三話 エクセレート ②
活動報告にも書きましたか、暫くは タイトル未定 とさせて頂きます。
・・・・ふぅ
ため息が漏れた。
もう一度良く“世界記録全集」“を確認する。
『現在地、エクセレート南の小島』
“南の小島“そう書かれていた。
調べた場所に呼び名が無い場合等にこの様に表示される。
未発見の島なのか、呼び名が無い島なのか、そんな事はどうでもいい。
重要なのは、“エクセレート“ そう書かれていた、その一点だけ。
「「「良かったー」」」
俺達三人は安堵した。
「うん、エクセレートなら大丈夫」
そう言う俺に後の二人も
「確かに、知らない世界じゃなくて良かったわー」
「お初の異世界なら詰んでたね」
三人で話していると、みこりんがやって来て
「で、どうだった?色々調べたんだろ?」
そう言われたので
「おう、聞いて驚け! 何と此処はエクセレートの何処かに有る “南の小島“だってさ」
そう伝えると、
「お前、マジ馬鹿だろ。 砂浜に行って東の方を見てみろよ」
そう言われたので砂浜に行き東の空を見て見ると・・・・・
昇ってきたばかりの月が二つ有った・・・。
俺はさっきいた場所に戻り尋ねる
「なぁ、みこりん何時から此処がエクセレートって気付いてた?」
「目を覚まして直ぐに砂浜に出たから・・・三十分位前のはず」
「マジかー、俺のさっき検索に使った時間完全に意味無いじゃん、つぅか何で教えてくれなかったの?」
「直ぐに砂浜の方に来ると思ってたんだよ。それに月を見てクラスの連中が騒いでる、日もかなり傾いて来てるし現状を説明するにしても誤魔化すにしても取り敢えず話し合おうと思って此処に来たんだが・・・」
「はぁ、了解。 だけど少し考えさせてくれ、正直俺もこの状況は宜しくないこと位解る」
そう言った俺はそのまま砂浜、波打ち際に座り夕日を眺める。
周りのクラスメイトも戸惑いを隠せずパニックになってざわついている。
一体何が起こったのか?
此処は何処なのか?
何故こんな所にいるのか?
中には「コレって異世界転移じゃね?」などと言っている奴も居た。こいつ落ち着いてやがる。
夕日を眺めて居ると俺に近づいて来る気配が五つ、めんどくさいので気付かないふりをするか・・・
「おい、ペガサスてめぇ何黄昏てやがる、今の状況分かってんのかっ、この大変な時にふざけた事してんじゃねぞ あ“ぁ」
やっぱり絡んできた。
松竹梅トリオと後の女子二人、“白石と鳥飼“ 通称『白鳥』コンビ、この五人は大体一緒にいていつも“五人“で俺に絡んで来る。
しかし、言ってる事は正しいので反論出来ない。
絡んで来た 松本 一輝は、元々クラスのリーダー的存在で “いいやつ“ だったらしいのだか・・ 、俺が学園に転校して来た位から荒れ始めて最近では“ナンチャッテヤンキー“状態に成っている。
俺達が通う“私立天宮学園“の運営母体である会社、名前は興味無いので覚えていないが、そこの一人息子で所謂 “御曹司“ 意外と女子人気が高い。
「あぁ悪い、考え事してたんだ、取り敢えずほっといてくれ」
俺かそう言うと
「はぁっ、テメェみたいな屑にでも気にかけてくれてる一輝君の優しさが解んねぇのかっ」
竹下 健二、松本の取り巻きの一人で正直こいつが一番ウザイ。
松本は “暴言“ だけだが竹下は “暴力“も振るう、正直一発殴ってやりたいが・・・、全力で殴ると“大変“な事になるので殴ったことは無い。
残りの三人からも色々言われていると、
「皆さーん、集合してくださーい。 重大発表がありまーす」
拡声器を持ったリリ姉がバスの横で手を振っている。
砂浜に散っていたクラスメイトも、ぞろぞろとバスの横に集まる。
男子十人、女子七人、運転手二名にリリ姉の合計二十人、これが今この島に居る全員。
自由参加の合宿だったので俺のクラスは半分程しか参加していない。
リリ姉が拡声器片手にしゃべり始める
「皆さん、大切な話が有ります。 この島は無人島で周囲数千㎞陸地がありません。 なので此処に私達の王国をっ ぺぎゃ」
近くにいた俺は、思わず頭部にチョップした。
「リリ姉バカなの?死ぬの?アホな事言ってないでさっさと説明、時間ないんだから」
「うぅ、お姉ちゃん傷物にされちゃった・・・ もうこれは星君のお嫁に成るしかっ ぎゃぴっ」
又ふざけた事を言い出したので取り敢えず黙らせて拡声器を奪う。
「はい、皆さん代わりまして 聖 です。まず、この島の事より空の月が気になると思いますがそれも放置します」
俺が話し始めると
「何でてめぇが仕切るんだよ、何様のつもりだ だ あ“ぁ?」
「さっさと死ね、ぼげがぁ」
「理莉愛様に暴力を振るうな外道」
相変わらず俺の行動全てに絡んで来るトリオ。しかし、梅野のやつリリ姉を “様“ 付けで呼ぶとは・・・
確かにリリ姉は美人だし爆乳だし女王様気質な所もある。
色々突っ込みたいが、そんな暇はない。
「はい、その辺りも後で説明します。取り敢えず俺は、助けを呼んで来るので後の指示はみこりんに任せます」
そう言うと、みこりんが反論してきた。
「おまっ、ふざけんなよ この場合指示は理莉愛先生が出すのが筋だろ」
「みこりん・・ 家の姉さんがサバイバルで指示何て出来ると思うか?」
「・・・そうだな・・、ごめん悪かった」
みこりんも納得してくれたようである。
リリ姉はかなりの“箱入り“なのでサバイバルで指示等出来る筈もない。
「明日の朝迄には帰って来るから」
俺はそう言うと、拡声器をみこりんに渡し『飛翔』の魔術で空へ飛び上がった。
(戻って来たら色々話さないとなぁ)
そんな事を思いながら。
これからも頑張ります。
出来るだけ早く新しいタイトルを着けます。