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☆初投稿作品☆「From where I stand 」  作者: 山河新(ユーリー)
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神無月ー5

中華街も好きで、神戸の南京町に時々遊びに行きます。


その上で知り得た実際の中華料理のメニュー等を参考にしながら作品にも反映させております。

特に飲茶は色々な點心を少しづつ味わえるのでお気に入りです。

「いらっしゃいませ!お客様、当店は初めてですか?」


短いピンクのチャイナドレスを着た娘はウェイトレスと見られる。


片手に丸いトレイを持ち、チャイナドレスに白いフリルのついたエプロンをしていた。


恐らく生まれつきと見られる明るい赤みがかった茶色の髪を両サイドの耳の上あたりで丸く結い上げている。

大きな丸みのある二重の目は少しつり気味で睫毛も長く

瞳の色も同様に澄んだ明るい茶色をしていた。

整った顔立ちで愛想も良く性格も良さそうだ。


アイドルみがありAKB48にでも入れそうなぐらいに可愛い。


「はい。初めてです。」


智輝は微笑みながらそう返事を返すとチャイナ娘は嬉しそうに


「ではお席のほうご案内いたしますね!」


と言って智輝を八角形の窓辺の席に案内した。


「当店は本格的な香港の料理店のやり方をとっております。」


席についた智輝の前にメニュー表を出しながらチャイナ娘は続ける。


「まずはこちらのメニュー表からお品物をお選びいただき、こちらの注文表にチェックを入れてください。」


チャイナ娘はテーブルの隅に置かれたメモのような小さな紙をペンと共に智輝の前に置いた。


こんなやり方初めてだと智輝は思った。


大抵のレストランでは店員がオーダーを取るのに


ここではそれを客に書かせるというのだ。


いや、さっきこのチャイナ娘は「本格的な香港の料理店のやり方」と言っていた。


成る程、現地さながらの臨場感を日本でも味わえるようにしてあるのだろう。悪くない。


むしろ面白い。


智輝は頷くとメニューに一通り目を通す。


その間にチャイナ娘は素早く水をグラスに入れて持って来て言った。


「ご不明な点などございましたらどうぞご遠慮なくお尋ねくださいね!」


「はい。あの…この字何て読むんですか?」


智輝はさっそくメニュー表の

「點心」

と書かれた所を指しながら尋ねる。


「こちらはディムサム、点心ですね。蒸籠に入った蒸し料理からエッグタルトに針ネズミのパイまで色々取り揃えております。」


チャイナ娘はにこやかに微笑みながら丁寧に答えた。


「ディムサム、香港ではそう読むんですか?」


「はい。点心は広東語ではディムサムと読まれております。飲茶のメニューでは點心が定番ですね。宜しければ他のメニューもご覧になられますか?」


チャイナ娘は今度は店の奥の棚から別のメニュー表を出してきた。


「こちらは本格派のごはん系メニューになっております。」


「麺類、その他お惣菜類もございます。

ボリュームもございますので二名さま以上でお越しのお客様におすすめいたしておりますがお一人さまの量に

変更も可能でございます。いかがなさいますか?」


智輝はしばらく考え、今の腹の空き具合と相談してみる事にした。


朝は8時に起き朝ごはんを食べてまだ二時間ほどだ。

ボリュームのあるものは食べきれず残してしまう恐れがある。


「じゃ、飲茶のほうでお願いします。えっとおすすめとかありますか?」


智輝の問いにチャイナ娘はメニュー表を指しながら答えた。


「はい。当店おすすめはこちらのタケノコ入りエビ蒸し餃子、エビと豚肉の焼売、エッグタルトでございます。」


メニュー表にはそれぞれ繁体字で


筍尖鮮蝦餃


蜜汁叉燒包


蛋達仔


と表記してあった。

恐らくこれらも広東語で難しい読み方をするのだろうが智輝はあえて読み方は聞かずにおく事にした。


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