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この小説にこの後、潤が登場しないのは、彼の手紙をぐちゃぐちゃに丸めてクズ箱へ放り投げることで、無能な男と訣別したことを意味させるためなのだろうか。
多重債務を抱え、作業は不器用で、能力に劣るとはいえ、人一倍優しく、人一倍涙もろく、見返りを求めることもなく人に尽くし、誰よりも純粋な同棲者の年上の男性であったはずなのに。
潤との関係の『ご破算』が、妙子の成長の過程で必要であった…、あるいはそうではなかったにしても、それなりの始末は書いて欲しかった。
これは、小説を書くものに不可欠な『作法』ではないかと思う。