第一章 『夢の始まり』 プロローグ
わたしはあなたに二個の箱を差し出しました。
赤い箱と青い箱。
あなたはどれを選ぶの? どちらかを選んだらその選ばれなかったほうは消えちゃうから。
わたしはあなたにいじわるをしました。
それはあなたが好きだから。しかしあなたはどうなのだろう?
あなたはわたしを見ていますか? わたしじゃなくちがうものをみてますよね
あなたは悩みました。こんなくだらない箱選びに。
あなたにとっての幸運はなんでしょう。それはあなた自身が決める事。
でもあなたは気づきません。箱を選ぶ事自体が愚かだと。
あなたはどの選択肢をするか? 箱の中身がわからないのに悩むあなた。
この箱の二つの中身はどっちも悪いものかもしれないのに。
あなたにもうひとついじわるをしました
あなたが選ばなかった箱の中身はあなた自身が壊してね?
そしてとまるあなた。
わたしをみないで箱とにらめっこをしています。
わたしはそれがいとおしくて、そしてさびしくて。
わたしはあなたを――――――
今の季節は生命の息吹を感じられる春。
季節の移り変わりはめまいがするほど早く、まるで昨日が冬のような感覚がする。
俺は墨田幸一。今年で高校2年生だ。もう高校生活に慣れてきた感じがしてくる。
俺は今私立南城高校に通っている。ルックスは中の上ぐらい。童顔とよく言われる。好きな事は家事。これは自慢だ。というかこれしか取り柄がないのだ。
勉強は中の中。運動は上の下。俺の点数を聞けば平均点がわかるともっぱらの評判である。これはあんまり良くないが……というか良くない。勉強してるのに。
友人は比較的いるほうかも? いまいち分からないけど。今日はクラスメイトとの顔合わせである。色々ワクワクするものだ。
えっと俺は…2−Cで名簿番号は29か……。他に友人がいればいいんだが……。ここの高校は掲示形式ではなく便箋形式であるため教室に行かないと友人がいるかは分からない。
教室はわりと静かだった。それはそうだろう。まだ時間は朝のHRまで40分もある。というか自分でもこんな時間に来るなんてありえないと思っているものだ。とりあえず俺は29の名簿番号がつけられている机を見つけて寝るのであった。
―――何分経っただろうか……気がつかない間に人が増えている。
「お! こうちゃんお久ぁ!!」
まったくハイテンションだな……
「市、昨日会っただろ? 今眠いから機嫌悪い……」
「まったく幼馴染なのにつめたいねぇ!!」
こいつは市原愛子。俺の幼馴染だ。ちなみに家事はまったくできないので俺にやってもらっている。
「関係ないだろ関係ない。俺低血圧なんだよ……」
自分は低血圧なほうでは無いのだが市にノリを合わせるのがしんどい。まぁ今回はただ単に眠いからお引取りしていただきたいだけなんだが。
「えーこうちゃん休みの日は早朝に張り切ってジョギングしてるじゃん! おじさんくさい趣味だぞー」
若い奴はあんまり朝ジョギングしないか。自分でもオヤジ臭いと思っているがな。
「文句言うな。唯一の趣味なんだから」
俺はあんまりゲームの類は好きではない。いや嫌いではないがなんか微妙。なんか大自然にこそ真の楽しさ無いがないかな?
「健康な趣味は結構だけどぉー、ゲームも楽しいよ?」
「それはお前の趣味だろ……俺は体動かすの好きなの!」
「はーそんなんだったらつまらない人になっちゃうよ」
そんなゲームやらなくても心豊かな人はたくさんいるだろう
「おーっす久しぶりー。AHAHAHA! 墨田ーまた痴話喧嘩か?」
「お、久しぶり。ってか痴話喧嘩じゃないって杉並……」
こいつは杉並衛。俺とは一番仲のいい友達だ。いわゆる親友。何考えてるか分からないけど。
「ふーん、まぁいいけど今日カラオケ行かないか? 久しぶりに会ったんだし」
「ああ、いいな」
「私も一緒でいいでしょ?」
「別にいいですよ。市原さん」
俺は反対したいんだが。こいつマイク持ったら離そうとしないから……
「それじゃ放課後な。墨田は一旦家に帰るか? 午前で終るし」
「いいや、家にだれもいないから普通に大丈夫だ。って知ってるだろ杉並は」
俺の両親は海外で働いている。家の家事をやらないと駄目だが、まぁ一日ぐらいいいだろう。
「あえて聞くのが……友達だろ?」
こんな感じでおかしい奴だ。
「みなさん! 始業式始まりますよー並んでくださーい」
もうそんな時間か……さて並ぶか。
「えーであるからして―――」
まったくこの理事話長いんだよな。時々授業に入ってしまう話の長さである。まったくこの拷問で何人の生徒が倒れた事か。そもそも教育者としてそれでいいのか?
それにしても。今日耳鳴りするな? んーどうしてだろう?
「―――田、墨田」
うーん今日カラオケの帰りに耳鼻科にでも行こうかな?
「聞けっての!」
ガキッゴポッ――
ぎゃぁぁああああぁあ!! 腕の関節が外されてまたつけられた痛さが!!
「なんだよ!? 杉並!!」
「今日お前そわそわしてないか?」
「あー? ああ、ちょっと耳鳴りがさっきからしてな」
「耳鳴り? 珍しいな。常に健康体であんまり病院には行かない人が耳鳴りなんかでそわそわするとは。ふむ、実はホモな男に弱みを握られ今日は掘られたの――」
「はい! ダウトォォー!!」
まぁそうだな……自分は健康体だから病院にあんまり行かないから……でも……それとこれと違うくない?
「まぁ珍しく耳傷めたんだろう。まぁすぐになれるだろう」
「まぁそうか……」
なんか今日はあんまり茶化さないのか?
「さて、本題に入るぞ」
本題じゃ無かったのかよ。
「この拷問から逃げないか?」
「それはいえてるな。しかしどうやって?」
「簡単だ、ちょっと首を貸せ」
なんで首なのだろう。普通耳じゃないのかな。
「はい、どうするんだ?」
「こうするんだ。」
ガスッ
気持ちのいいような音がなり自分の意識が深淵に行った――――
ここどこだっけ? 保健室? ああ、杉並に斜め45°チョップ食らったんだ。
杉並め……謀りやがったな。
「大丈夫? こうちゃん?」
近くに市がいた。
「杉並は?」
「先にカラオケ行ってるって」
「そうか、行くぞ」
「え? もう? もう少し休んだら? 貧血ってあんまりあんまり甘くないんだよ?」
「大丈夫だ。原因は杉並の斜め45°チョップだ」
「そうなんだ。でも元気ならいいや」
さて急ぐか―――
「おい……杉並、なにてめぇ俺のこと生贄にしてんだぁ?」
「いいじゃないか、結局あの拷問から逃げれたんだし〜」
まぁそのとおりだがちょっと納得がいかないものだ
「まぁでも、俺を身代わりにしたから、今度なんか奢れよ」
「あーはいはい、心が広い人でよかったですよ」
俺達はカラオケをおもっきり楽しんだ。しかし耳鼻科は7時までなので6時30分には帰ることにした
「そんじゃ俺は帰るから、まぁ二人で楽しんでな」
「あいあーい」
「それとさすがに俺の幼馴染を襲うなよ?」
「俺は市原さんは好みじゃないから大丈夫だよ」
ちなみに杉並の好みは俺はしらない……まぁいいけど
「そんじゃ、行ってくるわ」
「んじゃーまた明日〜」
「明日なー」
「ああ、明日な」
そういい俺はカラオケからでた――――
「異常ないですね、一応薬を出しておきましょう。」
そういわれ3日分の薬をもらった……
んーなんだろうな……
ポツンポツンポツンと小粒な雫が空から降ってくる。
「あ、雨だ……ってやばい! 傘持ってきてねぇ!!」
濡れるが風邪を引かないために急がないと。
やっぱり走るのは気持ちい―――じゃない!急がないと!
キィーン……
ぐ……やっぱり耳鳴り?いやこれは頭に直接響いてる……
急いで薬をのんだほうがいいかも・・・走っ―――て!?うわぉ!!下に穴がぁぁああぁぁあ
「うわわぁぁああああ!!っとっと!!」
もにゅもにゅ
「なんだったんだ?しかしなんか柔らか―――」
目の前には胸がありその胸の持ち主である女性は怒りのオーラを出していた……
「えっと……ワザとじゃないんです……信じてください。ちょっと!!や、やめぇ!ぎゃぁぁぁあああぁああ!!!」
そうして俺は二度目の深淵を見た……
はい杉岡です。急にファンタジーが書きたくなった。後悔はしてない。書きたくなったら次の話UPする感じなので更新は遅いですがよろしくお願いします