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プロローグ

このお話は、異界への扉、コルトの森の隠者と同じ主人公です。ただ、時代は更に進むため、登場人物は一遍されている為別の話のようになります。

一部異界への扉等に登場する人物の名前がでますが、出来るだけ読まなくても解るようにしていきます。

尚、この小説は作者が気分が落ち込まないような内容をベースに書かれるため、悪は悪!勧善懲悪!お話すっきりを目指しています。ご注意ください。


かつてこの世界では人族、獣人族、魔族、エルフ、ドワーフといった種族が共存して生活をしていた。しかし、その共存も人族と獣人族の人口の増大によって次第に崩れ去っていった。その後、各種族を巻き込んでの戦争が、まるで定期的に起されるかのように発生し、その戦争はこの世界におけるマナ発生の根幹となる4つの塔を破壊する事で終了した。

しかし、この塔が破壊された事により世界は4つに分断される結果となる。

この破壊により魔族とドワーフは分断された世界へと隔離されることとなった。更に唯一天界へとつながる言い伝えられていた聖地となる場所が沈み、一番大きな世界を形成していた人族、獣人族そしてエルフを中心とした世界において争いは激化していった。

エルフが次第に数を減らし劣勢となり、製造技術をある程度保持していた人族が、次第に装備において獣人族を駆逐し始めたとき、この世界の趨勢はほぼ確定したはずであった。しかし、その後における人族同士の覇権争いがはじまり、辛うじて生き残っていた技術、文明は壊滅的な打撃をうけ残骸を残し崩壊した。

そして、世界が断末魔の悲鳴をあげるその時、異世界より多くの転移者達が現れた。後の学者たちは、この世界が必死に生き延びようとした結果だったのだろうとの見解を述べているが、このさまざまな種族に跨って現れた転移者達によって塔は復元され、世界は一応の安定を取り戻したのだった。


世界が安定を取り戻したその時、まるでその仕事が終了したかのように転移者達の多くは歴史の上から消失した。その中で、数は少ないながらもこの世界に留まった転移者達によって世界は更なる進化を続けるはずであった。

偉大なる転移者にして国王と呼ばれたイグリア中興の祖である秋津洲がこの世界へと訪れてから100年の月日が過ぎた頃、世界を隔てていた魔族による侵攻が始まった。はじめは各種族がバラバラに戦いを始めていたが、人族最大の国イグリアが魔族によって壊滅の危機に瀕した時、はじめて人族、エルフ、獣人族そしてドワーフ達が一丸となって強力な魔族へと対抗した。

その戦いは熾烈を極め、その過程で各種族の結束は強まり、次第に種族同士の偏見は、魔族を除いて取り払われていった。その後、魔族との戦いはイグリアの精鋭とユーステリアを中心とした人族、獣人族、ドワーフ、エルフの決死の努力によって魔族の降伏という終結を迎え、世界には平和が戻った。

この戦争後イグリアの国王によって提唱された国家連合により平和は維持され、100年という月日が新たに流れていく。しかし、すべての種族において豊かな繁栄をもたらしたこの平和は、人族と獣人族の人口の激増を生み、この事により次第に自然と共に生きるエルフの国家連合離脱といった事態へと突入した。


しかし、この時もまだ誰もがこの平和が長く続く事を疑わなかった。しかし、いつの頃からかそれぞれの種族のリーダー的存在であり、また種族間の調停者であった転移者と呼ばれる人々が数を減らし始めた。

ある者は突然いなくなり、またある者は寿命を迎え、次第に各種族の繋がりに綻びを発生させていった。

そんな中であっても転移者の子孫達が必死に先達の後を継ぎ、世界の平和を維持しようとした。

しかし、かろうじて保たれていた平和は無情にもエルフと人族との戦争という形で崩れ去った。

人口増大による生存圏拡大を図る人族、そして森や自然を維持しようとするエルフ、この両者の争いはある意味必然であったのかもしれない。

この戦いで人族には魔族が、エルフには獣人が味方をし、ドワーフは両陣営へと武器の供給を行った。ある意味このドワーフの行いが戦争の陰惨さを助長させた。この戦争によって多くの森が、自然が破壊され、多くの村や町が焼かれ、多くの命が奪われていった。

そして、この戦争によって大国イグリアですら王族が戦死、暗殺、病死などによって絶え、その後の内紛によって消滅した。

このイグリアの消滅によって今まで維持されていた強大な力による抑えが外れ、世界はまさに戦国の時代へと突き進んでいった。


そんな戦乱の世界において、結界を張り巡らした自らの森の中で生活している一人のハイエルフがいた。

ハイエルフは自分がどれだけの時をこの場所で暮らしているのか、すでに解らなくなっていた。ただ、毎日をいつもの通り特に変化なく暮らしている。それが、この時代においてどれ程恵まれているのかを知ることはない。

遥か昔には訪れていた友人たちも時を経て年を取り、いつしか訪れなくなっていた。この為、外界の情報は彼女にはまったく入る事はなかった。

自分が長命なハイエルフであった為か、それとも超越者という称号の為か、親しい者達が一人、また一人それぞれ理由は違えども死へと旅立つ中、自分一人が姿形すら変わることなく生き延びていたのだった。

それでも、そのエルフにとっては繰り返される毎日に不満はなかった。傍らにはルーンウルフが代を重ねながらも常に寄り添い、それ以外の精霊や聖獣と呼ばれる生き物たちが一緒に森で暮らしている。その為一人でいる事を寂しく思うことはない。

いつの頃からかそのエルフの住む森は、精霊種の生き物達が数を増やしていった。そして、精霊種のもつ加護によって更に森は豊かになり、結界を通る事の出来る生き物たちが増えていく。ただ、その生き物たちですら戦いによってこの地へ逃げてきている事を彼女は知らなかった。

森に宿る、または暮らす精霊達の加護がこの森を守る中、森は次第に結界の外へと広がりを持つようになった。そして、その森も多くの精霊の加護によって守られ、いつしか精霊の森と呼ばれるようになる。

そして、精霊術を使うエルフ達は自分たちの力の源でもある精霊の多く住むこの森へと多く住みついてきた。しかし、本来森の友と呼ばれるエルフ達ですら森の奥にある結界の中へと入る事は叶わなかった。


更に月日が流れ、種族間戦争と呼ばれる戦いもすでに終焉を迎えようとしていた。

戦争は、各種族が大幅に人口を減少する事となり、戦闘の継続が不可能になっていた。又、当初両陣営へと働き利益を得ていたドワーフ達も、技術の抱え込み、敵対勢力への装備供与などによって中盤より優秀なドワーフの苛烈な獲得競争およびドワーフ商人への迫害が強まり、人口の減少に加え技術の消失といった最悪のシナリオへと変換した。

そして、結局の所この世界において勝利したのは誰もいない、っといった結果に終わった。

各種族の代表が集まり、ようやく停戦合意が行われたとき世界の人口は10分の1へと減っていたのだという。

その中であっても、結界の森の中ではエルフがのんびりと暮らしていた。

そして、そのエルフが住む森をかつてはコルトの森と呼ばれていた事を覚えているものは誰もいない。


奇しくも戦争が終結して5年、人々がようやく復興へと動き出した時、時代の中に取り残された結界の森においてその主人たるハイエルフの個人的な事情によって歴史が静かに動き出す。

その時代への新たな流れは最初は小さく、そして、最後には全種族を巻き込む大きな流れには・・・絶対にならないだろう。

他で継続している小説と同時進行となりますので、更新はあまり頻繁には行われないと思います。

他の小説も出来るだけ小まめに更新していくつもりですので、温かいお心とご支援をいただければと思います。


コルトの森の隠者のストーリーに詰まって逃避したわけじゃ・・・・ないですよ!

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