暑さを差し込めば
錆びれた看板を横目に
店の前を通り過ぎる
笑いながら話す年配者
お客である子供達
人の営みは
住人にしか分からぬ物がある
雨が降ると
教えて貰いながら
嘘だと
言っている間に
土砂降りになった
本当だと言う声は
聞こえていないのだろうが
その様子から
受け取った物がある
得意げな表情
空気の湿り気
ラムネの味
雨宿り
みんなで
過ごしていた店の中
記憶の片隅
暑さを差し込めば
思い出す
小さな身体
小さな手で
大きな物を見上げていた
知らない事がある事を
知っていた純粋さ
気がつけば
あざとく汚して
靴は大きくなった
鞄の中身は
形を変えて
薄っぺらさを増す
成長と呼べる
確かな火よ
彩られた看板を横目に
店の前を通り過ぎる
大きな声で宣伝をする人
お客である酔っ払い達
人の営みは
住人にしか分からぬ物がある
雨が降ると
情報を貰いながら
どうでも良いと
言っている間に
土砂降りになった
自分の事しか
聞こえていないのだろうが
その様子から
受け取った物がある
他人を気にしない行動
馬鹿騒ぎする輩
ヒールの速音
雨宿り
ピンク色で
駆け込む人の先に無料案内所
現実の片隅
暑さを差し込めば
再生する
濡れた身体
濡れた手で
大きな物を見上げていた
知らない事がある事を
知らないフリした貪欲さ
気がつけば
頗る汚れて
形がこぢんまりとした
鞄の中身は
リピートして
薄っぺらさを増す
成長と呼べる
確かな火よ
軒先きを渡り歩き
明かりの灯る部屋へ
インターフォンの音
薄く聞こえて
内側の鍵が開く
柔らかな表情が
そこにはある
答える声は
自分の音では無いかもしれない
それくらい違うのだ
内側を開いてくれる人へ向ける
優しい声は
たとえ
関係として
長く無かったとしても
知ることが出来た
自分の音
優しいとは
それを綺麗に
奏でるということだから
難しいのかもしれない
下手くそだったり
貧乏くじを引いたり
仕方ない事が多いから
記憶の片隅
暑さを差し込めば
思い出す
小さな身体
小さな手で
大きな物を見上げていた
知らない事がある事を
知っていた純粋さ
気がつけば
あざとく汚して
靴は大きくなった
鞄の中身は
形を変えて
薄っぺらさを増す
成長と呼べる
確かな火よ
現実の片隅
暑さを差し込めば
再生する
濡れた身体
濡れた手で
大きな物を見上げていた
知らない事がある事を
知らないフリした貪欲さ
気がつけば
頗る汚れて
形がこぢんまりとした
鞄の中身は
リピートして
薄っぺらさを増す
成長と呼べる
確かな火よ