文月ー3
大天使ミカエルの「返しの祈り」が公開されます。お楽しみ頂ければと思います。
ミカエル、ザドキエル、ガブリエル、ラファエルの四人の天使と白衣観音は東の方角に共に向かった。
しばらく飛んでいると、海の彼方、水平線に禍々しい極彩色のオーラを放つ存在が固まっているのが確認出来た。
「悪魔の群れだ!」
ザドキエルが叫ぶとミカエルは腰に携えていた剣を引き抜き言った。
「海底火山を噴火させ、岩盤を隆起させる気だ!大地震を起こそうとしているのか!」
「すぐに殲滅させましょう!」
すぐ側を飛んでいるラファエルも弓矢を片手に出現させながら言った。
「あれだけの数、我々だけで事足りるだろうか。」
ガブリエルは慎重に様子を伺いながら呟いた。
「必要があれば、仲間を呼ぶことも出来ましょう。あわよくば、地上の神々の手を借りる手もあるのでは。」
白衣観音は落ち着いた様子で言った。
「そうですね。ここは日本の海の上。強力な海の神が宿っているはずです。」
ザドキエルが白衣観音の言葉に頷いている間も禍々しい悪魔の群れは今にも行動を起こさんと身構えている。
「向こうもこちらの気配に気付いているようです。まずは我々が先に攻撃を与えます。ピンチになった際は援護と日本の海の神を喚んでください。」
ガブリエルも左手に弓、右手に矢を出現させながらザドキエルと白衣観音に言った。
「分かりました。日本では海の神の代表はオオワダツミノミコトです。白衣観音様はそちらを喚んで下さい。俺は仲間の天使を喚びます。」
ザドキエルはガブリエルの言葉に頷くと白衣観音に伝えた。
「分かりました。」
白衣観音も頷くと片手にあの「如意宝珠」を出現させた。
「我が名はミカエル。我が偉大なる主イエス・キリストの御名において人々を惑わせ地上に驚異を及ぼすサタン及びその他の悪魔を殲滅せんとこの地に顕れり。今こそあなた方の願い、祈りに答えんためこの剣を振るい悪魔共を滅ぼさん。父と子と聖霊の御名において、アーメン。」
大天使ミカエルはそう「返しの祈り」を高らかに唱えると片手に携えていた剣を天に振りかざした。




