第一章 第十四話 『作戦開始』
「というわけだ。手伝ってくれるか?」
「もちろんだとも! 学園のアイドルのシュリス様を汚すなんて言語道断! あんなものただの捏造だ!」
「兄者! 俺たちの力をみせてやろうぞぉぉおおお!」
「おう弟よ!!!」
俺が頼ったのはビクトリー兄弟だ。まぁ他の人でもよかったがこういうのの方があやつ――げふんげふん。協力してくれると思ったからだ
あとなんかこういうやつって魔法具の扱いうまそうだから。もしかしたら……
「ひとつ聞きたいのですが魔宝珠の映像は書き換えができるか?」
「うん、一応できる。あんまり知られてないけどね~やり方は簡単、自分の思念した意識をこの魔宝珠に刷り込むこと。そうすればどんなものでも映像は書きかえれる」
「なら、その映像を偽の映像とすることはできないか?」
「がんばればできるだろう。しかしそれをやるには少し大変だな…」
「大変?」
「ああ、まずひとつあの映像の広まり具合。広まりすぎている場合は一個程度じゃ確実に信用されない。けどその日付とその映像の日付が合って時間も合っていればどっちが本物? ということになるからな」
「そうだな。うーむ、エリエンヌさんが居ればすぐに騒動も静まると思うんだけどなー。ん? そういえばビク兄が把握しているのって一番最近のでいつだ?」
「ビク兄って……まぁいいや。俺が知っている一番日付が新しいのは二週間くらいまえかな」
「その日なら俺とエリエンヌさんがシュリスさんと行動してたな」
「……なんか無性に腹立ってきた」
「俺もだ兄者」
「いやそれは置いておこう! さぁ魔宝珠をどうするか考えよう!」
魔宝珠っていっても俺はそんなものを売っている場所なんて検討もつかない……
この前行った時は主に日用品を売っているところと服屋を教えてもらったからな。んーそれらしいお店……やっぱりあんまり思いつかない。
「お金なら俺たちが出せるんだがな……普通の魔法具店の場合はやはり在庫切れということがあるからな……もしかしたらアンティークショップとかになら売っているかもしれないな。けどそれでも売ってる確率は少ないと思う」
「あ……」
そういえばひとつだけ心当たりがあった。あの場所だ……あそこならもしかしたら……
「ちょっと心当たりがあるかもしれない!」
「ん? そうなのかー?」
「ちょっと行ってくる!」
俺は商店街に急いで向かうことにする。後ろから声がするが助けられると思うと気分が高揚してその声が耳までとどかない。
「兄者……確かコウイチってお金もってないよね……」
「ああ、お金どうするんだろう」
「さてここか……」
幸いここまでの道は覚えていた。一回行ったことがあると案外道を覚えているようだ。
チリンチリーン
「いらっしゃい。お、あのときの坊主か。久しぶりといいたいところだけどそこまでじゃないな」
「おーおぬしはー。仲は進展したかのー?」
「いえ、まったく――って今日はちょっと聞きたいことが」
俺はこれまでの経緯を話す。まぁ過去話の部分は伏せたが。
「ふむ……なるほどのーようわかった」
「それじゃ!」
「だめじゃ」
「いいんじゃないか? ひとつ未使用なのあるし」
「だーめーじゃ。ひとつしかないからダメなのじゃ!」
どうやらひとつしか魔宝珠が無いため売ってくれないらしい。
「お菊がこの前使わなければそんなことにはならなかったんじゃないのか?」
「うう、そこは言うな! ぼけ!」
「あ、あの~」
「お、すまんすまん。さすがに売り物が一個しかないからのう。というわけでまた条件を提示するのじゃ。お金もいらん」
「今回はどういうものですか?」
「琥珀の洞窟にある心静酒というものを持ってきてほしいのじゃ」
しんせいしゅ? 酒の一種かな?
「どんなものです?」
「ああ、それは俺から説明する。その心静酒ってーのは酒の一種なのだがちと特殊なんだ」
「特殊?」
「ああ、普通酒ってーものは気分を高揚させるものだ。冬山では遭難時、酒はすごく大事だ。遭難してしまったら気分が下がるだろう? しかも体温も下がる。けど酒を飲むことで気分が高揚し体温も上昇する。このため生き残れる確立も上がるということだ。けど心静酒はその名の通り気分をリラックスさせる効能がありしかも体も温まる。このため王室や不眠症の人などにもよく使われるんだ。けど今回あんまり入荷できなくてな。今困っているんだ」
「ということで今回は物々交換でよいじゃろ」
「いいですよ。でもひとつ」
「なんじゃ?」
「ここってアンティークショップじゃないんですか?」
「ああ、外観と店の間取りがアンティークショップと似ているのじゃ。まったく」
「そういうなよーお菊ー。まぁもともと行商人みたいなものからだったんだ。友人が店をくれたからここに店を作ったんだ。この店を簡単に説明すると何でも屋だな。基本種類問わず入荷してるしな」
「そうなんですか」
「ふむ、ではこの瓶に入れてきてくれ」
「はい」
少し大きめの瓶と地図を手渡された。5リットルぐらい入るだろうか。
「あれ? 一個いいのですか?」
「もっと多くほしいのは本音なのじゃがさすがにこれ一本で魔宝珠と同じ値段だからしかたなかろう」
なるほど。こういうのはマメなんだな。でも……
「いえ、もっと採ってきます。なので何個ぐらいですか?」
「ふむぅ……」
「いいじゃねーか。坊主もこういってるんだしよ」
「そうじゃのー今の時期では強力なモンスターも居ないはずだからの……。瓶10個分お願いするのじゃ。カートも貸そう」
「はい! 分かりました!」
「その意気じゃ。ではがんばって参れ」
俺はカートを借りそれを押して地図に書いてある場所向かった。
「お菊……お前これを狙ったんだろう」
「何のことかのー」
心静酒はとても高価なもので今回の魔宝珠を上回る価格なのだ。何故そこまでなのか――
心静酒はモンスターたちにも重要なものでそれを守護するモンスターがいるのだ。
そのモンスターが弱いならいいのだが並の冒険者では敵わない強さをもっている。
「さすがにあの小僧には無理なんじゃないか?」
俺は素直にそう思った。運動神経がいいただの少年に見えるのだ。そう普通の少年に――
「そうでもないのじゃ。あの少年には大きな力が存在しているのは明らかなんでのー」
考えを見通したようにお菊は答える。
「そもそもあの少年は魔法使いではないのがわからんか?」
「え? 魔法使いじゃないのか?」
「ふむ、そうなのじゃ。魔法使いにしては服が軽装すぎるし杖も持っておらん。それなのにここにいるのはおかしい。なら何でいるのかの? とおもったのじゃが簡単に想像できたのじゃ」
「どういうことだ?」
「もし、あの童が召喚されたものだとしたらどう思うかの?」
「召喚……でも異世界は魔物しかいないんじゃないのか?」
「そうだと思ったのじゃが実は違うのかもしれんの。他の世界にも同じような存在があるのかもしれんな」
「ならお菊はあの坊主の能力を信じてこれを頼んだのか?」
「うむ」
「帰ってきてくれるといいな」
「いやあの童なら帰ってこよう。さてこの魔宝珠を少し磨いておこうかの」
「それか?」
お菊は魔宝珠を磨き始める。は~たまには店番をしてくれればいいのにと思うがやめておこう。確実に問題がおきそうだ。
チリンチリーン
新しい客が来たようだ。さて……気持ちも少し切り替えないと
「いらっしゃいませ、本日はどの様な品をご所望で?」
すいません……今回だいぶ更新が遅くなってしまいました。
原因は……アルトネリコ3です。
今作はヒロインよりもヒロインの別人格が好みです。
ヒロインは夢見がちな女の子とマゾっ子と天然アゲパン娘(ネタバレ?)だったな。
天然アゲパン娘はまだよかったけどね……
そして驚きは眼鏡で同性の武器屋の人に好かれている先生がふんどしになるとは……
ええ、笑ってしまいました。さすがアルトネリコ……不意打ちは得意ということか。
そして今月は無限のフロンティアの新作とひぐらしが出ます! お、お金が……
というので今月も更新が遅くなるかもしれません。期待してくれてる人には申し訳ないです。
それではまた次の話で~であであ
追記
もしかしたら新作を書くかもしれません。ロボットもので。
無限のフロンティア発売記念ということで。
もし投稿したらそのときは見てくださるとうれしいです