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第一章 第九話 『学者の過去』

 1987年 9月19日

 今日は私は新しい医学説を発表した。いろいろな人が私を褒め、たたえてくれた。まだ25歳だったが相当なものだと考えた。私は純粋に嬉しかった。さて明日の研究のために早く寝よう。

 9月20日

 私は研究のためのネズミやウサギを間違って殺してしまった。ここの部分はまたやり直し。仕方ないが焦らないでやろう。私の部屋に夕日の日差しが入り込んでいる。いつの間にかこんな時間に……さて一度眠ろう。

 眠った後研究を続ける。さっきのネズミから新しいモノが見つかった。大発見だ。これは次の目玉にしよう。

 9月21日

 今日もいいことがあると思った。しかしお金を渡されて無理やり研究を奪われた。そんなに名声が欲しいのか……私は研究資料が全てなくなった部屋でポツンと一人になる。幸い、あのウイルスのことについてはメモしていない。

 私の発見はバレないだろう。あれは本当に偶然だったから。

 9月22日

 先輩の桜庭さんがたずねてきた。かれは生体に興味をもち、アンドロイドを作ろうとしていた。理論は確立しているためあとは作るだけらしい。羨ましい……俺は全部獲られたのに……

 9月23日

 何もない。ただ心の中に大きな空洞をあけてなにかを考えている。

 9月30日

 新しいことが分かった。この世には精霊が存在している。なにもファンタジーの中だけではない。私は精霊は原子だと思う。原子の集合体。それが精霊。しかし魔力が足りので出て来れないだけではないか。

 昔はアーサー王のエクスカリバーも精霊が持っていたといわれる。精霊は人と関わりあって生きている。俺はそれを証明するためにまた研究をする。

 1992年 10月12日

 かなりまとまった。結構かかったがいいものができた。俺は早速この報告書を提出する事に決めた。これはジャンルは違うがすばらしい発見だ。楽しみで仕方がない。これで学会の連中の肝を……

 いやまずは寝よう。眠い。

 10月26日

 なぜ否定される! あなたらがただ単に頭が柔らかくないからだ。唯一協力などを言われていたのは桜庭先生だけだった。けど……桜庭先生の作品はとてもすばらしい。けれども俺のものは非現実的? 桜庭先生のだってそれなら非現実的だ。俺は証拠もみせたし根拠もある。なのに否定される。そうか……こんな研究なんて無意味なのか……こんな儲けにならない研究……。あ――桜庭先生のは娯楽や戦争などにも使える。だからか。

 10月27日

 耳鳴りがする。ここ最近するようになってきた。しかし俺は研究を続ける。耳などどうでもいい。俺はあいつらを見返したいだけだ。たとえ耳が失っても研究できる。

 ?月?日

 変な世界に来てしまって何日もすぎた。記録である日記をかけなかったのが残念だ。しかしここは俺が目指していた世界に似ている。夢でも見ている気分だ。

 ?日

 同じく飛ばされてきたという女性とであった。名前は華仙かせん 葉月はづき。どうやらかなりこの世界で過ごしているらしい。この異世界の言葉も覚えている。彼女とともに俺は世界を回ることにした。

 ?日

 色々なできごとがいっぱいあった。村の人たちの暖かさ、モンスターの優しさ、精霊達の慈愛。俺はこの世界にきてよかった。元の世界には戻れないけれども、こんなにも暖かい世界。のびのびと生活できる世界。俺はこの世界で暮らす事を嬉しいと思った。人のために今はとある村で医者になろうと思った。こんなすばらしい世界で医者になれる事を誇りに思いたい。

 ?日

 小さな病院を作って早5年。村の人たちも元気に動き回っている。ここ最近は雪が降っており、屋根から雪を下ろすのが大変とか大きな雪だるまをつくったなどほのぼのした話を聞いてると暖かくなる。彼女は元気だろうか? 俺は4年前にまた旅にでかけた彼女のことを少し考えた。

 ?日

 今日はとある町にいって薬を仕入れに行った。しかし村のひとたちがいない。何故だろうと思い村長のところにいった。そこの庭と家には村の人全員の死体があった。俺は許せなかった。女性は全員レイプさせられて殺されており男性は肉片のように無残に切り刻まれていた。服も全て奪われ家具も奪われている。山賊がまだ残っていたらしい。俺はそいつらを――――殺した。とても心地よかった。自分たちも殺したのに助けてくれと懇願する顔。逃げようとしても立てなくて震えているやつの顔。全てが愉快だった。こうなると村の人たちも愉快に見えてくる。何が楽しいかは自分でも分からなかったが俺は笑った。何かを忘れるために。

 ?日

 行き場所もなくなった。俺は村の近くの洞窟に行く。そこの最深部にはすごいスペースがあり。そこには泉もある。俺はとあることを思い出した。人造精霊の生成方法。俺は生成にとりかかることにした。

 ?日

 効率が悪い。そういえばパーソナルコンピュータというものが開発されていた。その資料は見たことあるので俺はその材料を集めて作成する。意外にもあふれるよう材料は存在していた。そのため色々試せた。

 ?日

 ついに完成した。俺のパーソナルコンピュータ。元のものより25倍ぐらいは高性能だろう。早速俺はこの機械で研究を進める。

 ?日

 人造精霊の一号が完成した。しかしエネルギーが採取できないためボツに。

 ?日

 この泉の水を使ってみることにした。泉に魔力が宿っているのは多々ある。数日後エネルギーが自動的に補給できるものができた。しかし肉体維持のためのタンパク質が手に入らない。そうだ。

 ?日

 俺は人間を数人連れてきた。人造精霊に食べるというアクションをくみこんでいるため自動的に食べるようになる。そして食べていく。俺はそのシーンを美しいと思ってみる。

 ?日

 俺は我慢できなくなってきた。人を殺したいという欲求が強くなってきている。俺は人を殺す事にした。まずは老人をじっくりじっくりといたぶる。しかしすぐに死んでしまう。つまらないから俺は大人を殺し始める。

 血飛沫をだし、苦しみながら生きたいと願う人間。それがとても芸術的で俺は人をもっと殺すようになっていった。

 ?日

 人造精霊たちはモンスターをも食べていき段々と力もついていった。とても可愛らしい我が子だ。もっと育て。ボクにもっとすばらしい絵を見せてくれ。

 ?日




「なんだこれ……」

「どうしたんだ? コウイチ」

「あの科学者の日記だ…… エリエンヌさん? この近くに村ありますか?」

「あ、ああ。一応あるがもう人が一人もいない。全ての人が死んでいた。どこかの魔術師が魔法を使いみんなを殺したらしい」

「そうなんですか……」

 あともうひとつ気になる事があった。華仙葉月だって……あの人はここにいたのか? 美月義姉さんが……。

「あら〜見ちゃったのかな?」

「「な!」」

「ボクの日記か〜懐かしいな〜おはは。あれからもうこれだけ時が経ってるんだね〜でもボクの研究資料を少しでも見ちゃったんでしょ? 処罰しないとね〜」

「貴様……」

 エリエンヌさんは鞘が走らないように気をつけながら相手に切りかかる。しかし相手はそれを避ける。

「よくも!」

「あはは〜そんなんでボクに勝てないよ。怒りなんてものは油断している相手にしか効かないからね」

「五月蝿い! 風よ。我の剣に宿りて鋭き矛となれ!」

 エリエンヌさんが唱え終わると剣がさらに鋭さを増し刃も長くなる。そして相手に切りかかがそれをまた避けられる。

「まったく〜人の話は聞くものだよ? この雌が!」

「なっ!」

 人が変わったように袖から剣をだし切りはじめる。

「ほらほら〜どうしたんだい! そんなにおされてさぁ!」

「てめぇ! どけろ!!」

 俺は後ろからハンマーを振りかざす。

「キミもジャマなんだよ! 風よ切り裂け! ウィンド!」

「ぐわぁ!!」

 俺は壁に叩きつけられる。頭がすこしグラグラする。頭をぶつけたようだ。

「コウイチ!」

「よそ見したらダメですよ」

 そういうと学者はエリエンヌさんの横にまわって黒い弾を打ち出す。それをまともに食らいエリエンヌさんも壁に叩きつけられる。

 しかし俺とは違いもっと強い勢いで叩きつけられていた。

「う、あ……」

「はぁ……これでぇートドメですね。まったくつまらなかったですよ?」

「エリエンヌさん!」

 俺は重い体に鞭をうつ。

「太古の楔よ。奴を貫く槍となりその血を奪え! ドレインランス!」

 ごぽごぽと膝から血が出続け鎖がその血を吸い取って赤く染まっていく。

「え、こう……い……ち……?」

「だ、だいじょうぶですかね……」

 俺の膝ががくがくと笑い始める。しだいに血がなくなり顔が青くなっていくのが分かる。

「ま、まってろ今回復魔法を……」

「たぶん無理ですよ……回復魔法は出血をとめるだけでしょ?もう血が足りませんから」

「コウイチ! でもせめて!」

「い……や……いいです」

「いや! まだ助かる! まだ!」

 しかしエリエンヌさんは回復魔法をかける。血は止まったが血が足りない。

「なんで助け合う! 何故そうまでして! イライラする! 虫唾が走る!」

 相手は闇雲に魔法を打ち続ける。しかし機械が頑丈なのか機械やカプセルなどには傷がつかない。

「自分の身が大事なんだろう!? 人間なんてそんなものだろ? 貴様らはなぜ相手を気遣える!」

「俺は……守りたいだけだからね……。まだ間に合うから……まだ間に合うのなら力いっぱい助けていたい。俺の体なんてどうでもいいよ。だって……俺が守ると決めたんだ。そのためなら命をかけるのは当然。だろ?」

「コウイチ……」

 学者は暗いオーラを出しながらこちらに近づいてくる。ひたひた、ひたひたと。そして武器を取り出し斬りかかろうとする。さっきのときとは雰囲気が違う。さっきのは遊んでいるように見えた今は本気で八つ裂きにと思っているのかもしれない

「闇の矢よ! 四方八方から相手を狙撃しろ!」

 周りに黒い大きい矢が飛び交う。確実に俺を殺すつもりなのだろう。ここまで手が込んでいるとは。

「どうします?」

「私の魔法は範囲攻撃に弱いから避けるしか……けれどもその体じゃ……コウイチは……」

「ならエリエンヌさんは逃げてください。そして仲間を呼んでください。この矢を耐えるぐらいの壁にはまだなれますから」

 腕がうずき始めるが俺はこらえる。さっきのダメージのせいかわからないがどうかは分からないがなぜか腕がうずく。

「な! 私よりコウイチが行った方が!!」

「いえ、増援が遅くなりますし地理もわからないのでエリエンヌさんにしか任せられないです。さっさと逃げてください」

 いつでも発射できるのか周りの矢は空中で静止している。

 そして……放たれた。

「穢れなき水よ……穢れを持ちし闇の力を阻め」

 ありえない人がいた。白い穢れのないような人が前に竪琴をもって現れていた。

 長い髪をなびかせ俺とエリエンヌさんの前にいる。それは天使の降臨にも見えるほど美しかった。

 矢たちは俺たちの周囲にできた水の膜の中で威力を失い消えてしまう。

「え……シュ、シュリスさん?」

「大丈夫ですよ、コウイチさんにエリー」

「エリーというのはやめてくれ」

「それはおいておきましょう。それでは一曲いきます」

「え? 一曲って」

 次の瞬間やわらかい歌声が俺の耳に届く。優しく母性が感じられる詩だった。今まで貧血気味だったのが嘘のように直っていく。

 だんだんとドーム状のような水の膜の中に歌声が響く。それはまるで母に抱かれているようなぐらいの安らぎが感じられる。

「これが私の詩です。」

「あ、今あれと交戦中だけど」

「あの技はたぶん領域系の防御魔法には弱いので大丈夫です。安全なので今は休んでください」

 しかし汗が額に滲んでいる。使用する魔力が多いのだろう。しかも詩を歌った。これできつくない方がおかしい。

 俺は……決めた。

 矢は次第に消えてゆき最後にはもう飛ぶ矢は無くなっていた

「シュリスさん、エリエンヌさん。今から走って出口に向かいましょう」

「そうだな。今は無理だから逃げるしかない」

「そうですね。私もそれが一番だと思います」

「では一斉に行こう」

 そういうと俺たちはこの部屋の出口に向かって走り出す。俺は万が一のため後ろにつく。

 出口は近かったため2人ともすぐにでた。俺はそれに……続かなかった。

「さようなら……シュリスさん、エリエンヌさん。生きてくださいね! 俺も生きれたらいきますから!」

 俺はそういい出口をハンマーで壊す。そうこいつを閉じ込め、時間を稼ぐためだ。

「な! コウイチ! 貴様何を!」

 俺はその言葉を無視してある方向へ目を向ける。そこには目が据わった学者がいた。狂気に飲み込まれた哀れな学者の姿だった。

「君ィ? ゆるさないよぉ〜。折角のサンプルたちがいなくなったじゃないか」

「ハン! 言ってな!」

「まぁいいや。一番弱いのは君だろう? 私の研究の成果を見て欲しいな。この完璧な生命体を!! そしてこの生命体に命を捧げるがいい!!」

 パチンと指を鳴らす。二個のカプセルからそれぞれ形状が違う生物が現れた。

 人間の形のものとタコみたいなものがいる。

「さぁ、ボクはゆっくり見ているよ。特等席で。血に彩られる狂想曲を」

 ここからが勝負だ。エリエンヌさんたちが早いか、それとも俺が足止めに失敗しコイツがエリエンヌさんたちを捕らえるのが早いのか。

 俺はハンマーを握り締める。さっきから腕が変に熱い。俺は奥歯を噛み締めると自分の武器を構える。

 俺の立っているところが血で濡れている。さっきの自分の血のせいでもあるだろう。とてもやりにくい立ち位置だ。

 横にステップする。多勢に無勢だ。けれども俺は約束した。一方的だったけどさっき生きると。そのために武器を振るうことを決めた。

 ジリジリと歩み寄り隙を疑ってくる敵。

「かかってこい。俺が相手になってやる」

 こうして戦いが始まる。

あーはい杉岡ですー。ここ最近更新遅くなっていますねー。

なぜかこの小説に名前がリとつく人多いですね……

相変わらず展開が早い杉岡です。自分の文章のヘタさが情けないです。

がんばってうまく書けるように努力します!


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