待ち合わせ~アナザーサイド~【冬の詩企画】
急いでいるときに限って
店長に残業を頼まれ
信号は赤のまま
聖夜に走るオレ
早く君に逢いたくて
約束の時間まであと少し
急いでいるときに限って
改札機で引っかかり
電車は遅延する
聖夜に走るオレ
早く君に逢いたくて
約束の時間まであと少し
急いでいるときに限って
スマホは充電切れで
番号も知らない
聖夜に走るオレ
早く君に逢いたくて
約束の時間まであと少し
春は桜が咲く土手で
夏は光が降り注ぐ海辺で
秋は葉が紅に色づく登山口で
いつも同じスタート
いつもカノジョを待たせ
いつも、オレは遅れてばかり
一分が過ぎ
すぐ三分になり
そして、五分も経つ
諦めて帰ったかと思えば
人ごみの向こう側に
見慣れた後ろ姿
オレは、すかさず忍び寄り
悪戯半分に視界を塞ぎ
耳元で甘く囁いた
きらめく街で
オレとカノジョの
きよしこの夜が始まる
本作は「冬の詩企画」参加作品です。
企画の概要については下記URLをご覧ください。
https://mypage.syosetu.com/mypageblog/view/userid/1423845/blogkey/2157614/(志茂塚ゆり活動報告)
なお、本作は下記サイトに転載します。
http://huyunosi.seesaa.net/(冬の詩企画@小説家になろう:seesaablog)