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八話 発覚

拙い話しですか読んで戴けたら幸いです。

ゆっくりと意識が覚醒していく。

仮眠を取って体感で一時間程、しっかり熟睡出来たから体が軽い。

部屋を出て白壁の家のリビングダイニングに向かう。

女子が居る壁がピンクの家も俺達の白壁の家の家も水の魔石を使った上水システムで蛇口を捻れば水が出る。

さらに火の魔石と組み合わせると温水、コンロ迄使える優れ物。

キッチンの蛇口を捻りコップに水を注ぐ、そしてそれを一気に飲み干す。


「ふぅっ」


思わず息が漏れた。

家の中に人の気配は無くその足で外に出る。

すっかり日も登り密林の方からギャァギャァと何かの生き物の鳴き声が聞こえる。


「あれっ、ひじりんもう良いの?さっき寝たばっかりだよ?」


桜が声を掛けてきた。


「熟睡出来たから大丈夫、皆にちゃんと説明もしないといけないしな」


辺りを見渡すとクラスの連中はバスのトランクから荷物を出したり雑談したりしていた。

俺は、女子の家と男子の家の間に魔術を使いガゼボを作成する、ガゼボとは洋風の東屋。


「『創造(クリエイト)』」


整地の魔術を掛けた地面はコンクリートの様に固い、同じくガゼボもコンクリートで造った様にしっかりとした作りをしているがデザインに関しては三角屋根に足を付けただけの簡単な物だ。

そうこうしているとクラスの男子連中が荷物を自分の部屋に運び込んで行く、どうやら俺が寝ていたので気を使ってくれたらしい。

松竹梅のトリオは嬉々として邪魔しに来そうだが・・・それも無かった。


「星夜お早う、まだ寝てていいぞ飛びっぱなしだったんだろう?」


近くに来ていたみこりんが心配してくれる。


「大丈夫、ありがとう。しっかり寝たから大分楽になったよ」


其から少しして此処に居る全員にガゼボの下に集まって貰い話し始める。


「皆、何処まで説明があったか知らないけど何か聞きたい事がある人?」


数人が手を上げる、


「聖君が漫画家の聖 叶先生の子供って本当なの?」


聞いて来たのは涼風(すずかぜ)さん、確か名前は(りん)だった気がする、陸上部でショートヘアーのボーイッシュな少女、ちなみに “僕っ娘“。


「えっ、それ誰に聞いたの?」


「夢野先生がそう言ってたよ」


マジでリリ姉は余計な事を・・・さっきから俺の隣で正座してるいるのはこのせいか・・・


「まぁ、それは本当だけど今はその話し関係ないよね?」


「関係大有りだよっ、僕あの作品の大ファンでずっと応援してきたし、ファンレターも何通も送った事有るし、こんなに近くに先生の子供がいたなんて・・何で教えてくれなかったのっ」


教えられる訳がない、涼風さんがかなりヒートアップしている


「最終回なんて感動物で、女勇者の主人公と魔王が結婚したのに勇者送還で離れ離れになってお互いの世界で生きて行く・・・ 何回も読み返したし、しかも先生自身もこの世界で勇者だったって聞いたし。ねぇ、あの作品ってもしかして実話なの?」


「ちょまっ、その事誰から聞いたっ」


「夢野先生だけど」


「リリ姉後で説教だから覚悟しとけ」


隣で正座しているリリ姉に話しかける


「だからこうして正座してるじゃない」


リリ姉が反論してくる


「マジで何処まで話したっ、これ以上余計な事喋って無いよな?」


リリ姉に問い詰めると涼風さんが


「先生がサキュバスだって事は聞いたよ」


何処までやらかしてんだこの人っ


「えっといやぁその・・・」


上手く言葉が出てこない。


「あの作品が実話なら聖君ってもしかして王子様?なんてね」


「げぶっ」


思わずむせてしまう。


「えっ、ホントに・・・・?」


ヤバいヤバいヤバいこのままじゃヤバい、俺の平穏な学園生活が脅かされる。


「ま、まっさかぁそぬな事無いかりょ」


噛み噛みだった。


「えっ、マジで?」


「あの作品の魔王って世界の半分くらい支配してたよね?」


「この話しが本当ならもしかして・・・・」


「「「「超玉の輿じゃね?!!」」」」


女子の数人が騒ぎ始めた。

あぁ、俺の秘密が暴かれて行く。

みこりんが俺の肩に手を置き首を振る


「星夜、諦めろ」


次いで桜が、


「ひじりんドンマイ」


「ドンマイじゃねぇっ」


マジでどうしよう、いっそのこと魔術で全員の記憶を飛ばすか? いや駄目だ、あの魔術は未完成で下手すると記憶喪失になる。


「詳しく説明して貰えるんだよなぁ」


松本が話し掛けてくる、もう諦めるしかないのか・・・


「もう、星君は人気者ねぇ。お姉ちゃん嬉しいわー」


「誰の所為だと思ってんだ、こうなりゃリリ姉の秘密も暴露してやろうか?」


「是非お願いしますっ」


梅野が詰めよって来る、確か下の名前は三雄(みつお)だったはず、こいつリリ姉に気がある様で良く保健室で姿を見かけた。


「何が良い?何でもげらぉ」


リリ姉に口を塞がれてしまい喋る事が出来ない。


「星君それはセクハラよー」


どの口が言ってるのかと突っ込みたいが後ろから拘束されて抜け出せない、本気を出すとリリ姉に怪我をさせてしまう。

チョークスリーパーの様に拘束してくるので胸が背中に当たっている、梅野を見ると血涙を流しながら此方を睨んでいた。

今はリミッターを解除して身長が有るから背中に当たっているが、普段の小さいまま今の状態になると胸の谷間に頭が埋まり “パフパフ“ 状態になる、リミッター切ってて良かった。


「もうっ、女の子の秘密を喋ったらダメじゃないメッ」


「女の子って、リリ姉もうにじゅうなががががぁ」


「もうっ、何言ってるのかしら・・・私は永遠の17歳よっ」


この人十歳もサバ読む積りか?こっちならともかくロスト側なら未成年じゃん。

チョークスリーパー状態からは脱したが今度は腕を極められてしまった。


「リリ姉ギブギブ、ごめんなさい」


やっとの事で解放される。

どんなにLvが上がっても関節技は極められると痛い。


「じゃれて無いでしっかりと説明して貰おうか、まずお前が “何者か“ からだ」


松本の言葉に俺は “NO“ と言えるはず無かった。



まだまだ頑張ります。

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