番ですよ?クリス・アルマーニ?」
若い女性教官が生徒に指示をだす。今は実践召喚の授業。この授業では永遠の契約を結ぶための召喚だ。つまり、この召喚で自分のパートナーが決まるという事だ。
クリスと呼ばれた女性は前に出る。生徒の中ではよく噂になっている。彼女は平民の出身で貴族の人たちから良く扱われていない。
しかし魔法の才能はずば抜けて高く、将来は大魔術師候補に入るといわれている生徒だ。
けれども平民の生まれの故、悩みを打ち明けられる人は少ない。唯一いるのは二人の友人だけだ。
その二人の友人はシリエル・クリストファーとファニアス・S・クレージュ。
二人は貴族でありながら貴族を嫌う人たちで彼女達も友人はあまり多くない。しかし美人で有名な貴族なため男がよくよってくるのは日常茶飯事だ。
彼女ら曰く『最近の貴族はただ家の偉功だけ』らしい。まあ実績はあんまり無いのだからそうなのだろう。
「はい!」
そう高らかに声をだす。この召喚で大物を出した人は常に大魔術師となっている。だからこの召喚はミスはできない。
しかしこの学園長は弱いモンスターを召喚したが、それでも努力で大魔術師クラスになれる。問題は力じゃない。
力の使い方と召喚したパートナーの絆なのだ。この召喚で召喚したものは一番術者に合うものなのだ。
必然的にパートナーとは相性がいいが自分のパートナーを殺してしまったりしてしまっているマスターもいる。
気持ちの持ちようでもある。自分が嫌いなら仕方ない。しかし術式の問題で、一回やったら10年は新しく契約ができない。
自分の手でパートナーを殺すのはある意味、自分が魔術書を破り捨てるのとおなじだ。そんなことをするぐらいなら少しぐらい嫌でも殺さないものだ。
きっと飼っているうちにその弱点も克服できるかもしれないし。
「汝、私の前に現れ我と古の血の契約果さん。汝との契約は永久のものなり。私は汝に力を与え、汝は私を守りたまえ。」
詠唱が始まる。魔術師は己の血と召喚されたものの血で契約する。体の中に流れる絶対の証明。それが血だ。
遺伝子は嘘をつかない。それは古より伝わる真実。血印。それが召喚されたものとの永久の契約の証。
術式が発動された。周りには魔方陣が描かれる。地響きが鳴る・・・まるで賛歌のような音色を出している。
「さぁ出でよ!!私の僕よ!!理を破り私の道を照らせ!!」
……全員が緊張の面持ちで見守る。こんな地響きが起こったのは初めてだから。
とてつもなく強力な奴が出るのだろうと思った。しかし―――
「出ませんね……」
教官が無慈悲に言う……
(まさか……私失敗したの?)
クリスは落胆した……みんな召喚できているのに自分は召喚できない……これからはさらに罵倒されたり暴力を振るわれるであろう。
周りの貴族は落胆した後全員笑っていた。そう、これからはアイツを落ちこぼれと呼ぼうと誰もが思ったはず。
「元気だしなって? きっとあまりにも強力だから学園の設備が悪く出せなかったんだ」
そんなシリエルの声も聞けなかった……自分は召喚できないのがショックだった……
「元気だすのです!きっと大丈夫ですって!」
ファニアスも元気付けてくれるが今の私には焼け石に水と同じだろう……
そのとき……なにかが落ちてきた……人?
「―――△#$&$#”」
何か喋っている……なんだろうこの少年……
「△◇#$&%#$#%”? ”#”#%$#%%&#……」
……自分にちょっと違和感を感じた。胸をもまれていたのだ……
私は怒りを露にした……まだ誰にも触らせてないのに……いきなり空から降ってきたガキに触られて……
「……%$#$……&△$##$、#$!! ◇、◇☆!! ▽◇∵∵∵∵△△!!」
問答無用!!そう思い自分はそのスケベ野郎に思いっきりローリング・ソバットを食らわせてやった。
ガキは沈黙した……何だ? コイツは……
「えっと……その子の腕についてる血印って……クリスと同じじゃない?」
血印は同じものは一個も無い……ということは?
「ならこの子がわ、私のパートナー?」
血印を見てみる。確かに同じ血印だ……しかし、納得がいかない……
なんでこんなガキが私のパートナー?私の夢が丸つぶれじゃないか……こんなガキじゃたかが知れてる。
能力も見たところなさそう。服は変わっているがただの少年にしか見えない。せめて最下級の精霊のほうがまだよかった……
「まぁでも一応保健室に運びましょう」
―――――
……ここはどこだろう?
見たことも無い白い空間……。自分が寝てるところの隣にはカーテンが閉まっている。
「◇△#$%#$*?」
わ、わからない……なんだろう。なにいってるんだ? 隣に白いローブを着ていた女性がいた。
大人びている。例えて言うならエリートな女性? 凛々しいがどこか孤高なオーラが若干出ている。
「あの……? ここは一体? あなたはなんていってるんですか?」
まぁ女性の言葉も分からないのにこんなこといっても意味無いだろう
「あら? あなたは異世界から来たのね?」
「え? 言葉分かるんですか? ってなんで普通に喋れるのですか?」
驚きだった……ってか普通に喋れるんだったら最初の言葉はなんだろう?
「ええ、あなたは喋ってなかったからどの言葉で話せばわからなかったから最初はここの言葉で話したの」
なるほどそういうことだったのか。ん……でもここはどこだろう?
「ここはどこなんですか?異世界って言ってましたが……」
「ここはリニティアスという世界です。あなたはたぶん、地球というところの日本からきたのですね」
「は、はい。なぜ俺はこんなところに?」
そう何故だろう……覚えてるのは走ってるときに穴があってそこに落ちたのしか……
「あなたは私の生徒の召喚によってこの世界に来ました……すみません。一般人が来るとは思いませんでした。」
「えっと、という事は元の世界には戻れないんですか?」
「ええ、たぶん戻れると思いますが……このことは私が教官になって初めてなので分かりません。」
そうか……なら俺は自分の世界では行方不明になっていることだろうな。でもどうして自分が召喚されたんだろう……
「でもなんで俺の世界のことを?」
「文献がありその中で異世界のことについてふれられていたのがありました。それを読んで学びました」
「そんな文献あるんですね」
「ええ、昔こっちに来た人がいたそうで」
「その人は?」
「それがどうなったかはわかりません。どこかの村の医者としか」
医者? なら医療関係の人が来ていたのか?
「ちょっと物を取ってきます」
「あ、はい分かりました」
そういうと白いローブを着た女性教官はでていった。
俺はどうなるのだろう。この世界で暮らすのかな? でも杉並や市……他にも俺の友達はどうなるんだろう。
もし帰れたら海外に行っていたことにしよう。そうでもしないと駄目だと思う。
しかしこの世界は俺達の世界より空気が澄んでいる。もしかしたら俺はこっちの世界のほうが合ってるのかも知れない……いやいやいや友達とは会えるか分からないのがつらい……この世界には俺の仲間はいなさそうだし……
そのようなことを考えていると女性教官の人が戻ってきた。
「さて、この薬を飲んでください。」
なんか見た目が怪しいピンクっぽい……なんか怖いな。しかし覚悟を決めよう……
ゴクンッ!
……なんともおきないな?
「どう?」
「えっとなんとも有りませんよ……」
「いや、成功ですよ」
なぜだろう?どこか変わったかな?
「私は今あなたの国での言葉を喋っていませんからこの言葉が分かるのは成功ってことです。」
「そ、そうなんですか。ありがとう御座います……こんな俺のために……えっと? ん? 名前はなんていうんですか?」
「あ、そうですね。私の名前はアスティラ・クラウド・リスミール。アスティラでいいわ。」
「ありがとうございます。アスティラさん」
俺は心のそこから感謝する。あれ? でも呼び出したのはあっちだから別に自分感謝しなくていいのかな?
まぁいいや。うん。
「ところであなたの名前は? 私も名乗ったのですから、あなたも名乗ってください。」
そうだそうだ、向こうも俺の名前知らないんだ。
「俺は墨田幸一といいます。」
「コウイチ? 不思議な名前ですね。やっぱり日本という国は変わった名前が多いですね」
うん。外国とかから見ればこっちの名前は基本的に変わってるからな
「あら? やっとおきたのね。このスケベ」
いきなりまったく知らない赤の他人からスケベって……俺なんかしたっけ?
たしか……落ちて、落下して受身取ったらその反動で胸を……
あーなるほどこいつの胸触ったのか……
「あなた? 何一人で納得しているの? 私に詫びぐらい入れなさい」
「すみません……あれはワザとじゃなかったんです……」
「ふん……どうだか!」
そういい敵意を剥き出しにしている……まぁ初対面から胸触ったもんな……仕方ない……
「まぁまぁ、クリスさん。あの上空から受身を取って胸だけですんだらいいほうじゃない? 普通なら死んでるわよ?」
「うぬ……」
いきなり黙った……自分そこまで高いところから落ちたっけ?
「ま、まあ私の僕になったんだからこき使うわ。覚悟しなさい?」
嫌だな……まぁ仕方ない……やるしかないな。
これからこのクリスって奴のところで暮らすのか……
ん? 良く考えたらこいつが俺を召喚したのか……
まったくこの野郎め……
―――――――
「ファニアスちゃんのー用語解説ー」
パチパチパチー
「はい!これから用語解説するファニスなのだー。みんな!この小説で意味がわからない用語ってあるよね!それにズバリ!解説するよぉー!」
ボードがありそこには字が書かれている
「今回はこれ!血印だよ!!これは魔術師は全員がもっている印だよ!これは魔術師全員形、色、場所が違うのだ!ちなみにクリスちゃんは右腕で色は赤!形はうーんなんといえばいいか分からないなー。私はへそにあって色は青!形は雪の結晶みたいなかたちだよ♪。ちなみにシリエルちゃんは胸の谷間で色は紫!形はシャンデリアみたいな形だよ!他の人たちは知らないなー。ついでに血印は魔術師の証で、人為的につけられたものと生まれつきの奴があって生まれつきのほうが魔法扱うのうまいのだー。私とシリエルちゃんとクリスちゃんは全員生まれつきだよ!まぁ用語解説はこれで!またねー!!」
はい、杉岡です!!書いてるときにゼロの〇い魔みたいになる恐れを感じてしまった・・・