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二話 エクセレート ①

プロローグ入れて三話目投稿します。

楽しんで貰えたら幸いです。


「・・・・・きて」


誰かが呼ぶ声がする。


「・・・起きて」


徐々に意識が覚醒していく。


(せい)君、起きて」


この声は、リリ姉の声だ。

今回のスキー合宿に引率役で同行していて、見た目は一言で言うと “エロい“ 身長は女性にしては高く175㎝あり出る所は出まくりで引っ込む所はしっかり引っ込んでいる。

かなりのグラマーな体型で男子生徒達に絶大な人気がある。

転校後、少しして一緒に住んでるのがバレてしまいクラスの男子達から色々言われた事があった。

バレる前は 夢野先生 で通していたが、バレてからは、開き直り学園でも “リリ姉“ と呼んでいる。


「もう着いたの? 早くない?」


体感で六時間位しか経っていないはず、スキー場までは十時間位掛かるはずだ。


「違うのよ、ちょっと不味いことに成ったわ」


不味いこと?

一体何だろう?

寝起きで思考が纏まらない。


「とにかく外に出て見て、説明するより早いから」


そう言われ座席から体を起こす。

バスの暖房が効きすぎているのか蒸し暑い。

眠気眼を擦りながら外に出ると・・・


「・・・・・・・はぁ?」


俺はまだ夢を見ているのか、あり得ない光景に呆然とした。


「何で? ジャングル?」


目の前には鬱蒼と生い茂る密林(ジャングル)があり反対側には白い砂浜と蒼い海が広がっている。

バスの中に人影はなく全員外に出ている様だ。


「ここ何処?何が有ったの?」


当然の疑問を投げ掛ける。


「落ち着いて聞いてね。 私達はバスでスキー場に向かう途中に“イレギュラーゲート“に飲まれて此処にたどり着いたの。陸地に出ただけでも幸運だったけど・・、此処が何処かは、まだ解らないの」


その言葉を聞いて俺は愕然とした。

“イレギュラーゲート“ それは、いつ何処に開くか解らない異世界への扉。

基本的に人が巻き込まれる事はほぼ無いと言っていい。

世の中にある神隠し伝説の殆んどが人拐いや遭難等の事件事故に因るものだが、その極々一部は、イレギュラーゲートに飲まれて異世界へ飛ばされる“正真正銘の神隠し“であり、『ほぼ無い』であり、0ではない。


「マジで?」


「マジよ」


バスの入り口付近で二人で話しているとそこに桜がやって来た。


「“ひじりん“ お早う、大変な事に成ったね〜」


いまいち緊張感に欠ける間延びした声、ちなみに “ひじりん“ とは桜が付けた俺のあだ名だがそう呼ぶのは今のところ桜だけである。

ちなみに桜には誰にでもあだ名を付ける “悪癖“ があり、“みこりん“も桜の命名で此方はクラスの女子殆んどに受け入れられていたりする。


「お早う、此処が何処か解る?」


「日本じゃ無い事は解るよ!」


それは俺でも解る。

そもそも俺達が元いた世界ですらない。


「これって・・・・、不味くね?」


「さっきからそう言ってるじゃない」


不味い、不味い、確かに不味い。

此処が何処かとかどうでもいい。

“此処が何処の世界か“それが重要だ。

周りに他に人影が無い事を確認して“スキル“を発動させる。


世界記録全集(アカシックレコード)


“世界記録全集“それは、訪れた事の有る世界の過去から現在までの有りとあらゆる全てが書かれた魔導書で俺の持つチートスキルだ。

そのスキルを使い現在の位置を調べる。



そこに表示されていたのは・・・


『現在地、エクセレート南の小島』




これからも頑張ります。

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