五話 エクセレート ④
新しいタイトルが中々浮かびません。
もう少しお待ち下さい。
拙い文ですが楽しんで貰えたら幸いです。
Side 〜お空の上〜
南の小島から飛び立って二時間程たった。
今頃みこりん達が“この世界“について、そして俺達『勇者』に付いて説明している頃だろう。
“異世界エクセレート“ それは、嘗て俺達『勇者』が救った世界。
エクセレートの呼び名で俺達『勇者』が元いた世界は、『ロスト』と呼ばれている。
ロストとエクセレートは隣接する世界らしく常に寄り添って存在しているらしい。
正直、俺も詳しくは教えて貰ってないので上手く説明出来ないが “全ての世界はサイコロで作ったピラミッドの様なもの“ との事だ。
何でも、一つのサイコロを一つの世界と見立ててピラミッドの形を作る、すると上から二段目以降は必ずサイコロの側面と側面が隣接する事になる。
サイコロの側面と側面が隣接する、つまり世界の側面と側面が隣接する、その隣接する世界間でのみ行ったり来たり出来るらしい。
エクセレートが隣接している異世界で現在、存在が確認されているのは、『ロスト』 そしてもう1つ『ダスト』この2つ。
名前の由来は、
神々の加護を失った 『ロスト』
神々がゴミとして廃棄した『ダスト』
と、言う事らしい。
四年前、俺達『勇者』は、ダストから侵略されていたエクセレートを救うためにロストから勇者召喚された。
勇者召喚されたのは五人
俺、聖 星夜
如月 命
野山 桜
クリス・ルーベル
神崎 暦
この五人がエクセレートを救うために勇者召喚されて・・・そして救った。
今と成っては懐かしい思い出だ。
しかし、転校した学校でそのうち二人と再会した時はかなり驚いた。
個人的には知り合いがいて助かったが、転校初日にクラスの教壇で挨拶をした時、みこりんも桜も目が点になり開いた口がパクパクしていた。
二人のお陰でかなり早くクラスに馴染めたと思う、松竹梅のトリオとは転校初日から犬猿の仲のままだが・・・。
まぁ、気にしても仕方がないので取り敢えずさっさと助けを呼ぶために俺は飛行速度を上げた。
Side 〜南の小島〜
エクセレートの事、勇者の事俺の解る範囲で説明していく。
クラスメイト達は俺の説明を真剣に聞いてくれている。
これが星夜だったら松本達に邪魔されて碌に話が出来なかったかもしれない。
そう考えると星夜が助けを呼びに行って正解だったと思う。
「つまり、俺達は異世界へ転移してしまい、今の所元の世界に戻る手段がありません」
一通り説明が終わり俺達の現状を伝える。
俺の説明を聞いて、帰れないと涙する者、異世界で今後どの様に行動するか思考する者、チート能力で無双してやるぜと意気込む者、様々な反応を見せる。
「はい、質問が有ります」
手を上げたのは“桜木 茜“さんだった。
「聖君、如月君と野山さんの事は解ったけど、夢野先生は何でこの世界、エクセレート?に付いて知ってるんですか?」
あぁ、理莉愛先生の説明がまだだった・・・
「えぇっと・・理莉愛先生は「まって」」
理莉愛先生に止められた。
「私の事は、私が説明するわ」
そう言われたので拡声器を理莉愛先生に渡す。
「皆さん、保険医の 夢野 理莉愛です。如月君が言った通り此処は異世界で何故私がこの世界に付いて知っているのか・・・。それは私が元々この世界の住人だからです。私は幼い頃にさっきの説明に有ったイレギュラーゲートに飲まれて皆さんの世界にたどり着きました。たまたま皆さんの世界に知り合いの方が居らしゃったので、その方の計らいで 夢野 理莉愛 として今まで過ごして来ました。その知り合いって言うのが聖君・・・ 星君のお母様で、この方も嘗てエクセレートをお救いになった勇者なの。星君達の先代の勇者に成る方ね。皆、エクセレントワールドって漫画知らない?その作者で 聖 叶さんが星君のお母様なの」
「ちょっ、理莉愛先生っ・・・」
この人は何必要無い事まで喋ってんの?
「「「はぁああああああっっっ」」」
「マジで?エクセレントワールドって大ヒット漫画の?」
「うそ、聖君に頼んだらサイン貰えるかな?」
「くそがっ、ブルジョアじゃねぇかっ」
「羨ましい・・・」
クラスメイト達は次々に驚きや怨嗟を口にしている。
“エクセレントワールド“ それは、少年誌に掲載されていた漫画で、少年少女が異世界に勇者として召喚され世界の為に戦う、在り来たりな設定だったがリアルな心理描写や世界観で大ヒット、つい最近惜しまれながら連載を終了したばかりである。
「理莉愛先生、その話しはする必要無いでしょっ。余計な事言わないでっ」
マジでこの人は碌な事をしない。
「でも、どうせバレるんだからいいじゃない」
「それを決めるのは星夜です」
エクセレントワールドの最終回、其処に星夜の秘密が隠されている。
(どうか、バレませんようにっ)
俺は、久しぶりに神に祈った。
これからも頑張ります。