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選者
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選者:稲沢潤子氏
望月笑子さんの『無機質な腐敗』は、入票が多かったが、私はあまり買わなかった。
主人公は短大卒の女性だが、勘当までされて同棲した潤が、その後ふっつり主人公の脳裏から消えることや、三年に渡るセクハラの葛藤など、心理と行動が、腑に落ちるように描かれず、文章にも不消化な部分があると思う。
他の題材なら、力が発揮されるかも知れない。
選者:乙部宗徳氏
望月笑子さんの『無機質な腐敗』は、軸になった裁判闘争の素材が生きており、これを書かなければ、という作者の思いが伝わってくる。
表現や小説としての構成など、工夫すれば更に良くなったとも思うが、小説という形式が本来持つ自由さも感じさせてくれた。