ロスト・アポカリプス in ロスト・ワン 滅亡初夜@プロローグ
アポカリプスの樹――いつもは枯れ木のようだが、二千年に一度この樹木の花を咲かせると言われているが、誰一人見た者はいない。この樹の花が咲く時、人類に終末が訪れるとも噂されている。
禍々しい噂の尽きない大樹が青々と葉をつけて、山城朱雀の眼前でザクロのような毒々しい紅の花を咲かせている。
滅亡する運命にある世界を救うために山城は戦ってきた。だが、それを否定するかのように紅の花は終末を告げるラッパの音を辺り一帯にまき散らす。
アポカリプスの樹の花から種が飛ぶ。平原の草地に着地したそれは、急激に成長して一つの形を成す。木の人だ。人の形をした樹木が無数に現れる。顔の部分に巨大な口を持ち、そこだけ人の唇と歯が生々しく再現されており、歪で不気味な存在だ。
キキキキキキキキキキキ――!
共鳴するように木の人が鳴く。
そのうちの一匹が、平原にいた一人の兵士を喰らった。その兵士は悲鳴を上げようとしたが、一瞬で首から上を失い、それすら叶わない。
人類の一人が減った。何億といるうちの一人。無数の中の一が減った以上の意味がその兵士の死にはあった。アポカリプスの樹から産まれた怪物は人を害する者であり、終末に導く者だ。
世界が悲鳴を上げる声が聞こえてくるようだった。
人類を存続させるには、アポカリプスの樹を復活させてはいけなかった。なのにそれを行った者がいる。
なぜ?
その疑問に「人への試練だ」と、アポカリプスの樹のそばに立つ<それ>は言った。
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